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32話

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浅井side

廊下を歩きながらスマホを取り出し月島先生に電話を掛けると、電源が入っていないとアナウンスがされ俺の苛立ちが増すばかりだ。


凸「んだよ…どうなんってんだよマジで…」


ガシガシと頭を掻き、教室に戻ると教室にいたクラスメイト全員が一斉に俺を見る。


俺はその視線に気づきながらも無視して自分の席に座ると三木が待ってたと言わんばかりの顔をしていた。


凸「職員室に行ったけどなんも分かんなかった…」

M「電話は?」

凸「電源が入ってないって…」

M「お前コンテストの後から月島先生と連絡取ってなかったのか?」

凸「しばらく実家に帰るって言ってたから連絡したら迷惑かもと思ってしてなかった…」

M「はぁ…マジか…どうするよ……。」


俺と三木の会話を聞いていたクラスメイト達も月島先生が辞めてしまった事が心残りなのか、クラスの雰囲気は最悪だった。


そんな中、新しい担任が来たがみんな月島先生がやめてしまった事の方がショックなようで、いつもの新しい担任へのいびりや嫌がらせをする奴は誰一人としておらず、みんな無言のまま重っ苦しい雰囲気となっていた。


すると、昼休みにププが珍しく俺の所にやってきた。


P「なぁ……」

凸「んだよ…」

P「月島先生の家に行ってみないか?さすがにもう実家からは帰ってきてんだろ?」


ププの提案に俺も確かにそれはアリだなと思うとみんなもいい案だと思ったのかクラスの中が一瞬、明るい雰囲気となった。


凸「でも、月島先生の家の住所分かんねぇじゃん…」

P「職員室の教頭のパソコンに歴代の教師達の個人情報が入ってるの見たことあんだよな…だから職員室に忍び込んで住所だけ見つければ問題ないと思う。」

凸「へぇ…ってかなんでそんな事知ってんの?」

P「ん?2年の学期末テストで留年が掛かってて、職員室に忍び込んで答案用紙を写メした時に教師達の個人情報も見たから。」

凸「マジか。想像してたよりお前クズだな。」

P「そんなクズでもたまには頼りになるんだよ。って事でまずはいっちょ、派手に喧嘩でもやりますか?」


ププはそう言うと首の骨をボキボキっと鳴らした。


ププの作戦はこうだ。


前回、ププが職員室に忍び込んだのは当時の3年生の中でも最も悪いとされていた先輩たちのクラスが、卒業前の武勇伝を作ろうと授業中に喧嘩をしていた時だったらしい。


ププは3年にあがれるか留年かの瀬戸際だというのに保健室でサボって昼寝をしていて、急に隣にある職員室が騒がしくなり起きて廊下を覗いたところ、隣にある職員室は授業に出ている先生やその喧嘩を止めるために3年生の教室にむかった先生で職員室が無人になり、ププはその隙に職員室へ忍び込んで期末テストの答案用紙を写メした…と言う訳だ。


それと同じ状況を作ればププは前回通り問題なく教師の個人情報が見れると言うのだ。


いつの間にかクラスメイト全員が一丸となりププの作戦に耳を傾ける。


凸「なら派手にやればやるだけいいって事だよな?」

P「だな。ただ、最悪でも停学に収める為にはあとで怪我したとか言って親に訴えたりすんのは無しだぞ?月島ちゃんのためにも、もし裏切った奴がいたら俺がぶっ殺すから。」


そして、俺たちは昼休みを使い入念にその作戦会議をすると5時限目にその作戦を実行する事になった。


つづく
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