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21話
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浅井side
初めてちゃんと感じる月島先生の唇の感触が言葉に表せないほど生々しくて俺を興奮させ夢中にさせる。
俺のこと見て…
教え子だなんて思わないで…
あんな恋人なんて捨てればいいのに…
そんな事を思い俺は息を乱しながら月島先生の唇を啄み、舌を絡める。
互いの唾液がまざり合い、卑猥な音を立てた。
月島先生の口角からは淫らに俺たちの唾液が流れ落ち、俺はそれを舌先で掬うとまた月島先生の唇を塞ぐ。
いつの間にか月島先生の両腕は俺の首に回されていて、俺は月島先生の腰を引き寄せ自分の身体にくっ付け夢中で口付けを交わす。
俺の手がゆっくりと動き、月島先生のTシャツの裾を捲り、中に手を忍ばせようとしたその時。
キンコーンカンコーン
チャイムの音が食事の時間を知らせた。
月島先生はその音で我に返ったのか、パッと俺から離れて視線を逸らし、俺たちの混ざり合った唾液が伝っている口角を手の甲で拭う。
今まで月島先生の体を支えていた俺の手は手持ち無沙汰となり彷徨っていた。
凸「先生…俺…」
凹「ご飯…行こっか…」
月島先生は視線を逸らしたままそう言って鍵を持ち扉の方に行くと、俺たちは気まずい空気のまま食堂に向かった。
騒つく食堂では参加者と保護者達が楽しそうに食事をしていて、俺と月島先生だけがこの場にそぐわない…そんな雰囲気だった。
席につくと食堂のおばさん達が用意してくれている食事を俺と月島先生の前に並べていった。
月島先生が食事の世話をしてくれたおばさんに挨拶をし頭を下げる。
凹「いただきます。」
月島先生はおばさんにそういうと綺麗な指先で箸を取った。
暗い顔のまま箸を手に取ろうとしない俺を見た月島先生は少し困った顔をしている。
凹「浅井くんご飯食べないの?」
凸「食欲ない。」
凹「せっかく用意してくださったのに…」
俺たちがそんな会話をしていると1人のおばさんが俺を気にするような素振りを見せ笑顔のまま言った。
「あとでお腹空いたら困るからおばちゃんがおにぎり作っておいてあげるね。気にしなくていいから食べれそうな物だけ食べなさいね。先生も大変だろうけどこの年頃の子のことは責めないであげてね。」
おばさんはそう言うと俺にニコッと微笑み、月島先生はすいませんと言って俺のせいで何度も頭を下げていた。
月島先生は特に話をする事もなく、さっきまで俺たちがしていた口付けは俺の妄想だったのかと思うほど落ち着いていて淡々と食事をしている。
俺はとりあえず箸を持ち付け合わせのアスパラを口に入れたものの喉を通らなかった。
そんな食事の時間を過ごし、月島先生は食の進まない俺を見て深いため息を落とす。
すると、さっきのおばさんが優しく微笑みながら俺たちの所に戻ってきた。
「はい。これおにぎり。先生の分も一緒に握っておいたからお夜食にでもしてね。坊や?あんまり先生を困らせるんじゃないよ。」
おばさんはそう言って、俺の頭をまるで子供のようにぽんぽんと撫で、その手は田舎に暮らすばあちゃんの手の温かさに似ていた。
先生はおばさんからおにぎりを受け取り、おばさんは気にしないでね~と言いながら厨房の方に戻っていく。
凹「浅井くんもう、食べないなら部屋に戻る?」
先生のその問いかけに俺はただ頷き、前を歩く先生の後ろをダラダラと歩いて部屋に戻った。
部屋に入れば不思議と自分の唇に月島先生の温もりが甦り、俺の前にいる月島先生を見て俺はなんとも言えない気持ちになる。
凸「月島先生…」
部屋の扉が閉まると同時に俺がそう呼びかけると、月島先生は肩をビクッとさせて俺の方へ振り返る。
凹「なに…?」
凸「俺、月島先生が好きなんだけど。」
俺の言葉が届いているはずなのに、月島先生はじっと俺の顔を見たまま動かない。
俺も月島先生から視線を逸らすことなく、じっとその目を見つめたままゆっくりと一歩、月島先生に近づくと月島先生は後ろに一歩遠ざかった。
凸「散々キスしといて今さら俺のこと避けんの?」
凹「あ…あれは…つい…」
凸「魔がさしただけ?」
凹「そういう意味じゃなくて…」
凸「どういう意味でもいいよ…だからさ?2人っきりの時くらい先生ずらすんのやめろよ。」
俺はそういうと月島先生を1人残し、気持ちを落ち着かせるようにバスルームに入った。
つづく
初めてちゃんと感じる月島先生の唇の感触が言葉に表せないほど生々しくて俺を興奮させ夢中にさせる。
俺のこと見て…
教え子だなんて思わないで…
あんな恋人なんて捨てればいいのに…
そんな事を思い俺は息を乱しながら月島先生の唇を啄み、舌を絡める。
互いの唾液がまざり合い、卑猥な音を立てた。
月島先生の口角からは淫らに俺たちの唾液が流れ落ち、俺はそれを舌先で掬うとまた月島先生の唇を塞ぐ。
いつの間にか月島先生の両腕は俺の首に回されていて、俺は月島先生の腰を引き寄せ自分の身体にくっ付け夢中で口付けを交わす。
俺の手がゆっくりと動き、月島先生のTシャツの裾を捲り、中に手を忍ばせようとしたその時。
キンコーンカンコーン
チャイムの音が食事の時間を知らせた。
月島先生はその音で我に返ったのか、パッと俺から離れて視線を逸らし、俺たちの混ざり合った唾液が伝っている口角を手の甲で拭う。
今まで月島先生の体を支えていた俺の手は手持ち無沙汰となり彷徨っていた。
凸「先生…俺…」
凹「ご飯…行こっか…」
月島先生は視線を逸らしたままそう言って鍵を持ち扉の方に行くと、俺たちは気まずい空気のまま食堂に向かった。
騒つく食堂では参加者と保護者達が楽しそうに食事をしていて、俺と月島先生だけがこの場にそぐわない…そんな雰囲気だった。
席につくと食堂のおばさん達が用意してくれている食事を俺と月島先生の前に並べていった。
月島先生が食事の世話をしてくれたおばさんに挨拶をし頭を下げる。
凹「いただきます。」
月島先生はおばさんにそういうと綺麗な指先で箸を取った。
暗い顔のまま箸を手に取ろうとしない俺を見た月島先生は少し困った顔をしている。
凹「浅井くんご飯食べないの?」
凸「食欲ない。」
凹「せっかく用意してくださったのに…」
俺たちがそんな会話をしていると1人のおばさんが俺を気にするような素振りを見せ笑顔のまま言った。
「あとでお腹空いたら困るからおばちゃんがおにぎり作っておいてあげるね。気にしなくていいから食べれそうな物だけ食べなさいね。先生も大変だろうけどこの年頃の子のことは責めないであげてね。」
おばさんはそう言うと俺にニコッと微笑み、月島先生はすいませんと言って俺のせいで何度も頭を下げていた。
月島先生は特に話をする事もなく、さっきまで俺たちがしていた口付けは俺の妄想だったのかと思うほど落ち着いていて淡々と食事をしている。
俺はとりあえず箸を持ち付け合わせのアスパラを口に入れたものの喉を通らなかった。
そんな食事の時間を過ごし、月島先生は食の進まない俺を見て深いため息を落とす。
すると、さっきのおばさんが優しく微笑みながら俺たちの所に戻ってきた。
「はい。これおにぎり。先生の分も一緒に握っておいたからお夜食にでもしてね。坊や?あんまり先生を困らせるんじゃないよ。」
おばさんはそう言って、俺の頭をまるで子供のようにぽんぽんと撫で、その手は田舎に暮らすばあちゃんの手の温かさに似ていた。
先生はおばさんからおにぎりを受け取り、おばさんは気にしないでね~と言いながら厨房の方に戻っていく。
凹「浅井くんもう、食べないなら部屋に戻る?」
先生のその問いかけに俺はただ頷き、前を歩く先生の後ろをダラダラと歩いて部屋に戻った。
部屋に入れば不思議と自分の唇に月島先生の温もりが甦り、俺の前にいる月島先生を見て俺はなんとも言えない気持ちになる。
凸「月島先生…」
部屋の扉が閉まると同時に俺がそう呼びかけると、月島先生は肩をビクッとさせて俺の方へ振り返る。
凹「なに…?」
凸「俺、月島先生が好きなんだけど。」
俺の言葉が届いているはずなのに、月島先生はじっと俺の顔を見たまま動かない。
俺も月島先生から視線を逸らすことなく、じっとその目を見つめたままゆっくりと一歩、月島先生に近づくと月島先生は後ろに一歩遠ざかった。
凸「散々キスしといて今さら俺のこと避けんの?」
凹「あ…あれは…つい…」
凸「魔がさしただけ?」
凹「そういう意味じゃなくて…」
凸「どういう意味でもいいよ…だからさ?2人っきりの時くらい先生ずらすんのやめろよ。」
俺はそういうと月島先生を1人残し、気持ちを落ち着かせるようにバスルームに入った。
つづく
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