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浅井side
次の日
コンテストに向かう当日
俺は最後の最後まで悩んだ結果…
凹「浅井くん…もう…レッスンサボるから…コンテストにも来ないんじゃないかと思って先生、心配したよ。」
俺は月島先生が予め待ち合わせ場所として指定していた場所と時間に合わせて荷物を持ち、コンテストに参加するためそこを訪れた。
月島先生は何も変わらず、レッスンをサボった俺を怒ることもなくただ、心配してくれていてそんな優しさがまた俺の胸を痛くする。
凸「ダルいからサボっただけだし。」
わざと反抗的な態度を取り月島先生から視線を逸らしてそう言うと、月島先生は少し微笑みながら、高校最後の夏休みだからそりゃ遊びたいよな。と少し寂しそうに言っていた。
そんなんじゃねぇし…と小さく呟いてみたものの、月島先生の耳には届く事はなく俺たちは歩き出す。
このコンテストは、コンテスト目的地まで参加者とその保護者がそれぞれ向かい、コンテスト目的に着いてから参加受付を済まし、絵を描いていくシステムとなっている。
俺は着替えなどの荷物に加え、絵の道具などの荷物もあるから大きなリュックを背負い大荷物だ。
目的地までは電車で30分ほど乗り、電車を降りてからさらにバスを15分ほど乗る都会から少し離れた田舎町。
月島先生と初めて乗る電車は通勤ラッシュという事もあり、そこそこ混み合っていて月島先生の後ろにやらしい顔をしたサラリーマンが立ったので、俺は月島先生の腕を引っ張り入り口の隅に立たせると、俺はそんな月島先生を囲うように前に立った。
月島先生は俺のことなんて気にする素振りすら見せずいつも通りで、コンテストのパンフレットを見ながらちゃんと目的地に着けるかスマホを確認している。
俺はただ、ぼんやりとそんな月島先生の長いまつ毛や高い鼻…ぷっくりとした唇をじーっと見つめていた。
すると突然、ガタンッ!!と大きな音がし、電車が大きく揺れバランスを崩した俺は思わず月島先生の顔の横に手を突き、月島先生の顔があるギリギリの所で俺の顔も止まった。
さすがに先生も驚いたのか大きく目を見開いたかと思うと、バチッと俺と目が合いすぐに目を逸らされ俺は気まずさと共にゆっくりと姿勢を元に戻す。
凹「…だ…大丈夫…?手…怪我してない…?」
そう問いかける月島先生にチラッと視線を向けると、今まで感じたことのない違和感を月島先生の顔に感じた。
その違和感はなんなのか考えているうちに俺は月島先生への返答を忘れていて、返事がない事を不思議に思ったのか月島先生が俺の方を見て気づいた。
月島先生…顔が赤くなってる?
真夏の電車内。
人が多いこともあり冷房がガンガンに掛かり外でかいた汗が冷え、俺でも肌寒く感じるほどだ。
なのに月島先生の頬は赤く染まり俺を見てゴクッと息を飲み喉仏を動かしている。
まさか…先生…俺にドキッとした?
これはただの自惚れなのだろうか?
そんな事を思いながら俺はただ月島先生をじーっと見つめる。
すると月島先生は俺の学生服の裾を引っ張った。
凹「手…怪我してないよな?」
少し上目遣いでそう言う月島先生はあまりにも可愛いくて、あどけなくて、先生だということを忘れてしまいそうだ。
凸「大丈夫です。」
俺がそう伝えると月島先生は満面の笑みで良かった…と微笑みまた、俺の胸を鷲掴みにする。
その時、俺は心の中で最低な事を思ったんだ。
あんな奴と別れて俺と付き合えばいいのに…って。
つづく
次の日
コンテストに向かう当日
俺は最後の最後まで悩んだ結果…
凹「浅井くん…もう…レッスンサボるから…コンテストにも来ないんじゃないかと思って先生、心配したよ。」
俺は月島先生が予め待ち合わせ場所として指定していた場所と時間に合わせて荷物を持ち、コンテストに参加するためそこを訪れた。
月島先生は何も変わらず、レッスンをサボった俺を怒ることもなくただ、心配してくれていてそんな優しさがまた俺の胸を痛くする。
凸「ダルいからサボっただけだし。」
わざと反抗的な態度を取り月島先生から視線を逸らしてそう言うと、月島先生は少し微笑みながら、高校最後の夏休みだからそりゃ遊びたいよな。と少し寂しそうに言っていた。
そんなんじゃねぇし…と小さく呟いてみたものの、月島先生の耳には届く事はなく俺たちは歩き出す。
このコンテストは、コンテスト目的地まで参加者とその保護者がそれぞれ向かい、コンテスト目的に着いてから参加受付を済まし、絵を描いていくシステムとなっている。
俺は着替えなどの荷物に加え、絵の道具などの荷物もあるから大きなリュックを背負い大荷物だ。
目的地までは電車で30分ほど乗り、電車を降りてからさらにバスを15分ほど乗る都会から少し離れた田舎町。
月島先生と初めて乗る電車は通勤ラッシュという事もあり、そこそこ混み合っていて月島先生の後ろにやらしい顔をしたサラリーマンが立ったので、俺は月島先生の腕を引っ張り入り口の隅に立たせると、俺はそんな月島先生を囲うように前に立った。
月島先生は俺のことなんて気にする素振りすら見せずいつも通りで、コンテストのパンフレットを見ながらちゃんと目的地に着けるかスマホを確認している。
俺はただ、ぼんやりとそんな月島先生の長いまつ毛や高い鼻…ぷっくりとした唇をじーっと見つめていた。
すると突然、ガタンッ!!と大きな音がし、電車が大きく揺れバランスを崩した俺は思わず月島先生の顔の横に手を突き、月島先生の顔があるギリギリの所で俺の顔も止まった。
さすがに先生も驚いたのか大きく目を見開いたかと思うと、バチッと俺と目が合いすぐに目を逸らされ俺は気まずさと共にゆっくりと姿勢を元に戻す。
凹「…だ…大丈夫…?手…怪我してない…?」
そう問いかける月島先生にチラッと視線を向けると、今まで感じたことのない違和感を月島先生の顔に感じた。
その違和感はなんなのか考えているうちに俺は月島先生への返答を忘れていて、返事がない事を不思議に思ったのか月島先生が俺の方を見て気づいた。
月島先生…顔が赤くなってる?
真夏の電車内。
人が多いこともあり冷房がガンガンに掛かり外でかいた汗が冷え、俺でも肌寒く感じるほどだ。
なのに月島先生の頬は赤く染まり俺を見てゴクッと息を飲み喉仏を動かしている。
まさか…先生…俺にドキッとした?
これはただの自惚れなのだろうか?
そんな事を思いながら俺はただ月島先生をじーっと見つめる。
すると月島先生は俺の学生服の裾を引っ張った。
凹「手…怪我してないよな?」
少し上目遣いでそう言う月島先生はあまりにも可愛いくて、あどけなくて、先生だということを忘れてしまいそうだ。
凸「大丈夫です。」
俺がそう伝えると月島先生は満面の笑みで良かった…と微笑みまた、俺の胸を鷲掴みにする。
その時、俺は心の中で最低な事を思ったんだ。
あんな奴と別れて俺と付き合えばいいのに…って。
つづく
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