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2話
しおりを挟む浅井side
M「あの新しい担任さ?美術の先生なんだって。」
昼休みの昼食を終え、次の授業のダルさに頭を抱えていた俺に、校内では情報通で有名な三木が横の席に座りながらそう言った。
凸「へぇ~」
本当はもう少し聞きたかった。
だけど聞けなかったのはこの教室内で月島先生の味方はきっと俺だけだからだろう。
M「ん?それだけ?珍しく自分から誰かを助けたりしてたら興味あんのかな~と思って情報拾ってきてやったのに。」
凸「え……っと…」
M「バレてるからw他の奴らは隕石に夢中だったけど俺はお前のこと見てたからwせっかく面白い情報お前のために持ってきてやったのに残念だわ~」
三木はそう言って長い手を頭の後ろで組みわざとらしく微笑んでいる。
そして、俺はと言えば…悔しいかな…
その情報とやらが気になりすぎて今にも拳で壁に穴を開けてしまいそうだ。
凸「お前がどうしても話したいって言うなら聞いてやってもいいけど?」
俺がそう言えば、三木は全て俺の心を見透かしているかのように笑みを浮かべ俺の方へと体を向けた。
M「どうしても知りたいって言うなら教えてやってもいいけど?」
謎に俺VS三木の睨み合いが始まり、気付き始めた周りの生徒たちが面白がって俺たちにハッパをかける。
凸「別に言いたくらないなら言わなきゃいいじゃん。」
M「別にお前が聞きたくないなら俺は言わない。」
頑固な俺たちは一歩も譲る事なくおもむろに立ち上がり、ただ睨み合う。
すると…
凹「なにどうしたの!?喧嘩!?」
教室内に立ち込めている雰囲気にそぐわない声が響いて、思わず俺は三木から目を逸らすとそこにいたのは…
凸「…月島先生…」
月島先生が必死な顔をして俺たちの横に立っていた。
P「月島先生~浅井くんと三木くんが~ケンカしてま~す!」
いつも自分たちは顔が変形し血まみれになるほどの殴り合いの喧嘩をしてるくせに、なぜか俺と三木が不穏な空気を漂わせただけでそうチクるププ。
凹「喧嘩はダメだよ。ちゃんと話し合わなきゃ。」
凸「別に喧嘩なんてしてねぇし…うぜぇ…」
M「だってコイツが月島先生のこと好きなくせ…」
凸「うるせぇ!!余計なこと言うなバカ!!」
俺は余計な事を大声で言いそうになった三木の口を無理やり押さえて止める。
そんな様子に驚いたのか月島先生は俺の腕を掴んで三木から離させようとした。
凹「こら!暴力はいけません!離しなさい!もうすぐ午後の授業なんだから!しっかり授業に集中すること!2人とも今日は居残りです!放課後先生のとこに来なさい!」
月島先生がそう言うと、5時間目の数学の先生が入ってきてそれと入れ違いに月島先生は教室を出て行く。
チラッと横の席に座る三木を見ると、三木は口パクで俺に「お前のせいだぞ!」と言って怒っていたが俺はそれを無視して窓の外を眺めた。
つづく
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