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第十六話
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ツキヤサイド
甘くてもどかしいカケルのその唇はすぐに離れてしまい、俺たちは見つめ合う。
K「国が用意してくれた俺の家…一緒に見に行く?」
T「行く!!」
俺はカケルに手を引かれ、国が用意したというカケルの家へと連れて行かれる。
その道中には何十年も会えなかった吸血鬼と人間の家族が泣きながら再会する姿があり、思わず俺の目頭も熱くなった。
K「ここだよ。」
そう言ってカケルが指差した先にあった家は…
T「え…ここ…なの?」
K「そうだよ。」
その家は俺が幼い頃にばあちゃんと生活していた家だった。
ばあちゃんをこの家に連れて帰ると約束したのに叶えてやることが出来なかったあの家。
その家に俺は今、カケルという愛する人と帰ってきた。
T「ここ…俺がばあちゃんと子供の頃に住んでた家……」
ポロポロと涙を流しながらそうカケルに伝えると、カケルは驚いて顔をしたものの、少し嬉しそうに俺を抱きしめる。
K「政府の人がこの家の持ち主は亡くなったって言ってたけど…ツキヤさんのおばあちゃんのことだったんだね…」
T「うん……」
K「ただいま…だね?」
T「え?」
K「この家もきっとツキヤさんのこと…ずっと待ってただろうから…俺をこの家に導いてくれたのかも…だからただいまって言ってあげなきゃね?」
T「カケル……」
カケルは優しく俺と手を繋ぎ中に入っていく。
あの頃より古びた家の中に入ると不思議とふわっとばあちゃんの懐かしい匂いがしたような気がした。
家の中は俺とばあちゃんが着の身着のまま逃げたあの時の状態で何も変わってなくて、幼き頃の俺が笑ってばあちゃんに甘えてる写真が玄関に飾られたままだった。
K「この写真の子供…ツキヤさん?可愛い…」
カケルはそう言って写真立ての埃を手で払いながら言って写真立てを玄関に置き直す。
俺はそんなカケルを後ろからギュッと抱きしめた。
T「ねぇ…カケル…」
K「ん?」
T「…俺ね……ここでカケルと一緒に住みたい……ダメ?」
俺がそういうとカケルはクルっと振り返り、俺の頬を両手で包み込んだ。
K「いいに決まってるじゃん。だって俺たちは…もう番(つがい)でしょ?」
カケルはそういうと俺の唇を音を立てながら深く塞いだ。
つづく
甘くてもどかしいカケルのその唇はすぐに離れてしまい、俺たちは見つめ合う。
K「国が用意してくれた俺の家…一緒に見に行く?」
T「行く!!」
俺はカケルに手を引かれ、国が用意したというカケルの家へと連れて行かれる。
その道中には何十年も会えなかった吸血鬼と人間の家族が泣きながら再会する姿があり、思わず俺の目頭も熱くなった。
K「ここだよ。」
そう言ってカケルが指差した先にあった家は…
T「え…ここ…なの?」
K「そうだよ。」
その家は俺が幼い頃にばあちゃんと生活していた家だった。
ばあちゃんをこの家に連れて帰ると約束したのに叶えてやることが出来なかったあの家。
その家に俺は今、カケルという愛する人と帰ってきた。
T「ここ…俺がばあちゃんと子供の頃に住んでた家……」
ポロポロと涙を流しながらそうカケルに伝えると、カケルは驚いて顔をしたものの、少し嬉しそうに俺を抱きしめる。
K「政府の人がこの家の持ち主は亡くなったって言ってたけど…ツキヤさんのおばあちゃんのことだったんだね…」
T「うん……」
K「ただいま…だね?」
T「え?」
K「この家もきっとツキヤさんのこと…ずっと待ってただろうから…俺をこの家に導いてくれたのかも…だからただいまって言ってあげなきゃね?」
T「カケル……」
カケルは優しく俺と手を繋ぎ中に入っていく。
あの頃より古びた家の中に入ると不思議とふわっとばあちゃんの懐かしい匂いがしたような気がした。
家の中は俺とばあちゃんが着の身着のまま逃げたあの時の状態で何も変わってなくて、幼き頃の俺が笑ってばあちゃんに甘えてる写真が玄関に飾られたままだった。
K「この写真の子供…ツキヤさん?可愛い…」
カケルはそう言って写真立ての埃を手で払いながら言って写真立てを玄関に置き直す。
俺はそんなカケルを後ろからギュッと抱きしめた。
T「ねぇ…カケル…」
K「ん?」
T「…俺ね……ここでカケルと一緒に住みたい……ダメ?」
俺がそういうとカケルはクルっと振り返り、俺の頬を両手で包み込んだ。
K「いいに決まってるじゃん。だって俺たちは…もう番(つがい)でしょ?」
カケルはそういうと俺の唇を音を立てながら深く塞いだ。
つづく
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