25 / 39
25話
しおりを挟む
ジュンペイside
まさかだった。
メイクをした事も手に触れた事もない俺がメイクアップ?
しかし、会社の緊急事態…
俺で力になれるのであれば…
俺はなんでもする。
J「やります。やらせて下さい。私の出来ることで坊っちゃんいや、会社の為になるのであればやらせて下さい。」
俺がそう告げれば坊っちゃんは力強く頷いた。
T「マヤト、チームリーダーを呼んで来い。ジュンペイにメイク道具の使い方を教えさせて明日の生放送までにトレーニングする。」
M「わ…わかりました。」
N「おもしろくなってきたね~ね?ヤヨイちゃん♪」
ナツオくんはいつもの調子で笑いながら仲直りしたのかヤヨイさんと肩を組んでいる。
Y「トルハ、私はとりあえず何すればいい?」
T「ヤヨイさんは明日、俺とジュンペイが着る衣装を準備してほしい。俺はメイク映えがするようにシンプルなモノでジュンペイは…落ち着いた感じの色味のモノで。」
Y「分かった。」
そうして、俺たちは明日の生放送に向けての準備が始まった。
俺の目の前に並べられた数々のメイク道具達。
これを全て坊っちゃんを含めた社員達が発案し考案し、愛情持って販売しているのだと思うと重すぎる責任という言葉が俺の肩にズシッとのし掛かる。
坊っちゃんはスーツから汚れてもいいシャツに着替え、俺の前にある椅子に腰掛けた。
マヤトさんによって呼び出されたチームリーダーのミレイさんは、慣れた口調で化粧品を早口言葉のように俺に説明していくものの…
無知な俺はスーッと頭の中を通り抜けていく。
*「これで一応、ひと通りの道具の説明は終わりです。では、次は使い方の説明を副社長の顔で説明させて頂きます。」
J「え…あ…はい…」
テキパキとことなしていくミレイさんに付いていくので必死な俺はオドオドしながらとりあえず返事をした。
すると、目の前のイスに座る坊っちゃんが少し笑いながら言った。
T「ミレイさんありがとう。一旦、休憩しましょう?素人に焦って詰め込んでも出来る事は限られてる。焦らず、僕たちが今できることをやればきっと評価されるから大丈夫です。だから、30分休憩!!ミレイさんこれで1階にあるcaféで飲み物買ってきて。」
*「すいません…気持ちだけが先走ってしまって…ありがとうございます。」
T「うん。よろしくね。」
そう言ってミレイさんは坊っちゃんからカードを受け取り、部屋から出て行き俺たちは2人っきりになった。
T「疲れたろ。座れば?」
J「大丈夫です…」
T「やっぱ…やめる?生放送…」
坊っちゃんのその言葉を聞いて俺は咄嗟に坊っちゃんの顔を見ると、坊っちゃんは少し眉毛を下げて笑っていた。
J「やめません。」
T「…そっか…ありがとう。」
そうして訪れた沈黙。
どちらかが話すわけでもなくただ、部屋の中で呼吸の音だけが繰り返されお互いの存在を知らせる。
すると、坊っちゃんは俺の手をそっと持ちゆっくりと自分の顔に近づけ、俺の指先を持って自分の頬や鼻筋に触れさせた。
J「坊っ…ちゃん?」
T「俺の顔の魅力を理解して…どうすれば綺麗になるか…美しくなるか…こうやって触って感じるんだ。何をどこに塗るか…何をどこに使うかよりも…お前のこの手で俺をどれだけ綺麗に美しく仕上げる事が出来るかが重要なんだよ…」
坊っちゃんはそう話しながら俺の指先で自分の唇をスーッとなぞる。
T「ジュンペイなら…俺のこと…綺麗にしてくるよね?」
J「も…もちろんです。」
俺がそう答えると坊っちゃんはニコッと微笑み俺の手のひらにそっと唇を押し付けた。
つづく
まさかだった。
メイクをした事も手に触れた事もない俺がメイクアップ?
しかし、会社の緊急事態…
俺で力になれるのであれば…
俺はなんでもする。
J「やります。やらせて下さい。私の出来ることで坊っちゃんいや、会社の為になるのであればやらせて下さい。」
俺がそう告げれば坊っちゃんは力強く頷いた。
T「マヤト、チームリーダーを呼んで来い。ジュンペイにメイク道具の使い方を教えさせて明日の生放送までにトレーニングする。」
M「わ…わかりました。」
N「おもしろくなってきたね~ね?ヤヨイちゃん♪」
ナツオくんはいつもの調子で笑いながら仲直りしたのかヤヨイさんと肩を組んでいる。
Y「トルハ、私はとりあえず何すればいい?」
T「ヤヨイさんは明日、俺とジュンペイが着る衣装を準備してほしい。俺はメイク映えがするようにシンプルなモノでジュンペイは…落ち着いた感じの色味のモノで。」
Y「分かった。」
そうして、俺たちは明日の生放送に向けての準備が始まった。
俺の目の前に並べられた数々のメイク道具達。
これを全て坊っちゃんを含めた社員達が発案し考案し、愛情持って販売しているのだと思うと重すぎる責任という言葉が俺の肩にズシッとのし掛かる。
坊っちゃんはスーツから汚れてもいいシャツに着替え、俺の前にある椅子に腰掛けた。
マヤトさんによって呼び出されたチームリーダーのミレイさんは、慣れた口調で化粧品を早口言葉のように俺に説明していくものの…
無知な俺はスーッと頭の中を通り抜けていく。
*「これで一応、ひと通りの道具の説明は終わりです。では、次は使い方の説明を副社長の顔で説明させて頂きます。」
J「え…あ…はい…」
テキパキとことなしていくミレイさんに付いていくので必死な俺はオドオドしながらとりあえず返事をした。
すると、目の前のイスに座る坊っちゃんが少し笑いながら言った。
T「ミレイさんありがとう。一旦、休憩しましょう?素人に焦って詰め込んでも出来る事は限られてる。焦らず、僕たちが今できることをやればきっと評価されるから大丈夫です。だから、30分休憩!!ミレイさんこれで1階にあるcaféで飲み物買ってきて。」
*「すいません…気持ちだけが先走ってしまって…ありがとうございます。」
T「うん。よろしくね。」
そう言ってミレイさんは坊っちゃんからカードを受け取り、部屋から出て行き俺たちは2人っきりになった。
T「疲れたろ。座れば?」
J「大丈夫です…」
T「やっぱ…やめる?生放送…」
坊っちゃんのその言葉を聞いて俺は咄嗟に坊っちゃんの顔を見ると、坊っちゃんは少し眉毛を下げて笑っていた。
J「やめません。」
T「…そっか…ありがとう。」
そうして訪れた沈黙。
どちらかが話すわけでもなくただ、部屋の中で呼吸の音だけが繰り返されお互いの存在を知らせる。
すると、坊っちゃんは俺の手をそっと持ちゆっくりと自分の顔に近づけ、俺の指先を持って自分の頬や鼻筋に触れさせた。
J「坊っ…ちゃん?」
T「俺の顔の魅力を理解して…どうすれば綺麗になるか…美しくなるか…こうやって触って感じるんだ。何をどこに塗るか…何をどこに使うかよりも…お前のこの手で俺をどれだけ綺麗に美しく仕上げる事が出来るかが重要なんだよ…」
坊っちゃんはそう話しながら俺の指先で自分の唇をスーッとなぞる。
T「ジュンペイなら…俺のこと…綺麗にしてくるよね?」
J「も…もちろんです。」
俺がそう答えると坊っちゃんはニコッと微笑み俺の手のひらにそっと唇を押し付けた。
つづく
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
おだやかDomは一途なSubの腕の中
phyr
BL
リユネルヴェニア王国北の砦で働く魔術師レーネは、ぽやぽやした性格で魔術以外は今ひとつ頼りない。世話をするよりもされるほうが得意なのだが、ある日所属する小隊に新人が配属され、そのうち一人を受け持つことになった。
担当することになった新人騎士ティノールトは、書類上のダイナミクスはNormalだがどうやらSubらしい。Domに頼れず倒れかけたティノールトのためのPlay をきっかけに、レーネも徐々にDomとしての性質を目覚めさせ、二人は惹かれ合っていく。
しかしティノールトの異動によって離れ離れになってしまい、またぼんやりと日々を過ごしていたレーネのもとに、一通の書類が届く。
『貴殿を、西方将軍補佐官に任命する』
------------------------
※10/5-10/27, 11/1-11/23の間、毎日更新です。
※この作品はDom/Subユニバースの設定に基づいて創作しています。一部独自の解釈、設定があります。
表紙は祭崎飯代様に描いていただきました。ありがとうございました。
第11回BL小説大賞にエントリーしております。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった
無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。
そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。
チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる