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22話
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トルハside
J「トルハくん…いつか告白の返事…聞かせてね…」
そう囁く声が聞こえて俺が目を開けようとすると、そっと唇に柔かな感触を感じ慌てて瞼に力を入れてグッと閉じた。
あいつ…なんなんだよ…マジで。
好きって告白してくるわ…
こんな優しいキスしてくるわ…
めちゃくちゃ嬉しすぎるじゃんか…そんなの…
頭の中でそう考えているとジュンペイの気配がなくなり、俺は目を開けてゆっくりと起き上がる。
どうしよう…
今さら俺もジュンペイのことが好き…なんて素直に俺は言えるのだろうか?
昨日、俺を抱くのもお前の仕事だなんてゲスいことを命令した俺は次の日にあいつに本当は俺もずっと前から好きだった…なんて言っちゃうのか?
なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ…
なんであんなことシてからジュンペイはそんなこと言うんだよ…
ん?もしかして…あいつ…
T「俺の身体が目当てか!!!?」
思わず頭の中で思っていたことが声に出てしまうと、後ろにはペットボトルを持ったジュンペイが呆然と立ち尽くしいて俺はやってしまったと後悔の念に襲われる。
ジュンペイは少し戸惑った様子でキョロキョロとしながら俺にそのペットボトルを渡した。
J「坊っちゃんどうぞ…」
T「あ…ありがとう…」
気まずい沈黙のなかペットボトルの蓋を開けるバキバキという音が響き、俺の喉を通る水の音がやけに大きく聞こえた。
J「あの…」T「あの…」
あまりの気まずさから話しかけてみたものの、ジュンペイも同じタイミングで話しかけてきたもんだから、もうさらに気まずさが増してお互い視線を床に落とす。
T「先に言えよ。」
J「いえ、坊っちゃんが先に…」
T「いいから先に言えってば。」
俺はそう言いながら水を口に含むとジュンペイはチラチラと俺を見ながら言った。
J「……あの…俺…坊っちゃんの身体が目当てとかじゃないですから…」
ブーーーーーーッ!!
俺はその言葉を聞いて口に含んでいた水を全部吹き出した。
T「ゴホッゴホッゴホッ…」
J「大丈夫ですか?」
俺が咳き込んでいるとジュンペイは俺の背中に手を置き心配そうにさすり、俺がふと顔をあげると目の前にはジュンペイの顔があって思わず俺は固まった。
ジュンペイも俺の目をジッと見つめたまま動こうとせず…
俺たちは至近距離のままただ、無言で見つめ合う…
俺の喉元には咳き込んだ際に溢れた水が伝い落ち、俺が咄嗟にそれを袖口で拭こうとした瞬間…
ジュンペイは俺のその手をガシッと掴み、俺の喉元に唇を押し当ててペロっとその滴を舐めた。
すると、ジュンペイに愛される喜びを知ってしまった俺の身体は素直に反応し身体の芯から熱く疼いてくる。
言わなきゃ…
ジュンペイに好きって言わなきゃ…
俺の頭の中はそれでいっぱいになりなんとかの思いで声を絞り出すと
J「あの…」T「あの…」
また、俺たちは言葉が重なってしまった。
J「トルハくんが…先に言って…」
ジュンペイがそう言葉にすると、あまりの近さからジュンペイの吐息が俺の唇にかかり思わず俺は喉をゴクリと鳴らした。
T「俺……」
J「うん…」
T「俺も……」
J「うん…」
T「俺もジュンペイの事が…」
J「うん…」
T「す……」
J「す…?」
T「す………す…」
「トルハ!!」
いきなり扉が開き、驚いた俺はジュンペイに想いを伝え切る前にジュンペイを思いっきり突き飛ばした。
つづく
J「トルハくん…いつか告白の返事…聞かせてね…」
そう囁く声が聞こえて俺が目を開けようとすると、そっと唇に柔かな感触を感じ慌てて瞼に力を入れてグッと閉じた。
あいつ…なんなんだよ…マジで。
好きって告白してくるわ…
こんな優しいキスしてくるわ…
めちゃくちゃ嬉しすぎるじゃんか…そんなの…
頭の中でそう考えているとジュンペイの気配がなくなり、俺は目を開けてゆっくりと起き上がる。
どうしよう…
今さら俺もジュンペイのことが好き…なんて素直に俺は言えるのだろうか?
昨日、俺を抱くのもお前の仕事だなんてゲスいことを命令した俺は次の日にあいつに本当は俺もずっと前から好きだった…なんて言っちゃうのか?
なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ…
なんであんなことシてからジュンペイはそんなこと言うんだよ…
ん?もしかして…あいつ…
T「俺の身体が目当てか!!!?」
思わず頭の中で思っていたことが声に出てしまうと、後ろにはペットボトルを持ったジュンペイが呆然と立ち尽くしいて俺はやってしまったと後悔の念に襲われる。
ジュンペイは少し戸惑った様子でキョロキョロとしながら俺にそのペットボトルを渡した。
J「坊っちゃんどうぞ…」
T「あ…ありがとう…」
気まずい沈黙のなかペットボトルの蓋を開けるバキバキという音が響き、俺の喉を通る水の音がやけに大きく聞こえた。
J「あの…」T「あの…」
あまりの気まずさから話しかけてみたものの、ジュンペイも同じタイミングで話しかけてきたもんだから、もうさらに気まずさが増してお互い視線を床に落とす。
T「先に言えよ。」
J「いえ、坊っちゃんが先に…」
T「いいから先に言えってば。」
俺はそう言いながら水を口に含むとジュンペイはチラチラと俺を見ながら言った。
J「……あの…俺…坊っちゃんの身体が目当てとかじゃないですから…」
ブーーーーーーッ!!
俺はその言葉を聞いて口に含んでいた水を全部吹き出した。
T「ゴホッゴホッゴホッ…」
J「大丈夫ですか?」
俺が咳き込んでいるとジュンペイは俺の背中に手を置き心配そうにさすり、俺がふと顔をあげると目の前にはジュンペイの顔があって思わず俺は固まった。
ジュンペイも俺の目をジッと見つめたまま動こうとせず…
俺たちは至近距離のままただ、無言で見つめ合う…
俺の喉元には咳き込んだ際に溢れた水が伝い落ち、俺が咄嗟にそれを袖口で拭こうとした瞬間…
ジュンペイは俺のその手をガシッと掴み、俺の喉元に唇を押し当ててペロっとその滴を舐めた。
すると、ジュンペイに愛される喜びを知ってしまった俺の身体は素直に反応し身体の芯から熱く疼いてくる。
言わなきゃ…
ジュンペイに好きって言わなきゃ…
俺の頭の中はそれでいっぱいになりなんとかの思いで声を絞り出すと
J「あの…」T「あの…」
また、俺たちは言葉が重なってしまった。
J「トルハくんが…先に言って…」
ジュンペイがそう言葉にすると、あまりの近さからジュンペイの吐息が俺の唇にかかり思わず俺は喉をゴクリと鳴らした。
T「俺……」
J「うん…」
T「俺も……」
J「うん…」
T「俺もジュンペイの事が…」
J「うん…」
T「す……」
J「す…?」
T「す………す…」
「トルハ!!」
いきなり扉が開き、驚いた俺はジュンペイに想いを伝え切る前にジュンペイを思いっきり突き飛ばした。
つづく
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