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16話
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ジュンペイside
俺は昔のことを思い出しながら、山のように積んである資料に手を伸ばすと、心地よい人肌を手のひらに感じ咄嗟に手を離した。
J「あ…すいません…」
すると、そこには坊っちゃんも手を伸ばしていて思わず触れ合ってしまったお互いの手に俺たちは気まずくなる。
T「別に…謝らなくてもいいけど?昨日散々、変なとこ触ったんだから。」
坊っちゃんのトゲのある言い方に俺はゴクリと生唾を飲み小さく息を吐く。
確かに昨日、俺は坊ちゃんのあんな所やこんな所を触ったり舐めたり揉んだりした。
それに間違いはないし、めちゃくちゃ本当にこの世とは思えないほど気持ちよかったんだけれども!!!!
J「ぼ…坊ちゃん…あの…その事なんですが…」
これだけはちゃんと坊ちゃんに伝えておかないといけないと思い、俺は気を決して息を吸い込む。
T「……な…なに!!?」
なのに坊ちゃんはまるで俺を挑発するような言い方で、坊っちゃんは何に対してそんなに怒っているのか俺には分からない。
俺が坊ちゃんを抱いた事?
俺が坊ちゃんの執事兼秘書になった事?
それとも俺が坊っちゃんを好きなことにやっと気づいてくれた?
俺は坊っちゃんの方に身体を向け、軽く呼吸を落ち着かせて坊っちゃんに告げた。
J「…俺……坊っちゃんを抱いた事に関しては後悔…してませんから。俺はそうなる事をずっと今まで心のどこかで望んでいた事なんで。」
俺がそう言ったのはソウタさんへの嫉妬?
あの女への敵対心?
坊っちゃんへの独占欲?
いや、全てが混じった結果の言葉だろう…
一度抱いてしまうとそんな感情が我慢できなくなると俺は分かっていたから、あれだけ死ぬ物狂で坊っちゃんへの想いを我慢してきたのに。
目の前の坊っちゃんは目が飛び出してしまうのではないかと思うほど驚きポカーンと口を開けている。
J「今度、俺に抱けって命令する時は…その事をしっかりと肝に銘じておいてくださいね。坊っちゃんの気の済むまで抱いてあげますから。坊ちゃんの望む事を叶えるのが私の仕事なんで。」
俺がそう言って資料に視線を戻すと、坊っちゃんは突然立ち上がり、走って部屋を出て行った。
そして、その愛おしい背中を見て俺は思う。
やば…俺…次ある前提で全部話してたじゃん。
何、命令してもらう気満々なんだよ俺!!
そんなの坊っちゃんに次のお誘い待ってますって言ってんのと同じじゃねぇかよ!!
俺はアホか!!
何が望んでた事だよ!!いや、確かに望んでたけど!!
毎日のように坊ちゃんの顔を思い浮かべて一人でヤル事ヤってたけど!!
だからって俺は一体何を言ってんだ!!!!?
俺は資料に目を通しても頭の中に入るはずなんてなく…
俺はしばらくの間、現実逃避のように資料の文字数を永遠に数え続けていた。
1…2…5…あれ?どこまで数えたっけ?(ポンコツ秘書)
つづく
俺は昔のことを思い出しながら、山のように積んである資料に手を伸ばすと、心地よい人肌を手のひらに感じ咄嗟に手を離した。
J「あ…すいません…」
すると、そこには坊っちゃんも手を伸ばしていて思わず触れ合ってしまったお互いの手に俺たちは気まずくなる。
T「別に…謝らなくてもいいけど?昨日散々、変なとこ触ったんだから。」
坊っちゃんのトゲのある言い方に俺はゴクリと生唾を飲み小さく息を吐く。
確かに昨日、俺は坊ちゃんのあんな所やこんな所を触ったり舐めたり揉んだりした。
それに間違いはないし、めちゃくちゃ本当にこの世とは思えないほど気持ちよかったんだけれども!!!!
J「ぼ…坊ちゃん…あの…その事なんですが…」
これだけはちゃんと坊ちゃんに伝えておかないといけないと思い、俺は気を決して息を吸い込む。
T「……な…なに!!?」
なのに坊ちゃんはまるで俺を挑発するような言い方で、坊っちゃんは何に対してそんなに怒っているのか俺には分からない。
俺が坊ちゃんを抱いた事?
俺が坊ちゃんの執事兼秘書になった事?
それとも俺が坊っちゃんを好きなことにやっと気づいてくれた?
俺は坊っちゃんの方に身体を向け、軽く呼吸を落ち着かせて坊っちゃんに告げた。
J「…俺……坊っちゃんを抱いた事に関しては後悔…してませんから。俺はそうなる事をずっと今まで心のどこかで望んでいた事なんで。」
俺がそう言ったのはソウタさんへの嫉妬?
あの女への敵対心?
坊っちゃんへの独占欲?
いや、全てが混じった結果の言葉だろう…
一度抱いてしまうとそんな感情が我慢できなくなると俺は分かっていたから、あれだけ死ぬ物狂で坊っちゃんへの想いを我慢してきたのに。
目の前の坊っちゃんは目が飛び出してしまうのではないかと思うほど驚きポカーンと口を開けている。
J「今度、俺に抱けって命令する時は…その事をしっかりと肝に銘じておいてくださいね。坊っちゃんの気の済むまで抱いてあげますから。坊ちゃんの望む事を叶えるのが私の仕事なんで。」
俺がそう言って資料に視線を戻すと、坊っちゃんは突然立ち上がり、走って部屋を出て行った。
そして、その愛おしい背中を見て俺は思う。
やば…俺…次ある前提で全部話してたじゃん。
何、命令してもらう気満々なんだよ俺!!
そんなの坊っちゃんに次のお誘い待ってますって言ってんのと同じじゃねぇかよ!!
俺はアホか!!
何が望んでた事だよ!!いや、確かに望んでたけど!!
毎日のように坊ちゃんの顔を思い浮かべて一人でヤル事ヤってたけど!!
だからって俺は一体何を言ってんだ!!!!?
俺は資料に目を通しても頭の中に入るはずなんてなく…
俺はしばらくの間、現実逃避のように資料の文字数を永遠に数え続けていた。
1…2…5…あれ?どこまで数えたっけ?(ポンコツ秘書)
つづく
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