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トウマside
2ヶ月後
T「もう…やっぱり金木犀ないね…?」
K「もうすぐ冬だからね?また、来年一緒に来よう。」
T「うん…」
目覚めてから奇跡的な回復力を見せたコウはまだ、車椅子での生活がメインだがゆっくりとリハビリをして少しづつ元の生活に戻り始めた。
そして俺はもう…コウを待たせたせる事はなくなり、俺はコウの車椅子を押しながら幸せを噛み締めるように2人で冷たくなる夜風のなか街を歩く。
K「トウマくんはさ本当に金木犀…もう嫌いになったの?」
コウが後ろを振り返り車椅子を押す俺にそう問いかける。
T「ううん…そこにコウがいればどんな香りだってどんな季節だってどんな風景だって俺は好になる…コウとの思い出を彩るカケラだから。」
俺がそういうとコウは後ろを向いたままニコッと微笑み、俺の方に手を伸ばし俺は足を止め少し屈んでコウの元に顔を近づける…
すると、コウは俺の首をそっと引き寄せると柔らかい唇で口付けを落とし俺はそっと瞳を閉じた。
コウの温もりが離れるとすぐに恋しさを感じながら目を開け、コウを見つめるとそこにはキラキラと光るイルミネーションが点灯していた。
T「うぁ…綺麗……」
K「朝のニュースでやってたんだ今日からイルミネーションが始まるって……」
T「だからここに来たいって言ったんだね?」
K「えへへバレたw」
俺たちは笑いあいながら冷たい夜空に輝く虹色のイルミネーションに見惚れる…すると笑顔だったコウは突然、真顔になり俺の顔を覗き込んだ。
K「ねぇトウマくん…」
T「ん?」
俺はコウの呼びかけに笑顔で答えるとコウはそっと俺の頬を撫でながら言った。
K「俺たち…これからはずっと一緒にいましょう……」
コウはそう囁くとゆっくりと車椅子から立ち上がる。
T「コウ……」
すると、コウはゆっくりと俺を抱き寄せ、イルミネーションの妖精たちも照れるようなキスをし、俺をギュッと抱きしめる。
K「儚く溶ける初雪も…愛らしく微笑む桜も…眩しい空に雄大に浮かぶ入道雲も……黄金に輝く金木犀も…俺たちの人生を彩るカケラのひとつで、そこに俺がいなきゃ意味がない…そうトウマくんが思ったように俺の人生においてもそこにトウマくんがいなきゃ意味がないんだよ。何を見るか何を感じるかより大切なのは…誰と共にするか。俺はこれから先、全てのことをトウマくんと感じていたい…もう…離さないからね。」
T「コウ…好き…」
吹き抜ける秋風の冷たさすらも感じないほどコウの胸の中は心地良くて温かく…
イルミネーションの妖精たちに祝福されながら俺たちはキスを繰り返し、微かな冬の匂いと共に幸せを噛みしめ…
心温かな冬をむかえた。
おわり
2ヶ月後
T「もう…やっぱり金木犀ないね…?」
K「もうすぐ冬だからね?また、来年一緒に来よう。」
T「うん…」
目覚めてから奇跡的な回復力を見せたコウはまだ、車椅子での生活がメインだがゆっくりとリハビリをして少しづつ元の生活に戻り始めた。
そして俺はもう…コウを待たせたせる事はなくなり、俺はコウの車椅子を押しながら幸せを噛み締めるように2人で冷たくなる夜風のなか街を歩く。
K「トウマくんはさ本当に金木犀…もう嫌いになったの?」
コウが後ろを振り返り車椅子を押す俺にそう問いかける。
T「ううん…そこにコウがいればどんな香りだってどんな季節だってどんな風景だって俺は好になる…コウとの思い出を彩るカケラだから。」
俺がそういうとコウは後ろを向いたままニコッと微笑み、俺の方に手を伸ばし俺は足を止め少し屈んでコウの元に顔を近づける…
すると、コウは俺の首をそっと引き寄せると柔らかい唇で口付けを落とし俺はそっと瞳を閉じた。
コウの温もりが離れるとすぐに恋しさを感じながら目を開け、コウを見つめるとそこにはキラキラと光るイルミネーションが点灯していた。
T「うぁ…綺麗……」
K「朝のニュースでやってたんだ今日からイルミネーションが始まるって……」
T「だからここに来たいって言ったんだね?」
K「えへへバレたw」
俺たちは笑いあいながら冷たい夜空に輝く虹色のイルミネーションに見惚れる…すると笑顔だったコウは突然、真顔になり俺の顔を覗き込んだ。
K「ねぇトウマくん…」
T「ん?」
俺はコウの呼びかけに笑顔で答えるとコウはそっと俺の頬を撫でながら言った。
K「俺たち…これからはずっと一緒にいましょう……」
コウはそう囁くとゆっくりと車椅子から立ち上がる。
T「コウ……」
すると、コウはゆっくりと俺を抱き寄せ、イルミネーションの妖精たちも照れるようなキスをし、俺をギュッと抱きしめる。
K「儚く溶ける初雪も…愛らしく微笑む桜も…眩しい空に雄大に浮かぶ入道雲も……黄金に輝く金木犀も…俺たちの人生を彩るカケラのひとつで、そこに俺がいなきゃ意味がない…そうトウマくんが思ったように俺の人生においてもそこにトウマくんがいなきゃ意味がないんだよ。何を見るか何を感じるかより大切なのは…誰と共にするか。俺はこれから先、全てのことをトウマくんと感じていたい…もう…離さないからね。」
T「コウ…好き…」
吹き抜ける秋風の冷たさすらも感じないほどコウの胸の中は心地良くて温かく…
イルミネーションの妖精たちに祝福されながら俺たちはキスを繰り返し、微かな冬の匂いと共に幸せを噛みしめ…
心温かな冬をむかえた。
おわり
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