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21話
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鍵の閉まる音を聞いて、私は今からジュイに何をれるんだろうと少しの不安が訪れた。
*「ちょっとジュイ…やっぱりちゃんと話したい…」
私がそう言ったのはジュイに私からユウにキスをしたと誤解したままいて欲しくなかったから。
J「マジで頼むよ…頼むから…これ以上俺のこと…怒らせないで?」
しかし、ジュイは私の言葉を遮るようにそう言った。
そして、ジュイのその顔はとても切羽詰まっていて…
初めてみる表情に私の胸がギュッと締め付けられる。
*「ジュイ…本当に事故なの…私はユウとキスするつもりなんて本当になかったの…」
すると、ジュイは私を優しくゆっくりと包み込むように抱きしめて小さなため息をついた。
不思議とその温もりを感じると私の目には涙が滲み、こぼれ落ちそうになるのをグッと堪えた。
いつの間にかこんなにも男の体に成長していたジュイの体に私が手を回し、ギュッとジュイを抱きしめ返す。
J「ごめん…」
すると、ジュイは小さな声で私を抱きしめたままそう言った。
返す言葉に詰まっている私に気づいたのか、ジュイは私を自分の体から離して下を向く私の顔をのぞいた。
J「泣かせるつもりじゃなかったのに…マジでごめん…」
そう言ってジュイは涙目になった私のまつ毛に優しく触れる。
*「泣いてなんかないもん………」
涙を見せたくなかった私は強がってそう言うと、ジュイは微かに笑いながら私のおでこにチュっとした。
J「たぶん、今…唇にキスしたらもう、止まんないからここで我慢する。リビングに戻ろうか?みんな心配してるだろうし…」
*「うん…。」
そう言ってジュイは当たり前のように私の手に指を絡めてリビングへと向かった。
リビングに戻るとみんなが一斉に私達の方を見つめた。
T「はぁ!?ねぇさん泣いてる!?ジュイ!!ねぇさんを泣かせるとかマジでありえねぇんだけど!?」
トウジが私の涙目に気づきジュイに珍しく怒ってる。
J「俺のこと好きすぎて涙が出そうになったんだって。」
え?私そんな事いつ言ったんだろう?と思いながらジュイの顔を見上げると、ジュイはなぜか満足気に笑っている。
T「え!?ねぇさん…もうジュイに好きって告ったの!?」
私はトウジの言葉を聞いて全身の血の気が引いていき、思わずぶっ倒れそうになるのをジュイの腕を掴みなんとか耐えた。
一同「ねぇさんがジュイを好き!?」
*「ちょっとトウジ!!」
すると、トウジはあっ…!やってしまった…というような顔をして口を閉ざしたが、そこから私はメンバー達の取り調べを受ける事になる。
N「え…ねぇさん本気でジュイが好きなの?」
ナオが真剣にそう問いかけてきて私は仕方なく小さく頷くと、ジュイは含み笑いをし、他のメンバー達はただ呆然として口をポカーンと開けて聞いている。
M「その好きって弟としてじゃなく男としてって事?」
マサトが私にそう問いかける。
私もジュイに対するこの好きは弟としての好きだとずっと思っていた。
しかし、ジュイにキスをされ、抱かれたあの日、自分の心と初めて向かい合い気づいた…
それは間違いなく弟としてはなく男としてジュイが好きだということに。
N「ってか…いつからそう言う感じになってんの!?」
いつから…ナオにそう問われるとやはり、体の関係がキッカケで自身の気持ちに気付いてしまった私はつい、口籠もり正確な答えに困ってしまう。
*「いや…なんというか…その…」
i「ねぇさん…勘違いしてるんじゃない?ここ最近、色々な事があったからさ?一度落ち着いて考えてごらん?どうせ2人が付き合ってるのも嘘だろ?」
勘違い?
イチの言う通りこの感情は勘違いなのだろうか?
ここ数日の出来事でパニックになってそう感じただけ?
久しぶりにキスしたからジュイを好きって勘違いしただけ?
久しぶりの人肌に私の心が流され、それがジュイへの恋だと勘違いしてしまっただけ…?
本当にそうなのだろうか?
私はイチの言葉を聞いて心の中で自問自答をした。
つづく
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