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「僕の恋人のフォンダンショコラ」最終話
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エニシサイド
僕の恋人の手にあるフォンダンショコラの入った箱をそっとテーブルに置き、僕は恋人の頬を包み込むようにそっと手を添える。
恋人の可愛い厚めの唇に視線を落とし…
恋人の口が僕を待ってると言わんばかりに半開きになったのを合図に、恋人の唇に吸い寄せられると…
ピーピーピー!!ピーピーピー!!
オーブンからフォンダンショコラの出来上がりを知らせる音が部屋に鳴り響き……
ギリギリの所で止まった僕たちの唇。
すると、突然、ヒュウが吹き出すように笑い始めた。
H「んふふふwオーブンレンジが呼んでるよw」
E「放っておいていいよ。」
そう呟いてまた、ヒュウの口に吸いつこうとするも……
ピーピーピー!!ピーピーピー!!
オーブンレンジが僕たちの邪魔をする。
うん…僕はやはりオーブンレンジが苦手だ。
H「たぶん一回、開けないと永遠に鳴るよw」
E「だよねw」
ヒュウと離れたくない一心で僕はヒュウと手を繋いだままキッチンに向かう。
E「開けてみて。」
そう言えば僕の恋人は不思議そうな顔をして僕の顔を見るとオーブンレンジを開けた。
それと同時にチョコレートの甘い匂いが部屋中に漂い、僕の恋人は香りを吸い込むと優しい笑顔に包まれる。
H「うわぁ~いい匂い~もしかしてエニシが作ったの!?」
E「うん。ヒュウのために作ったエニシオリジナルフォンダンショコラ。」
H「え!?同じの作ったんだ!?僕たち凄くない!?嬉しいな~早く食べたい!!」
E「じゃ、ヒュウのも一緒にたべようね?」
H「僕のはいいよ…ぐちゃぐちゃになっちゃったし。」
E「僕が食べたいの。」
僕はオーブンレンジからフォンダンショコラを取り出し、お皿に盛り付けてアイスクリームと生クリームを絞る。
そして、僕の可愛い恋人が僕のために作ってくれたフォンダンショコラを添えてソファに座って待っているヒュウの前に出した。
H「うわぁ~すごい~お店に出てくるケーキプレートみたい!!!!」
大きく綺麗な手を顔の前でパチパチとしながら驚いているこの顔が見たくて、僕は少し前から準備してきたんだ。
E「フォンダンショコラの食べ比べ出来て贅沢なバレンタインデーだね?」
H「んふふwだね?エニシ…ハッピーバレンタイン。」
僕の恋人はそういうと僕の作ったフォンダンショコラをパクッと大きな口を開けて嬉しそうに微笑みながら食べる。
いつもは食いしん坊なはずの僕だが、恋人のそんな幸せそうに食べる姿だけで気持ちが満たされてしまう。
H「エニシは食べないの?」
口角にチョコレートを付けたまま上目遣いで僕に問いかけるヒュウがあまりにも可愛くてつい、僕からは笑みがこぼれ落ちた。
E「んふふw 食べるよ。」
そして、僕は夢中で僕の作ったフォンダンショコラを食べるヒュウの口角にチュッとキスをしチョコレートを唇で拭った。
E「おいし………」
H「ここじゃなくて…これ食べればいいのに……」
僕の恋人はチョコレートまみれの唇を尖らせながら僕に少し怒ったような顔を見せて言ったその顔がまた、可愛くてついつい僕は恋人のことを揶揄いたくなる。
E「じゃ…この甘い唇はあとでのお楽しみにしとくね?」
僕はそう言って僕の恋人のチョコレートまみれになった唇にわざと音を鳴らしてチュウとキスをしてニコッと笑った。
H「お楽しみって言いながらもうチュウしてるじゃん。」
E「んふっwついついごめんw さー食べよ!」
そうして僕たちは笑みを浮かべながらふたり並んでフォンダンショコラを食べ、さらに甘くて温かい関係となっていく………
まるで甘い熱で溶けたフォンダンショコラのように。
終わり
僕の恋人の手にあるフォンダンショコラの入った箱をそっとテーブルに置き、僕は恋人の頬を包み込むようにそっと手を添える。
恋人の可愛い厚めの唇に視線を落とし…
恋人の口が僕を待ってると言わんばかりに半開きになったのを合図に、恋人の唇に吸い寄せられると…
ピーピーピー!!ピーピーピー!!
オーブンからフォンダンショコラの出来上がりを知らせる音が部屋に鳴り響き……
ギリギリの所で止まった僕たちの唇。
すると、突然、ヒュウが吹き出すように笑い始めた。
H「んふふふwオーブンレンジが呼んでるよw」
E「放っておいていいよ。」
そう呟いてまた、ヒュウの口に吸いつこうとするも……
ピーピーピー!!ピーピーピー!!
オーブンレンジが僕たちの邪魔をする。
うん…僕はやはりオーブンレンジが苦手だ。
H「たぶん一回、開けないと永遠に鳴るよw」
E「だよねw」
ヒュウと離れたくない一心で僕はヒュウと手を繋いだままキッチンに向かう。
E「開けてみて。」
そう言えば僕の恋人は不思議そうな顔をして僕の顔を見るとオーブンレンジを開けた。
それと同時にチョコレートの甘い匂いが部屋中に漂い、僕の恋人は香りを吸い込むと優しい笑顔に包まれる。
H「うわぁ~いい匂い~もしかしてエニシが作ったの!?」
E「うん。ヒュウのために作ったエニシオリジナルフォンダンショコラ。」
H「え!?同じの作ったんだ!?僕たち凄くない!?嬉しいな~早く食べたい!!」
E「じゃ、ヒュウのも一緒にたべようね?」
H「僕のはいいよ…ぐちゃぐちゃになっちゃったし。」
E「僕が食べたいの。」
僕はオーブンレンジからフォンダンショコラを取り出し、お皿に盛り付けてアイスクリームと生クリームを絞る。
そして、僕の可愛い恋人が僕のために作ってくれたフォンダンショコラを添えてソファに座って待っているヒュウの前に出した。
H「うわぁ~すごい~お店に出てくるケーキプレートみたい!!!!」
大きく綺麗な手を顔の前でパチパチとしながら驚いているこの顔が見たくて、僕は少し前から準備してきたんだ。
E「フォンダンショコラの食べ比べ出来て贅沢なバレンタインデーだね?」
H「んふふwだね?エニシ…ハッピーバレンタイン。」
僕の恋人はそういうと僕の作ったフォンダンショコラをパクッと大きな口を開けて嬉しそうに微笑みながら食べる。
いつもは食いしん坊なはずの僕だが、恋人のそんな幸せそうに食べる姿だけで気持ちが満たされてしまう。
H「エニシは食べないの?」
口角にチョコレートを付けたまま上目遣いで僕に問いかけるヒュウがあまりにも可愛くてつい、僕からは笑みがこぼれ落ちた。
E「んふふw 食べるよ。」
そして、僕は夢中で僕の作ったフォンダンショコラを食べるヒュウの口角にチュッとキスをしチョコレートを唇で拭った。
E「おいし………」
H「ここじゃなくて…これ食べればいいのに……」
僕の恋人はチョコレートまみれの唇を尖らせながら僕に少し怒ったような顔を見せて言ったその顔がまた、可愛くてついつい僕は恋人のことを揶揄いたくなる。
E「じゃ…この甘い唇はあとでのお楽しみにしとくね?」
僕はそう言って僕の恋人のチョコレートまみれになった唇にわざと音を鳴らしてチュウとキスをしてニコッと笑った。
H「お楽しみって言いながらもうチュウしてるじゃん。」
E「んふっwついついごめんw さー食べよ!」
そうして僕たちは笑みを浮かべながらふたり並んでフォンダンショコラを食べ、さらに甘くて温かい関係となっていく………
まるで甘い熱で溶けたフォンダンショコラのように。
終わり
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