ぼくはキミの守護霊さま。

樺純

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第三十五話

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真中ハヤテサイド

なんでなのか全く分からない。

俺は死んだのに…

なぜ、コトハはあんな見え透いた男の嘘を信じるんだよ。

色んな怒りが込み上げてくるのにコトハがブレスレットの玉を手放したばかりに俺はもう…コトハに近づく事が出来ない。

どうか…頼む…

コトハ…目を覚ましてくれよ…

立ちすくむ俺は男の背中について行くコトハの後ろ姿を見つめながらそう祈る…

すると……

コトハが突然、叫んだ。

K「なんで関係のないハヤテを痛い目に遭わせたのよ!?」

*「コ…コトハどうした?急にそんな大きな声出して…」

2人はマンションの入り口で立ち止まり言い争い始めた。

K「傷つけるのは私だけで十分でしょ!?なんで…なんでハヤテを……!!!!」

*「他の男の名前ばっかり呼びやがってうるせぇんだよ!!!?」

男がマンション中に響くような声でそう叫ぶと…

それを一瞬にして黙らせる声が聞こえた。

「警察です。なにかトラブルですか?」

その声が聞こえて振り返るとそこにはパトカーが止まっていて数名の警察官が俺の横を通り過ぎて行く。

驚いた俺が周りを見渡すとそこにはニジスケさんとヨウアさんが立っていて俺の元に駆け寄ってきた。

H「え…どうして…」

N「知りの警察に住居人が行方不明になったって相談して立ち合いでハヤテくんの部屋の鍵を開けてもらうつもりだったんだけど…まさか…こんな事になってたなんて…ね…」

ニジスケさんの話を聞きながらコトハの方を見ると警察と話をしていて男の顔には先程の余裕はなく、俺の横にいたはずの男の生き霊もいなくなっていた。

ニジスケさんが地面に落ちいている紫と緑のブレスレットの玉を拾うと言った。

N「俺でも付いて来れる?」

そう言われた俺が試しに歩きだすニジスケさんに付いて行こうとするが俺はまた、その場から動けなくなってしまった。

Y「やっぱりコトハしか無理っぽいってことね。」

N「とりあえず、コトハに渡してくる。」

ニジスケさんはそう言って警察と話してるコトハの元に行くと、コトハはハッとした顔をしてニジスケさんから紫と緑の玉を手のひらに受け取る。

すると、俺の身体はコトハに吸い寄せられるように自分の意思とは関係なく移動した。

それを見たニジスケさんとヨウアさんも驚いた顔をして俺を見ている。

コトハに付き纏いをしていた男は微かに震える唇で警察にわざとらしい笑顔を見せて、ただ少し言い合いになっただけだと言って誤魔化し、警察官は少し事情を聞かせて欲しいと話していた。

「とりあえず私達は彼から事情を聞くから君達はこの方達と一緒に例の12階の行方不明者のマンションに安否確認行って来て。」

そうおじさん警察官が指示を出した瞬間…

その男がその場から逃げ出そうとして警察官2人に取り押さえられた。

「お兄さんどうして逃げる?12階になにかあるのか?」

おじさん警察官がそう男に問いかけるが男は答えようとはせず顔を横に向けている。

K「12階って…私の部屋も12階なんですけど…」

「お?12階の住人が行方不明らしくてな。今、安否確認の立ち合いで来たんだよ。」

おじさん警察官がそう言うと俺はコトハの耳元で言った。

H「コトハ実はね?あの男、今、コトハの部屋の向かいの部屋に住んでるんだよ。」

ニジスケさんとヨウアさんそして、コトハからしか見えていない俺がそう言うとコトハは驚きまた怯えた顔をする。

K「え……」

俺の方を向いて微かに震え出すコトハ。

しかし、警察官の人たちは俺の姿が見えないから不思議そうな顔をしてコトハのことを見ている。

「その…真中ハヤテさんって方とお知り合い?」

K「はい……知り合いです。この人が真中さんを暴行したかもしれなくて…」

コトハは怯えながらも警察にそう伝えて男を指さすと男は怒りに満ち溢れた顔をしていた。

「お…俺は関係ありません!!コトハ嘘つくんじゃねぇよ!!」

K「彼のスマホに証拠の写真が入ってると思います。」

コトハがそう言うと警察官2人は話は署で詳しく聞くね~と言いながらスマホを押収しパトカーの方へと男を連れて行った。

つづく
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