35 / 39
第三十五話
しおりを挟む
真中ハヤテサイド
なんでなのか全く分からない。
俺は死んだのに…
なぜ、コトハはあんな見え透いた男の嘘を信じるんだよ。
色んな怒りが込み上げてくるのにコトハがブレスレットの玉を手放したばかりに俺はもう…コトハに近づく事が出来ない。
どうか…頼む…
コトハ…目を覚ましてくれよ…
立ちすくむ俺は男の背中について行くコトハの後ろ姿を見つめながらそう祈る…
すると……
コトハが突然、叫んだ。
K「なんで関係のないハヤテを痛い目に遭わせたのよ!?」
*「コ…コトハどうした?急にそんな大きな声出して…」
2人はマンションの入り口で立ち止まり言い争い始めた。
K「傷つけるのは私だけで十分でしょ!?なんで…なんでハヤテを……!!!!」
*「他の男の名前ばっかり呼びやがってうるせぇんだよ!!!?」
男がマンション中に響くような声でそう叫ぶと…
それを一瞬にして黙らせる声が聞こえた。
「警察です。なにかトラブルですか?」
その声が聞こえて振り返るとそこにはパトカーが止まっていて数名の警察官が俺の横を通り過ぎて行く。
驚いた俺が周りを見渡すとそこにはニジスケさんとヨウアさんが立っていて俺の元に駆け寄ってきた。
H「え…どうして…」
N「知りの警察に住居人が行方不明になったって相談して立ち合いでハヤテくんの部屋の鍵を開けてもらうつもりだったんだけど…まさか…こんな事になってたなんて…ね…」
ニジスケさんの話を聞きながらコトハの方を見ると警察と話をしていて男の顔には先程の余裕はなく、俺の横にいたはずの男の生き霊もいなくなっていた。
ニジスケさんが地面に落ちいている紫と緑のブレスレットの玉を拾うと言った。
N「俺でも付いて来れる?」
そう言われた俺が試しに歩きだすニジスケさんに付いて行こうとするが俺はまた、その場から動けなくなってしまった。
Y「やっぱりコトハしか無理っぽいってことね。」
N「とりあえず、コトハに渡してくる。」
ニジスケさんはそう言って警察と話してるコトハの元に行くと、コトハはハッとした顔をしてニジスケさんから紫と緑の玉を手のひらに受け取る。
すると、俺の身体はコトハに吸い寄せられるように自分の意思とは関係なく移動した。
それを見たニジスケさんとヨウアさんも驚いた顔をして俺を見ている。
コトハに付き纏いをしていた男は微かに震える唇で警察にわざとらしい笑顔を見せて、ただ少し言い合いになっただけだと言って誤魔化し、警察官は少し事情を聞かせて欲しいと話していた。
「とりあえず私達は彼から事情を聞くから君達はこの方達と一緒に例の12階の行方不明者のマンションに安否確認行って来て。」
そうおじさん警察官が指示を出した瞬間…
その男がその場から逃げ出そうとして警察官2人に取り押さえられた。
「お兄さんどうして逃げる?12階になにかあるのか?」
おじさん警察官がそう男に問いかけるが男は答えようとはせず顔を横に向けている。
K「12階って…私の部屋も12階なんですけど…」
「お?12階の住人が行方不明らしくてな。今、安否確認の立ち合いで来たんだよ。」
おじさん警察官がそう言うと俺はコトハの耳元で言った。
H「コトハ実はね?あの男、今、コトハの部屋の向かいの部屋に住んでるんだよ。」
ニジスケさんとヨウアさんそして、コトハからしか見えていない俺がそう言うとコトハは驚きまた怯えた顔をする。
K「え……」
俺の方を向いて微かに震え出すコトハ。
しかし、警察官の人たちは俺の姿が見えないから不思議そうな顔をしてコトハのことを見ている。
「その…真中ハヤテさんって方とお知り合い?」
K「はい……知り合いです。この人が真中さんを暴行したかもしれなくて…」
コトハは怯えながらも警察にそう伝えて男を指さすと男は怒りに満ち溢れた顔をしていた。
「お…俺は関係ありません!!コトハ嘘つくんじゃねぇよ!!」
K「彼のスマホに証拠の写真が入ってると思います。」
コトハがそう言うと警察官2人は話は署で詳しく聞くね~と言いながらスマホを押収しパトカーの方へと男を連れて行った。
つづく
なんでなのか全く分からない。
俺は死んだのに…
なぜ、コトハはあんな見え透いた男の嘘を信じるんだよ。
色んな怒りが込み上げてくるのにコトハがブレスレットの玉を手放したばかりに俺はもう…コトハに近づく事が出来ない。
どうか…頼む…
コトハ…目を覚ましてくれよ…
立ちすくむ俺は男の背中について行くコトハの後ろ姿を見つめながらそう祈る…
すると……
コトハが突然、叫んだ。
K「なんで関係のないハヤテを痛い目に遭わせたのよ!?」
*「コ…コトハどうした?急にそんな大きな声出して…」
2人はマンションの入り口で立ち止まり言い争い始めた。
K「傷つけるのは私だけで十分でしょ!?なんで…なんでハヤテを……!!!!」
*「他の男の名前ばっかり呼びやがってうるせぇんだよ!!!?」
男がマンション中に響くような声でそう叫ぶと…
それを一瞬にして黙らせる声が聞こえた。
「警察です。なにかトラブルですか?」
その声が聞こえて振り返るとそこにはパトカーが止まっていて数名の警察官が俺の横を通り過ぎて行く。
驚いた俺が周りを見渡すとそこにはニジスケさんとヨウアさんが立っていて俺の元に駆け寄ってきた。
H「え…どうして…」
N「知りの警察に住居人が行方不明になったって相談して立ち合いでハヤテくんの部屋の鍵を開けてもらうつもりだったんだけど…まさか…こんな事になってたなんて…ね…」
ニジスケさんの話を聞きながらコトハの方を見ると警察と話をしていて男の顔には先程の余裕はなく、俺の横にいたはずの男の生き霊もいなくなっていた。
ニジスケさんが地面に落ちいている紫と緑のブレスレットの玉を拾うと言った。
N「俺でも付いて来れる?」
そう言われた俺が試しに歩きだすニジスケさんに付いて行こうとするが俺はまた、その場から動けなくなってしまった。
Y「やっぱりコトハしか無理っぽいってことね。」
N「とりあえず、コトハに渡してくる。」
ニジスケさんはそう言って警察と話してるコトハの元に行くと、コトハはハッとした顔をしてニジスケさんから紫と緑の玉を手のひらに受け取る。
すると、俺の身体はコトハに吸い寄せられるように自分の意思とは関係なく移動した。
それを見たニジスケさんとヨウアさんも驚いた顔をして俺を見ている。
コトハに付き纏いをしていた男は微かに震える唇で警察にわざとらしい笑顔を見せて、ただ少し言い合いになっただけだと言って誤魔化し、警察官は少し事情を聞かせて欲しいと話していた。
「とりあえず私達は彼から事情を聞くから君達はこの方達と一緒に例の12階の行方不明者のマンションに安否確認行って来て。」
そうおじさん警察官が指示を出した瞬間…
その男がその場から逃げ出そうとして警察官2人に取り押さえられた。
「お兄さんどうして逃げる?12階になにかあるのか?」
おじさん警察官がそう男に問いかけるが男は答えようとはせず顔を横に向けている。
K「12階って…私の部屋も12階なんですけど…」
「お?12階の住人が行方不明らしくてな。今、安否確認の立ち合いで来たんだよ。」
おじさん警察官がそう言うと俺はコトハの耳元で言った。
H「コトハ実はね?あの男、今、コトハの部屋の向かいの部屋に住んでるんだよ。」
ニジスケさんとヨウアさんそして、コトハからしか見えていない俺がそう言うとコトハは驚きまた怯えた顔をする。
K「え……」
俺の方を向いて微かに震え出すコトハ。
しかし、警察官の人たちは俺の姿が見えないから不思議そうな顔をしてコトハのことを見ている。
「その…真中ハヤテさんって方とお知り合い?」
K「はい……知り合いです。この人が真中さんを暴行したかもしれなくて…」
コトハは怯えながらも警察にそう伝えて男を指さすと男は怒りに満ち溢れた顔をしていた。
「お…俺は関係ありません!!コトハ嘘つくんじゃねぇよ!!」
K「彼のスマホに証拠の写真が入ってると思います。」
コトハがそう言うと警察官2人は話は署で詳しく聞くね~と言いながらスマホを押収しパトカーの方へと男を連れて行った。
つづく
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる