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第三十四話
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山城コトハサイド
私はそんな昔の事を思い出しながら、地面に散らばりバラバラとなったハヤテくんのブレスレットをギュッと掴み後退りをする。
しかし、キミは怯える私に構うことなく笑いながら迫ってくる。
恐怖からガクガクと身体が震え冷え切り息苦しい。
助けて…ハヤテ…
H「やめろ!!」
ハヤテがそう叫ぶとマンションのライトが飛び散るようにして割れその音に驚いたキミくんは咄嗟に身を屈める。
逃げなきゃ…
そう思った私の手をいつの間にか側に来ていたハヤテがギュッと握り走りだした。
*「コトハ!!待て!!本当にあの男が死んでもいいか!?」
背後からその声が聞こえて思わず私の足が止まり逃げようとするハヤテが振り返って私の手を引っ張る。
H「コトハ!!逃げなきゃ!!」
目の前にいるハヤテはそう言って必死で私をその場から逃げようとするのに……
キミくんはあの頃と変わらず言葉巧みに私を縛り付けようとする。
*「本当に隣に住むあの男がこのまま死んでもいいのか…?」
私はゆっくりと振り返り問いかけた。
K「ハヤテは…死んだんじゃないの?」
*「本当に…そう思うか?アイツが死ぬかどうかはコトハ次第かもしれないね?」
H「コトハしっかりしろ!!こんな男の言葉なんて聞いちゃダメだ!!俺はもう死んでるんだよ!だから、幽霊として今コトハの側にいるだろ!?」
キミくんには見えないハヤテがそう言って私の腕を掴み必死で私を説得している。
しかし、ハヤテのその手は出会った頃より少し温かくなっていて本当に幽霊だなんで信じられない。
私はハヤテの言葉を無視してキミくんにまた、問いかける。
K「そ…それは…ハヤテが生きてるってこと?」
*「俺のそばにずっといてくれたら彼だけは助けてあげてもいいよ。」
キミくんはそう言うと私の前にゆっくりと立ち、スマホを操り勝ち誇ったような顔をして俺に見せた。
K「ハヤテ…」
その画面には血だらけのハヤテが倒れている姿が写っていて、それを私の横で一緒に見ているハヤテも驚いた顔をしている。
*「この男が好き?愛してる?まさか…俺の前でそんなこと言わないよな?コトハ…俺の部屋に…来てくれるわよな?」
キミくんにそう言われた私はギュッと握っていたハヤテから貰ったブレスレットの玉を手放し、地面に落とすとゆっくりとキミくんの背中に続いて歩きだす。
H「ダメだ!!コトハ!!なに考えてんだよ!!」
ハヤテはそう言って私を追いかけようとするがもう、ブレスレットを持っていない私のそばにハヤテは近づく事が出来ない。
一歩…また一歩とキミくんと一緒にマンションに戻っていると、振り返ったキミくんは満足気な顔で嬉しそうに微笑んでいた。
私はその姿にゾッとしながらも震える足でキミくんの背中に着いて行く。
もう…私はきっと…
キミくんの呪縛から抜け出せることはないんだ…
私はキミくんの笑顔を見たその瞬間…全てを諦めたと同時に…怒りが込み上げた。
つづく
私はそんな昔の事を思い出しながら、地面に散らばりバラバラとなったハヤテくんのブレスレットをギュッと掴み後退りをする。
しかし、キミは怯える私に構うことなく笑いながら迫ってくる。
恐怖からガクガクと身体が震え冷え切り息苦しい。
助けて…ハヤテ…
H「やめろ!!」
ハヤテがそう叫ぶとマンションのライトが飛び散るようにして割れその音に驚いたキミくんは咄嗟に身を屈める。
逃げなきゃ…
そう思った私の手をいつの間にか側に来ていたハヤテがギュッと握り走りだした。
*「コトハ!!待て!!本当にあの男が死んでもいいか!?」
背後からその声が聞こえて思わず私の足が止まり逃げようとするハヤテが振り返って私の手を引っ張る。
H「コトハ!!逃げなきゃ!!」
目の前にいるハヤテはそう言って必死で私をその場から逃げようとするのに……
キミくんはあの頃と変わらず言葉巧みに私を縛り付けようとする。
*「本当に隣に住むあの男がこのまま死んでもいいのか…?」
私はゆっくりと振り返り問いかけた。
K「ハヤテは…死んだんじゃないの?」
*「本当に…そう思うか?アイツが死ぬかどうかはコトハ次第かもしれないね?」
H「コトハしっかりしろ!!こんな男の言葉なんて聞いちゃダメだ!!俺はもう死んでるんだよ!だから、幽霊として今コトハの側にいるだろ!?」
キミくんには見えないハヤテがそう言って私の腕を掴み必死で私を説得している。
しかし、ハヤテのその手は出会った頃より少し温かくなっていて本当に幽霊だなんで信じられない。
私はハヤテの言葉を無視してキミくんにまた、問いかける。
K「そ…それは…ハヤテが生きてるってこと?」
*「俺のそばにずっといてくれたら彼だけは助けてあげてもいいよ。」
キミくんはそう言うと私の前にゆっくりと立ち、スマホを操り勝ち誇ったような顔をして俺に見せた。
K「ハヤテ…」
その画面には血だらけのハヤテが倒れている姿が写っていて、それを私の横で一緒に見ているハヤテも驚いた顔をしている。
*「この男が好き?愛してる?まさか…俺の前でそんなこと言わないよな?コトハ…俺の部屋に…来てくれるわよな?」
キミくんにそう言われた私はギュッと握っていたハヤテから貰ったブレスレットの玉を手放し、地面に落とすとゆっくりとキミくんの背中に続いて歩きだす。
H「ダメだ!!コトハ!!なに考えてんだよ!!」
ハヤテはそう言って私を追いかけようとするがもう、ブレスレットを持っていない私のそばにハヤテは近づく事が出来ない。
一歩…また一歩とキミくんと一緒にマンションに戻っていると、振り返ったキミくんは満足気な顔で嬉しそうに微笑んでいた。
私はその姿にゾッとしながらも震える足でキミくんの背中に着いて行く。
もう…私はきっと…
キミくんの呪縛から抜け出せることはないんだ…
私はキミくんの笑顔を見たその瞬間…全てを諦めたと同時に…怒りが込み上げた。
つづく
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