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第三十話
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真中ハヤテサイド
H「すいません…いきなり…」
Y「なにかコトハに聞かれたらまずい事があるの?」
H「はい…」
そうして俺はニジスケさんとヨウアさんに昨日、部屋の中に現れた男の事をこと細かく話した。
すると、ニジスケさんとヨウアさんの顔色が徐々に変わっていく。
H「今は俺のブレスレットをしているので大丈夫だと思うんですが…その男の目的がたぶんコトハで……」
Y「間違いないね。特徴からしてあいつで。」
N「だな。」
俺の話を聞いたニジスケさんとヨウアさんは何故かすぐに納得をしていた。
H「あの…あいつって…」
N「コトハね…ずっと昔、こっちで芸能事務所の練習生してたんだ。その時に酷い奴にストーカー行為されてね……その男はそのあとすぐ別件で警察に捕まってまだ刑務所のはずなんだけど…」
ニジスケさんはそう言って頭を悩ませながらどこかにメールを打ち込んでいた。
H「ストーカー!?でも、その男は生きてるんですよね!?俺たちの前に霊のような形で現れるのって変じゃないですか?」
俺がそう言うとヨウアさんは何か確信を持ったかのように頷きながら言った。
Y「たぶん生き霊だね…厄介なことになった。もしかしたらツカサが感じたのもあなたじゃなくてその男の生き霊かもね…」
H「どうしたらコトハを守れるんでしょうか?」
N「生き霊って飛ばしてる本人は気づいてないらしいから…本人がコトハを諦めない限りは続く。」
H「そんな……」
Y「でもとりあえずあなたがコトハの側にいればその男の生き霊は手出し出来ないんだから、幽霊だけどコトハのボディーガードよろしくね!私たちも策を練るわ!」
N「そうだね。まぁ、とりあえず頼んだよ?幽霊くん。」
そう言ってニジスケくんは俺の肩をぽんぽんと叩くとリビングにいるみんなの元へと戻って行った。
そして、俺は気づく。
あれ?そういえば…
この部屋に来たばかりの時はリビングから出ることさえ出来なかったのに今はリビングを出て他の部屋に行くことが出来ると。
不思議に思った俺は恐る恐る玄関に近づき、扉に触れるとどういう訳か昨日のことが嘘のようになんの問題もなく触れ事が出来た。
ドアノブを握り扉を少し開ける。
すると向かいの人が出てきて慌てて俺は扉を少し閉めた。
そして、廊下を歩いて行く人の姿がチラッと見えた俺は目を疑い息を飲んだ。
H「え…あの男…嘘だろ…?」
そう…コトハの向かいの部屋から出てきたのは昨日、突然現れた鬼のような顔をした悪霊の男だった。
俺の見間違いだろうか?そう思った俺が確認しようと慌てて廊下に出ようとするとまた、俺は弾き飛ばされるように玄関からは出ることが出来なかった。
すると、俺の声が聞こえたのか心配したコトハがリビングから出てきたので俺は慌て扉を閉めた。
K「ハヤテくん大丈夫!?誰か来てた!?」
H「いや…来てないよ。」
俺はコトハに恐怖を与えないよう誤魔化しながらリビングに戻っていく。
そのあともコトハは玄関で何をしていたのかとずっと俺に問いかけてきたが、さすがに「向かいの部屋に何故か今あなたのストーカーが住んでいてそのストーカーは昨日現れた悪霊の男であなたに今、生き霊を飛ばしてます。」なんて俺はとてもじゃないけど言えなかった。
しかし、1人でここに…いや厳密にいうと俺はいるがもしもの時に向こうの生き霊となら俺はなんとか戦えることが出来たとしても、人間である本体のあの男が乗り込んできたら幽霊でる俺は何もしてあげられないかもしれない。
ニジスケさんの話だと逮捕されて刑務所にいるはずなのになんであそこにいるんだろう?
あのストーカー男は間違いなく生き霊を飛ばすくらいだから、きっとコトハがここに住んでいると知っていて同じ時期に引っ越してきたはず。
コトハは自分が気づいてないだけでずっとストーカーされていたのかもしれない。
そう思ったら幽霊の俺でもゾッと寒気がした。
つづく
H「すいません…いきなり…」
Y「なにかコトハに聞かれたらまずい事があるの?」
H「はい…」
そうして俺はニジスケさんとヨウアさんに昨日、部屋の中に現れた男の事をこと細かく話した。
すると、ニジスケさんとヨウアさんの顔色が徐々に変わっていく。
H「今は俺のブレスレットをしているので大丈夫だと思うんですが…その男の目的がたぶんコトハで……」
Y「間違いないね。特徴からしてあいつで。」
N「だな。」
俺の話を聞いたニジスケさんとヨウアさんは何故かすぐに納得をしていた。
H「あの…あいつって…」
N「コトハね…ずっと昔、こっちで芸能事務所の練習生してたんだ。その時に酷い奴にストーカー行為されてね……その男はそのあとすぐ別件で警察に捕まってまだ刑務所のはずなんだけど…」
ニジスケさんはそう言って頭を悩ませながらどこかにメールを打ち込んでいた。
H「ストーカー!?でも、その男は生きてるんですよね!?俺たちの前に霊のような形で現れるのって変じゃないですか?」
俺がそう言うとヨウアさんは何か確信を持ったかのように頷きながら言った。
Y「たぶん生き霊だね…厄介なことになった。もしかしたらツカサが感じたのもあなたじゃなくてその男の生き霊かもね…」
H「どうしたらコトハを守れるんでしょうか?」
N「生き霊って飛ばしてる本人は気づいてないらしいから…本人がコトハを諦めない限りは続く。」
H「そんな……」
Y「でもとりあえずあなたがコトハの側にいればその男の生き霊は手出し出来ないんだから、幽霊だけどコトハのボディーガードよろしくね!私たちも策を練るわ!」
N「そうだね。まぁ、とりあえず頼んだよ?幽霊くん。」
そう言ってニジスケくんは俺の肩をぽんぽんと叩くとリビングにいるみんなの元へと戻って行った。
そして、俺は気づく。
あれ?そういえば…
この部屋に来たばかりの時はリビングから出ることさえ出来なかったのに今はリビングを出て他の部屋に行くことが出来ると。
不思議に思った俺は恐る恐る玄関に近づき、扉に触れるとどういう訳か昨日のことが嘘のようになんの問題もなく触れ事が出来た。
ドアノブを握り扉を少し開ける。
すると向かいの人が出てきて慌てて俺は扉を少し閉めた。
そして、廊下を歩いて行く人の姿がチラッと見えた俺は目を疑い息を飲んだ。
H「え…あの男…嘘だろ…?」
そう…コトハの向かいの部屋から出てきたのは昨日、突然現れた鬼のような顔をした悪霊の男だった。
俺の見間違いだろうか?そう思った俺が確認しようと慌てて廊下に出ようとするとまた、俺は弾き飛ばされるように玄関からは出ることが出来なかった。
すると、俺の声が聞こえたのか心配したコトハがリビングから出てきたので俺は慌て扉を閉めた。
K「ハヤテくん大丈夫!?誰か来てた!?」
H「いや…来てないよ。」
俺はコトハに恐怖を与えないよう誤魔化しながらリビングに戻っていく。
そのあともコトハは玄関で何をしていたのかとずっと俺に問いかけてきたが、さすがに「向かいの部屋に何故か今あなたのストーカーが住んでいてそのストーカーは昨日現れた悪霊の男であなたに今、生き霊を飛ばしてます。」なんて俺はとてもじゃないけど言えなかった。
しかし、1人でここに…いや厳密にいうと俺はいるがもしもの時に向こうの生き霊となら俺はなんとか戦えることが出来たとしても、人間である本体のあの男が乗り込んできたら幽霊でる俺は何もしてあげられないかもしれない。
ニジスケさんの話だと逮捕されて刑務所にいるはずなのになんであそこにいるんだろう?
あのストーカー男は間違いなく生き霊を飛ばすくらいだから、きっとコトハがここに住んでいると知っていて同じ時期に引っ越してきたはず。
コトハは自分が気づいてないだけでずっとストーカーされていたのかもしれない。
そう思ったら幽霊の俺でもゾッと寒気がした。
つづく
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