ぼくはキミの守護霊さま。

樺純

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第二十七話

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真中ハヤテサイド

山城さんは恐怖からまつ毛を涙で濡らし目をギュッと閉じて震えながらブレスレットを握りしめている。

すると、突然現れた影が山城さんの顔の横をスーッと通り過ぎると、山城さんが叫び声をあげて俺の胸へと飛び込んできた。

さっきまで山城さんと触れる事が出来なかったはずなのに、また触れることができた俺たち。

しかし、山城さんは俺の膝の上に跨りギュッとしがみ付くせいで吐息が俺の首筋にかかり俺の理性が危ない。

H「山城さん…これは…ちょっと……」

今にも大暴れしそうな自分の下半身と戦いながら山城さんにそういうと、山城さんは驚いた顔をして顔を赤らめて俺の膝から降りる。

それが少しさみしく感じるのは山城さんの温もりや柔らかさを知ってしまっているからだろう。

K「ご…ごめんなさい…怖くてつい…」

H「いや…全然いいんですけど…理性が吹っ飛びそうだったんで……」

本当に俺の心臓は止まったのか?と聞きたくなるほど俺の心臓はドキドキしていてつい、意味もなく山城さんのぷっくりとした唇を見つめてしまう。

山城さんはブレスレットじっと考え込んだ様子で見つめていて俺は思った。

もしかしたら、このブレスレットがあの得体の知れない男から山城さんを待ってくれているのかもしれないと。

そう考えていると山城さんはブレスレットを俺の前に置き、山城さんがそのブレスレットから手を離した瞬間!

また、あの男の姿が現れ山城さんの方へと向かってくる。

やっぱり…やっぱりそうだ。

H「持って早く!!」

K「え…?」

H「そのブレスレット持って!!」

俺がそう叫ぶと山城さんは怯えた顔をして慌ててその数珠のようなブレスレットを手に取り、それと同時にその男の姿はまた消えた。

H「山城さんこのブレスレット絶対外しちゃダメだよ。手首に付けててわかった?」

K「う…うん…わ…分かった…」

いつどこでどうやって死んだかも分からない俺はもしかしたら山城さんをあの男から守るために幽霊となり山城さんのそばを彷徨っているのかもしれない。

あの男は誰なのか?

何が目的なのか?

どうすれば消えるのか?

果たして俺は山城さんを守れるのか?

そんな自問自答を繰り返しながら俺は幽霊になってまで山城さんをボディーガードしようとしている。

俺はそんな事を考えながら山城さんに抱いてしまった愛しいという感情を表すかのように山城さんの頬を撫でた。

んがしかし…

俺はこの後…

あの謎の男とではなく…己と戦うこととなる。

つづく
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