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第二十五話
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山城コトハサイド
K「い…痛ぃ……」
H「山城さん!!」
真中さんは激痛から疼くまる私に手を伸ばしかけてやめ…拳をギュッと握った。
申し訳なさそうで心配そうに私を見つめる真中さんに私はわざと笑顔を見せる。
K「だ…大丈夫だよ…」
H「大丈夫なわけ…ないじゃん…色変わってるのに…」
真中さんにそう言われて自分の腕を見ると、私の腕は紫色に変色していて、誰かの手で掴まれたかのような指の跡がついていた。
K「なに…これ…」
私が真中さんの肩に触れようとしただけで真中さんは私の腕に指一本も触れていないのに、私の腕には誰かに掴まれたかのようなアザが出来ていた。
K「もしかして…真中さんには…私には見えない何かが…見えてる…?」
私がそう言うと真中さんの顔色が変わった。
K「ねぇ…真中さん…?」
何も話そうとしない真中さんにそう問いかけると突然…
リビングのスタンドライトがパリンッ!!と音を立てて割れキッチンの照明がピカピカと点滅する。
K「…ぇ!なに…怖い…!!」
パニックになり泣きそうになった私は咄嗟にテーブルの上に置いていた数珠のようなブレスレットを手に取った。
真中さんは落ち着いていて部屋の中を見渡しながら眉毛をひそめている。
私はそのブレスレットを握りしめたまま照明が落ち着くのを待つことしかできず、あまりの恐怖から目を閉じていると…
「逃がさない…」
そう耳元で聞き覚えのある男の声が聞こえてゾッとした私は叫び声をあげて真中さんの胸に飛び込んだ。
すると、さっきは真中さんの肩に触れようとしたら激痛に襲われたのに今は不思議と激痛はなく……
H「山城さん…さすがにこれは…ちょっと……」
そう真中さんに言われた私は目を開けると、真中さんの膝の上に跨りギュッと真中さんを抱きしめて真中さんの首筋に顔を埋めていた。
ハッとした私は慌てて真中さんから離れ膝から飛び降りる。
K「ご…ごめんなさい…怖くてつい…」
H「いや…全然いいんですけど…理性が吹っ飛びそうだったんで……」
なんだか気まずい空気が漂いお互いにドギマギしているのに心臓はドキドキしていて幽霊のくせに顔を赤くする真中さんを見てさらに私の顔が熱くなった。
でも、なんでだろ。
真中さんに触れようとしたら激痛が走ったのに…今は不思議と真中さんに触れることが出来る。
この触れる事が出来る時と触れることが出来ない時の違いは…なんだろ?
そう考えていると真中さんはマジマジと私の手元にあるブレスレットを見つめた。
H「山城さんそのブレスレットなんですけど…」
真中さんが何かをそう言いかけるので、私が手に持っていたブレスレットを真中さんの前に置き手をはなすと…真中の顔色がまた変わる。
H「持って早く!!」
K「え…?」
H「そのブレスレット持って!!」
真中さんがそう叫ぶので、私は置いたばかりのブレスレットを慌てて手に取った。
すると、真中さんはホッとしたような顔をしている。
K「このブレスレットがどうかしたの?」
H「分かんないけど多分…このブレスレットは山城さんにとってとても重要なモノだと思う。だから、手首に付けててわかった?」
K「う…うん…わ…わかった。」
H「俺…自分がどこで死んだかも分からないけど、なんで俺が幽霊として山城さんの周りを彷徨ってるのか……なんとなく分かった気がする……。」
真中さんはそう言うと恐る恐る私の頬に手を伸ばしそっと撫でると優しく微笑んだ。
つづく
K「い…痛ぃ……」
H「山城さん!!」
真中さんは激痛から疼くまる私に手を伸ばしかけてやめ…拳をギュッと握った。
申し訳なさそうで心配そうに私を見つめる真中さんに私はわざと笑顔を見せる。
K「だ…大丈夫だよ…」
H「大丈夫なわけ…ないじゃん…色変わってるのに…」
真中さんにそう言われて自分の腕を見ると、私の腕は紫色に変色していて、誰かの手で掴まれたかのような指の跡がついていた。
K「なに…これ…」
私が真中さんの肩に触れようとしただけで真中さんは私の腕に指一本も触れていないのに、私の腕には誰かに掴まれたかのようなアザが出来ていた。
K「もしかして…真中さんには…私には見えない何かが…見えてる…?」
私がそう言うと真中さんの顔色が変わった。
K「ねぇ…真中さん…?」
何も話そうとしない真中さんにそう問いかけると突然…
リビングのスタンドライトがパリンッ!!と音を立てて割れキッチンの照明がピカピカと点滅する。
K「…ぇ!なに…怖い…!!」
パニックになり泣きそうになった私は咄嗟にテーブルの上に置いていた数珠のようなブレスレットを手に取った。
真中さんは落ち着いていて部屋の中を見渡しながら眉毛をひそめている。
私はそのブレスレットを握りしめたまま照明が落ち着くのを待つことしかできず、あまりの恐怖から目を閉じていると…
「逃がさない…」
そう耳元で聞き覚えのある男の声が聞こえてゾッとした私は叫び声をあげて真中さんの胸に飛び込んだ。
すると、さっきは真中さんの肩に触れようとしたら激痛に襲われたのに今は不思議と激痛はなく……
H「山城さん…さすがにこれは…ちょっと……」
そう真中さんに言われた私は目を開けると、真中さんの膝の上に跨りギュッと真中さんを抱きしめて真中さんの首筋に顔を埋めていた。
ハッとした私は慌てて真中さんから離れ膝から飛び降りる。
K「ご…ごめんなさい…怖くてつい…」
H「いや…全然いいんですけど…理性が吹っ飛びそうだったんで……」
なんだか気まずい空気が漂いお互いにドギマギしているのに心臓はドキドキしていて幽霊のくせに顔を赤くする真中さんを見てさらに私の顔が熱くなった。
でも、なんでだろ。
真中さんに触れようとしたら激痛が走ったのに…今は不思議と真中さんに触れることが出来る。
この触れる事が出来る時と触れることが出来ない時の違いは…なんだろ?
そう考えていると真中さんはマジマジと私の手元にあるブレスレットを見つめた。
H「山城さんそのブレスレットなんですけど…」
真中さんが何かをそう言いかけるので、私が手に持っていたブレスレットを真中さんの前に置き手をはなすと…真中の顔色がまた変わる。
H「持って早く!!」
K「え…?」
H「そのブレスレット持って!!」
真中さんがそう叫ぶので、私は置いたばかりのブレスレットを慌てて手に取った。
すると、真中さんはホッとしたような顔をしている。
K「このブレスレットがどうかしたの?」
H「分かんないけど多分…このブレスレットは山城さんにとってとても重要なモノだと思う。だから、手首に付けててわかった?」
K「う…うん…わ…わかった。」
H「俺…自分がどこで死んだかも分からないけど、なんで俺が幽霊として山城さんの周りを彷徨ってるのか……なんとなく分かった気がする……。」
真中さんはそう言うと恐る恐る私の頬に手を伸ばしそっと撫でると優しく微笑んだ。
つづく
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