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第二十二話
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山城コトハサイド
インターホンの液晶にはヨウアちゃんとニジスケくんが待っていて私の部屋に通した。
このヨウアちゃんとニジスケくんも私と同じ事務所の練習生だった。
2人はデビューが決まっていたが、2人が引かれ合い恋に落ちた為、デビューを断って今は2人仲良く恋人として暮らしている。
2人は私の部屋に入るなり玄関先で硬直し2人で顔を見合わせている。
N「ここ…なんかいるね?」
Y「うん…いるね。」
昔から霊感の強かった2人にそう言われ、ドキッと胸が騒めく。
じゃ…今、私が見てるのは本当に真中さんの幽霊なの?
真中さんは私の知らない間に死んじゃったの?
いつの間に?どこで?死因は?
そう頭の中でくるくると回り涙が出そうになると2人は中へと入って行き、真中さんの目の前で立ち止まった。
Y「あんた…コトハに取り憑いてんの…?」
ヨウアちゃんは難しい顔をして真中さんにそう問いかけるが、私が真中さんを庇うようにして言った。
K「違うよ!真中さんはここにいるじゃん取り憑いてるだなんてそんな幽霊みたいな言い方しないで!」
N「うん…確かに死んでるようには…見えないけど……生きてるようにも見えないな…?」
J「ニジスケくんにも…見えるの?」
どうやらジョウには見えなかった真中さんの姿がヨウアちゃんとニジスケくんにはハッキリ見えたようで、2人は真中さんのことマジマジと見ている。
Y「ねぇ、コトハに取り憑かないで。早く自分のとこへ帰りな。」
ヨウアちゃんが幽霊疑惑のある真中さんの目の前に立ちそう言った。
もし、真中さんが本当に幽霊なんだとしたら…
私は隣に住んでいるのになんの異変もなかった…
いや気づかなかっただけ?
私が飛び出したあと真中さんの身に何か起きたのだろうか?もしかして心臓発作とか?
私はそんな事を考えながら真中さんを見つめる。
H「俺だって部屋に戻りたいけど…戻れないし…山城さんが動けば付いて行きたくなくても勝手に身体が…」
そう言えばヨウアちゃんが私のことをじっと見つめてまた、幽霊疑惑の真中さんを見る。
Y「コトハとこの幽霊…知り合い?」
H「山城さんのお隣に住んでます…」
Y「行くよ。あんたの部屋に行くって言ってんの。」
気の強いヨウアちゃんにキツくそう言われた真中さんは仕方なくヨウアちゃんの後ろについていき、さっきと同じようにリビングを出て行こうとするとまたバチッと大きな音をさせて吹き飛ばされリビングに舞い戻る。
H「こうやって吹き飛ばされてここから出れないんです。」
N「コトハがリビングから出てみたら?」
ニジスケくんにそう言われた私はリビングから出ると、不思議なことにスーッと真中さんの身体は私に引き寄せられるようにしてリビングから出ることができ、私と真中さんは思わず顔を見合わせる。
真中さんの事が見えないジョウは私が1人で驚いたり顔を見合わせているように見えるみたいで、少し私のことを心配そうに見つめながら言った。
J「ニジスケくんさっきは死んでるようには見えないって言ったのにコトハに見えて俺には見えないその真中さんって人は…本当に幽霊なの?」
N「うーん。死んでるようには見えないけど…幽霊の気配と同じなんだよね…なんだろ?」
K「なんで、こんな事になっちゃったんだろ…?」
私が半泣きになりながらそう言うと真中さんも悲しそうな顔をするから、私は思わず真中さんを抱きしめそうになると、そんな私をヨウアちゃんが止めた。
Y「コトハ…本当に魂取られるよ?」
K「真中さんはそんな人じゃないもん!!私のこと盗撮男から守ってくれた人だもん!!」
私が必死でヨウアちゃんにそう言うと、そんな私の姿を見た真中さんも他のみんなも苦しそうな顔をして私を見つめた。
すると、真中さんがボソッと呟いた。
H「俺って…本当に死んだってことですか?」
N「うん…たぶん?死にたてホヤホヤとか?」
K「ニジスケくん!!」
N「あ…ごめん。まぁ、ちょっと待ってて。」
ニジスケくんはそう言ってキッチンの棚から粗塩を取り出して真中さんに「ごめんね…」そう言って優しく粗塩をかけた。
しかし、特に真中さんに変化はなく、真中さんとニジスケくんは平然とした顔をして2人でぽかーんと見つめ合っていた。
N「ごめん…」
ニジスケくんはそう言って真中さんの体についた塩を払おうと手を伸ばしたので、私は慌てて声をあげた。
K「ニジスケくん!危ないよ!」
しかし、時すでに遅し…
ニジスケくんの右手は塩のついた真中さんの肩に触れていたが…
あれ…?何も起きない?
そう…私がマンションの下で真中さんに触れられた時は激痛が走ったのにニジスケくんが触れても何も起きなかったのだ。
N「幽霊なのに…冷たくないね…?」
K「ニジスケくんなんともないの?」
N「なんもとないよ。たぶんコトハに取り憑いた幽霊くんってことだね?見た感じ悪霊でもないし成仏するまで居候させてあげたら?知り合いなんだろ?」
K「知り合いだけど…」
J「だめ!!幽霊とはいえそんなの俺が許さない!」
N「冗談だよ冗談。」
J「全然笑えない。」
ジョウがそう言うと私の腕をグイッと引っ張り、その拍子に下で拾った紫色と緑色の水晶がついたブレスレットが私のポケットからコロンっと落ちた。
ジョウがそれを拾い上げて俺に見せる。
J「なにこれ?数珠?ブレスレット?」
K「あぁうん…拾ったの。」
J「とりあえずこれ手首にはめたらその幽霊!!消えるんじゃない!?数珠みたいだし!」
ジョウはそう言って興奮気味に私の手首にそのブレスレットを付けたが、真中さんにはなんの異変もなて、前にいる真中さんはニジスケくんとヨウアちゃんに囲まれて責められている。
でも、真中さんは生きている時と全く同じでなんでみんなが真中さんを見て幽霊だと騒いでいるのか私には分からない。目の前にいる真中さんはこんなにも生きてるみたいなのに…
Y「でも、取り憑いた幽霊が知り合いって…どうするの?」
N「とりあえず寺の住職やってる幼馴染のツカサに連絡しとこうか?」
K「いや…いいよ…」
N「じゃ…どうするの?ずっと取り憑かれたまま生活するの?」
K「真中さんがここにいるのには何か意味があるんだよ…」
J「コトハ…そんなこと言っても相手は幽霊だぞ!?お前の体にもしものことがあったら…」
K「もし、本当に真中さんが幽霊なら…その時が来たら…ちゃんと真中さんは逝くよ…ね?心残りがあるから…やり残した事があるから…まだこの世を彷徨ってるんだよね?」
K「やっぱり俺…死んだんだね…」
そう言って静かに涙を流す真中さんに手を伸ばすと不思議と激痛が走ることはなく…
私は初めて幽霊になってしまった真中さんの肩に触れる事が出来た。
つづく
インターホンの液晶にはヨウアちゃんとニジスケくんが待っていて私の部屋に通した。
このヨウアちゃんとニジスケくんも私と同じ事務所の練習生だった。
2人はデビューが決まっていたが、2人が引かれ合い恋に落ちた為、デビューを断って今は2人仲良く恋人として暮らしている。
2人は私の部屋に入るなり玄関先で硬直し2人で顔を見合わせている。
N「ここ…なんかいるね?」
Y「うん…いるね。」
昔から霊感の強かった2人にそう言われ、ドキッと胸が騒めく。
じゃ…今、私が見てるのは本当に真中さんの幽霊なの?
真中さんは私の知らない間に死んじゃったの?
いつの間に?どこで?死因は?
そう頭の中でくるくると回り涙が出そうになると2人は中へと入って行き、真中さんの目の前で立ち止まった。
Y「あんた…コトハに取り憑いてんの…?」
ヨウアちゃんは難しい顔をして真中さんにそう問いかけるが、私が真中さんを庇うようにして言った。
K「違うよ!真中さんはここにいるじゃん取り憑いてるだなんてそんな幽霊みたいな言い方しないで!」
N「うん…確かに死んでるようには…見えないけど……生きてるようにも見えないな…?」
J「ニジスケくんにも…見えるの?」
どうやらジョウには見えなかった真中さんの姿がヨウアちゃんとニジスケくんにはハッキリ見えたようで、2人は真中さんのことマジマジと見ている。
Y「ねぇ、コトハに取り憑かないで。早く自分のとこへ帰りな。」
ヨウアちゃんが幽霊疑惑のある真中さんの目の前に立ちそう言った。
もし、真中さんが本当に幽霊なんだとしたら…
私は隣に住んでいるのになんの異変もなかった…
いや気づかなかっただけ?
私が飛び出したあと真中さんの身に何か起きたのだろうか?もしかして心臓発作とか?
私はそんな事を考えながら真中さんを見つめる。
H「俺だって部屋に戻りたいけど…戻れないし…山城さんが動けば付いて行きたくなくても勝手に身体が…」
そう言えばヨウアちゃんが私のことをじっと見つめてまた、幽霊疑惑の真中さんを見る。
Y「コトハとこの幽霊…知り合い?」
H「山城さんのお隣に住んでます…」
Y「行くよ。あんたの部屋に行くって言ってんの。」
気の強いヨウアちゃんにキツくそう言われた真中さんは仕方なくヨウアちゃんの後ろについていき、さっきと同じようにリビングを出て行こうとするとまたバチッと大きな音をさせて吹き飛ばされリビングに舞い戻る。
H「こうやって吹き飛ばされてここから出れないんです。」
N「コトハがリビングから出てみたら?」
ニジスケくんにそう言われた私はリビングから出ると、不思議なことにスーッと真中さんの身体は私に引き寄せられるようにしてリビングから出ることができ、私と真中さんは思わず顔を見合わせる。
真中さんの事が見えないジョウは私が1人で驚いたり顔を見合わせているように見えるみたいで、少し私のことを心配そうに見つめながら言った。
J「ニジスケくんさっきは死んでるようには見えないって言ったのにコトハに見えて俺には見えないその真中さんって人は…本当に幽霊なの?」
N「うーん。死んでるようには見えないけど…幽霊の気配と同じなんだよね…なんだろ?」
K「なんで、こんな事になっちゃったんだろ…?」
私が半泣きになりながらそう言うと真中さんも悲しそうな顔をするから、私は思わず真中さんを抱きしめそうになると、そんな私をヨウアちゃんが止めた。
Y「コトハ…本当に魂取られるよ?」
K「真中さんはそんな人じゃないもん!!私のこと盗撮男から守ってくれた人だもん!!」
私が必死でヨウアちゃんにそう言うと、そんな私の姿を見た真中さんも他のみんなも苦しそうな顔をして私を見つめた。
すると、真中さんがボソッと呟いた。
H「俺って…本当に死んだってことですか?」
N「うん…たぶん?死にたてホヤホヤとか?」
K「ニジスケくん!!」
N「あ…ごめん。まぁ、ちょっと待ってて。」
ニジスケくんはそう言ってキッチンの棚から粗塩を取り出して真中さんに「ごめんね…」そう言って優しく粗塩をかけた。
しかし、特に真中さんに変化はなく、真中さんとニジスケくんは平然とした顔をして2人でぽかーんと見つめ合っていた。
N「ごめん…」
ニジスケくんはそう言って真中さんの体についた塩を払おうと手を伸ばしたので、私は慌てて声をあげた。
K「ニジスケくん!危ないよ!」
しかし、時すでに遅し…
ニジスケくんの右手は塩のついた真中さんの肩に触れていたが…
あれ…?何も起きない?
そう…私がマンションの下で真中さんに触れられた時は激痛が走ったのにニジスケくんが触れても何も起きなかったのだ。
N「幽霊なのに…冷たくないね…?」
K「ニジスケくんなんともないの?」
N「なんもとないよ。たぶんコトハに取り憑いた幽霊くんってことだね?見た感じ悪霊でもないし成仏するまで居候させてあげたら?知り合いなんだろ?」
K「知り合いだけど…」
J「だめ!!幽霊とはいえそんなの俺が許さない!」
N「冗談だよ冗談。」
J「全然笑えない。」
ジョウがそう言うと私の腕をグイッと引っ張り、その拍子に下で拾った紫色と緑色の水晶がついたブレスレットが私のポケットからコロンっと落ちた。
ジョウがそれを拾い上げて俺に見せる。
J「なにこれ?数珠?ブレスレット?」
K「あぁうん…拾ったの。」
J「とりあえずこれ手首にはめたらその幽霊!!消えるんじゃない!?数珠みたいだし!」
ジョウはそう言って興奮気味に私の手首にそのブレスレットを付けたが、真中さんにはなんの異変もなて、前にいる真中さんはニジスケくんとヨウアちゃんに囲まれて責められている。
でも、真中さんは生きている時と全く同じでなんでみんなが真中さんを見て幽霊だと騒いでいるのか私には分からない。目の前にいる真中さんはこんなにも生きてるみたいなのに…
Y「でも、取り憑いた幽霊が知り合いって…どうするの?」
N「とりあえず寺の住職やってる幼馴染のツカサに連絡しとこうか?」
K「いや…いいよ…」
N「じゃ…どうするの?ずっと取り憑かれたまま生活するの?」
K「真中さんがここにいるのには何か意味があるんだよ…」
J「コトハ…そんなこと言っても相手は幽霊だぞ!?お前の体にもしものことがあったら…」
K「もし、本当に真中さんが幽霊なら…その時が来たら…ちゃんと真中さんは逝くよ…ね?心残りがあるから…やり残した事があるから…まだこの世を彷徨ってるんだよね?」
K「やっぱり俺…死んだんだね…」
そう言って静かに涙を流す真中さんに手を伸ばすと不思議と激痛が走ることはなく…
私は初めて幽霊になってしまった真中さんの肩に触れる事が出来た。
つづく
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