ぼくはキミの守護霊さま。

樺純

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第十九話

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山城コトハサイド

やっぱりセフレにしてとは言えなかった。

何度も言おうとしたが、やっぱり私にはセフレなんて無理。

気づいたらこんなにも真中さんのことが好きになってしまってるのに、そんな割り切った体の関係なんて無理なの。

だから私はつい…勢いに任せて好きなんて言ってしまった。

恋愛なんて興味がなくて特定の相手は作りたくないと話していた真中さんに。

K「はぁ…もう最悪…絶対重いって思われた…」

私はそう頭を抱えるようにして自分の部屋でうずくまった。

次の日

こんな時に限って仕事も連休明けからスタートで家でやることもなく、行く所もない私は真中さんとのことばかり考えてしまい、今隣で何やってんだろ?と思いながら過ごしていた。

そんな私は気分を変えるつもりで今日は家で引きこもってゆっくりと好きなジャズでも聞こうと思った。

そのためには食べ物が必要。

部屋に何もない私はコンビニに向かおうと鍵とスマホと財布を持ち玄関を出ると、廊下に一滴の赤い血液のようなモノが落ちていて思わずヒッ!と息を飲みその血液を踏まないように避けた。

なによ…廊下に血液が落ちてるなんて…

この階には私と私の隣りに住む真中さん、そして廊下を挟んだ向かい側に2つの部屋がある。

確か大家さんが言うには向かい側のひと部屋は空き部屋で、私の真向かいに住む人は私と同じ時期に引っ越してきたはずだけど人がいる気配がなかった。

また、落ち着いたら挨拶にでも行こうそう私は考えた。

もしかしたら、真向かいの人の引っ越しの際に業者さんが怪我でもしたのかな?

私はそんな事を思いながらエレベーターに乗り込みコンビニに向かった。

コンビニで私の好きなお菓子とジュースを買ってマンションに戻ると私は呼び止められた。

「あの…」

私はその声の方を振り返る。

K「…?真中さん?」

マンションの前には真中さんが弱々しい青白い顔をして私の方を見つめていた。

昨日、勢いに任せて告白してしまった私は気まずさからチラッとだけ真中さんの方に視線を向けると、真中さんはどこか体調が悪そうで心配が押し寄せる。

すると、真中さんは突然よく意味のわからない事を言い始めた。

H「山城さん…俺のこと…見えるんですか!?」

K「え?えぇ…まぁ…」

私は真中さんのそんな言葉に戸惑い首を傾げる。

H「俺…なんでここにいるんでしょう…」

また、そうやって意味のわからない事を言い始める真中さん。

K「え…いやぁ…私にそんな事聞かれても…」

私はそんな真中さんに困惑しどうすれば良いのか分からない。

H「動けないんです……」

K「え?体調悪いとか?」

H「いや…そうじゃなくて…マンションに戻ろうと思って何度も入ろうとするのに…ここに戻ってきちゃうんです…」

真中さんはそう訳のわからない事を言って私を揶揄いはじめた。

確かに昨日、突然告白して逃げたのは私が悪いけど、だからと言って怖がりな私の前でこんな子供じみたことを言い、私を揶揄うのは幼稚だし、私はそんな真中さんの言動が気に触った。

K「確かに昨日、告白して逃げたのは私が悪いですけど!だからって…こんな子供じみた事で私を揶揄うなんて酷いです…失礼します…!!」

少し怒ったように私がそういうと真中さんが私を呼び止める。

H「待って!!」

真中さんがそう叫び、私の腕を掴んだその瞬間…

K「痛ぃ…!!!」

真中さんに掴まれた腕はまるで氷のように冷え切ったように激痛が走り、私は咄嗟に思いっきり振り払った。

H「ごめんなさい…怪我させるつもりなんてなくて…」

私はあまりの激痛と微かな恐怖からそのまま真中さんを無視して足早にマンションに入り部屋へと戻った。

なんなのよ…酷いよ…真中さんのバカ…

そんなに私の告白が迷惑だったならはっきりそう言ってくれればいいのに…

そんな悪態をつきながら階につきエレベーターを降り廊下を歩いていると、足元に紫色と緑色の水晶が付いた数珠のようなブレスレットが落ちていた。

私は不思議に思いながらそれを拾いあげる。

さっきは血液に気を取られて落ちてること気づかなかったけど、真中さんかお向かいさんの落とし物かな…?

言い争ったばかりの真中さんとは会うのは気まずいから荷物を置いてから管理人室に預けておこう…そう思いながらその数珠をポケット入れ、家の鍵を開けた。

つづく
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