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第十六話
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山城コトハサイド
朝起きて、近くのスーパーに買い物に行こうと玄関を出たら偶然、真中さんと鉢合わせしてしまい気まずい私は思わず目を逸らす。
あんなことがあった後で私は真中さんにどんな顔をすればいいのか分からず、オマケに家に帰ってから後悔したなんて真中さんに知られたりしたら恥ずかしくて生きていけないと思っていると、いつの間にエレベーターが来ていたのか、真中さんはエレベーターに乗り込んでいて私に乗らないかと問いかけてきた。
私はその言葉で我にかえりエレベーターに乗り込むものの頭の中は昨日、真中さんとしたキスが蘇りドキドキと胸を鳴らす。
すると突然、エレベーターが激しく揺れると電気が点滅し突然止まった。
その状況は私の1番苦手とする状況。
小さな密室に閉じ込められるという圧迫感に恐怖を覚えしゃがみ込むと唯一の救いだった明かりまで消えてしまい私を追い込んでいく。
大丈夫…大丈夫…
自分でそう自分自身を言い聞かせているのにも限界を感じた私は恥を忍んで真中さんに近くに行ってもいいかと確認したが、真中さんから返事はなく私が諦めると、スッと移動して真中さんは私の横に来てくれ、微かに当たる肩から感じる温もりで少し落ち着いた。
しかし、どんなに待っても助けが来る気配はなくさらに追い詰められるような気持ちになっていると真中さんが話をし始めた。
その話の内容は真中さんが幼い子供の頃の話で人見知りで寂しがり屋だったけど、勝負事には本気で負けず嫌いの子供だったと真中さんは話していた。
思春期になって周りは恋をしはじめていたのに何故か自分だけ恋というものには無縁でとりあえず、付き合ってみたもののピンとくることはなくすぐに別れてしまったと。
それから真中さんは恋をすることもなく、都合の良い人と身体の関係だけを持つようになり、私の前で電話をした人もセフレの一人だったと話をしてくれた。
なぜ、真中さんがこのタイミングで私にこんな自分の人生を話してくれたのかは分からないけど、何故か真中さんのその人生に私は少しだけ同情してしまった。
状況は違えど真中さんも本気で誰かを愛したり恋をした事がないなんて私と全く同じだなと思ったから。
H「…だから俺は山城さんが思ってくれてるほど良い奴ではないんですよ。どっちかと言えば最低な男だし、敵も多い。だから、俺に隙は見せちゃダメですよ?」
真中さんは話し終えると薄明かりの中そう言って微笑んだ。
確かに昨日、真中さんにあのまま抱かれるこかと思ったら怖かった。
でも、その恐怖はいつも襲われたり犯されそうになる時に感じる恐怖ではなく、トラウマと初体験への恐怖で、むしろ私は真中さんが無言のまま私の上からおりた時は悲しさが溢れてショックだった。
それは初めての感情で私はいまだにその言葉にできない感情を引きずっている。
真中さんが言う隙なんて私は今まで生きてきた中で一度も見せた事がないはずなのに…真中さんには私のその隙が見えていたのだろうか?
K「もし…その隙…見せたらどうなるの?」
私がそう問いかけると真中さんは顔をあげて私を見つめる。
私もその瞳を見つめ返すと真中さんは言った。
H「この前みたいにキスされたり…俺に襲われたりしちゃいますよ?」
真中さんはそう言って微かに笑うと私はすぐに言葉を返すように言った。
K「じゃ、私からキスしたら…真中さんはどうなる?」
H「……え?」
私はそう問いかけると真中さんの返事を聞く前に、横にいる真中さんの唇を塞ぎ、その唇を啄んだ。
つづく
朝起きて、近くのスーパーに買い物に行こうと玄関を出たら偶然、真中さんと鉢合わせしてしまい気まずい私は思わず目を逸らす。
あんなことがあった後で私は真中さんにどんな顔をすればいいのか分からず、オマケに家に帰ってから後悔したなんて真中さんに知られたりしたら恥ずかしくて生きていけないと思っていると、いつの間にエレベーターが来ていたのか、真中さんはエレベーターに乗り込んでいて私に乗らないかと問いかけてきた。
私はその言葉で我にかえりエレベーターに乗り込むものの頭の中は昨日、真中さんとしたキスが蘇りドキドキと胸を鳴らす。
すると突然、エレベーターが激しく揺れると電気が点滅し突然止まった。
その状況は私の1番苦手とする状況。
小さな密室に閉じ込められるという圧迫感に恐怖を覚えしゃがみ込むと唯一の救いだった明かりまで消えてしまい私を追い込んでいく。
大丈夫…大丈夫…
自分でそう自分自身を言い聞かせているのにも限界を感じた私は恥を忍んで真中さんに近くに行ってもいいかと確認したが、真中さんから返事はなく私が諦めると、スッと移動して真中さんは私の横に来てくれ、微かに当たる肩から感じる温もりで少し落ち着いた。
しかし、どんなに待っても助けが来る気配はなくさらに追い詰められるような気持ちになっていると真中さんが話をし始めた。
その話の内容は真中さんが幼い子供の頃の話で人見知りで寂しがり屋だったけど、勝負事には本気で負けず嫌いの子供だったと真中さんは話していた。
思春期になって周りは恋をしはじめていたのに何故か自分だけ恋というものには無縁でとりあえず、付き合ってみたもののピンとくることはなくすぐに別れてしまったと。
それから真中さんは恋をすることもなく、都合の良い人と身体の関係だけを持つようになり、私の前で電話をした人もセフレの一人だったと話をしてくれた。
なぜ、真中さんがこのタイミングで私にこんな自分の人生を話してくれたのかは分からないけど、何故か真中さんのその人生に私は少しだけ同情してしまった。
状況は違えど真中さんも本気で誰かを愛したり恋をした事がないなんて私と全く同じだなと思ったから。
H「…だから俺は山城さんが思ってくれてるほど良い奴ではないんですよ。どっちかと言えば最低な男だし、敵も多い。だから、俺に隙は見せちゃダメですよ?」
真中さんは話し終えると薄明かりの中そう言って微笑んだ。
確かに昨日、真中さんにあのまま抱かれるこかと思ったら怖かった。
でも、その恐怖はいつも襲われたり犯されそうになる時に感じる恐怖ではなく、トラウマと初体験への恐怖で、むしろ私は真中さんが無言のまま私の上からおりた時は悲しさが溢れてショックだった。
それは初めての感情で私はいまだにその言葉にできない感情を引きずっている。
真中さんが言う隙なんて私は今まで生きてきた中で一度も見せた事がないはずなのに…真中さんには私のその隙が見えていたのだろうか?
K「もし…その隙…見せたらどうなるの?」
私がそう問いかけると真中さんは顔をあげて私を見つめる。
私もその瞳を見つめ返すと真中さんは言った。
H「この前みたいにキスされたり…俺に襲われたりしちゃいますよ?」
真中さんはそう言って微かに笑うと私はすぐに言葉を返すように言った。
K「じゃ、私からキスしたら…真中さんはどうなる?」
H「……え?」
私はそう問いかけると真中さんの返事を聞く前に、横にいる真中さんの唇を塞ぎ、その唇を啄んだ。
つづく
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