ぼくはキミの守護霊さま。

樺純

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第十四話

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山城コトハサイド

遅すぎる昼寝をしてしまった私は眠れずベランダに出て夜風にあたった。

隣の部屋にいる真中さんは今頃、あの女性と熱い営みでもしているのだろうか…

そう想像しただけで何故か私は泣きそうになり、ダメダメ!と自分で自分を言いきかせるといつも落ち込んだ時に口ずさむ歌をうたう。

いつもならその歌をうたえば元気が沸いてくるのに何故か今日は気分が落ちたままだった。

すると、インターホンの音がして部屋に戻るとそこには親友のジョウが来ていた。

私が下のオートロックを解除するとジョウはすぐに上がってきて部屋の中へ入りリビングを見渡す。

J「めちゃくちゃいい部屋じゃん!」

K「うん……」

この部屋のことがめちゃくちゃ気に入って引っ越す事にしたはずのこの部屋。

なのにもう既にここにいる事が苦痛に感じてしまっているのは……なぜだろう。

J「どうした?そんな暗い顔して…?」

ジョウは私の異変に気づいたのか横に来て優しく頭をぽんぽんと撫でた。

K「ちょっと色々あってね。」

J「ん?話したくないなら無理に話さなくていいけど…相談しなよ?」

ジョウはそういうとニコッと微笑み、開けっ放しになっていたベランダの方へに行き、ベランダに出てそこから見える夜景を眺める。

J「コトハ?ここの眺め最高だね?」

K「うん…綺麗でしょ?」

J「コトハもこっちおいで?一緒に夜景見よ?」

ジョウはそう言って手招きし、仕方なく私がベランダに向かうとジョウは嬉しそうに昔のように私と肩を組み一緒に夜景を眺める。

ジョウは夜景を眺めながら私を揶揄うように私の肩に回した手で頬の肉をつまむ。

K「んひゃ…もうっ!やめて!」

J「えへへ~いいじゃん?何恥ずかしがってんの?」

ジョウは昔っから私の頬の肉をつまむのが趣味で、暇さえあれば私の頬の肉をつまんで遊んでいるから、そんな私たちの様子を見た当時の練習生仲間は私とジョウが付き合っていると勘違いしたほどだ。

K「もう…!!えっち!やめろー!」

J「だってコトハのここムニムニしてて気持ちいいんだもん。また、良い肉付きになったね?」

それは私が太ったと遠回しで嫌味を言ってますよね?

その顔はニヤッと笑っているが、私は憎たらしくてこのムチムチのお腹には言われたくないとばかりにジョウの三段腹をつまむ。

J「痛ぇ!もっと優しく触ってよ!デリケートなんだから!」

K「仕返しだよ?」

J「なんだと~」

ジョウはそう言いながら私の首をくすぐり部屋の中へと入る。

私はくすぐったくてケラケラと笑いながら部屋へと入り床に笑い転げた。

J「良かった。ちょっとは元気出た?」

K「うん…出た。ありがとう。」

J「コトハはさ?笑顔が1番可愛いだから…ね?」

K「ありがとう。」

そうして私はジョウのおかげで少し元気が出ると出前を取り一緒にラーメンを食べ、ジョウは帰って行った。

つづく
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