10 / 39
第十話
しおりを挟む
真中ハヤテサイド
鏡を見た俺は衝撃的事実を知る。
俺…山城さんにあんなカッコつけて話してたのに…
目やに付いてたんだ…死にてぇ…
ゴシゴシと血が出そうなほど顔を洗い、歯茎が抉れそうなほど歯磨きをしネットで調べてすぐに鍵屋に電話をした。
H「ダメだ…どこの鍵屋も繋がらないです…多分大型連休にはいってるかですかね…?」
いや、本当は一件見つけた。
見つけたんだけど見なかったことにした。
だって鍵屋が来たらすぐに山城さんが帰っちゃうじゃん。
だからどこの鍵屋もぼくちゃんの目には閉店ガラガラだったんだ。
K「どうしよう…やっぱりベランダから…」
H「ダメですって!山城さんも連休ですよね?いつから仕事ですか?」
K「1週間後……」
1週間…
うまくいけば山城さんが俺の部屋で1週間過ごしてくれるかもしれない。
H「それまでに鍵屋が見つかるといいんですけど…とりあえず俺の部屋にいていいですよ?」
鍵屋を探すふりして見つけるつもりなんてサラサラないですけどね。
K「えぇ!?そんなのいいよです!いいですよ!」
全力で遠慮する山城さんに少し傷ついた。
も…もしかして…
いや、考えたくないけど…もしかして…彼氏いる?
こんなにも可愛い山城さんがフリーなはずないか…そんな事を思いながら問いかける。
H「じゃ、ほかに行く所あるんですか?彼女のとことか?」
K「彼氏?とかいないですし…友人にお願いするのもスマホがないと連絡できないし…」
彼氏いなかったぁぁぁあぁぁあ!!わっしょい!!
友人のとこに行くなんて俺が許しまてーーーん!!
H「だから僕の部屋にいてください。」
K「………でも……?」
H「迷惑じゃない…って言ってるしでしょ?困った時はお互いさまですよ?お隣さんなんですから。」
困った時はお互いさまですよ…なんてどの口が言ってんだと自分自身をツッコむとスンとした顔をして山城さんに微笑んだ。
H「はぁ~やっぱりどこも繋がらないですね…」
一応、大型連休で定休日と分かっている店に電話してみる。
すると…ぐぅ~
突然、山城さんのお腹から可愛い音が鳴り俺の父性が爆発した。
K「あ…ごめんなさい…」
山城さんは顔を赤くしてお腹を触りチラッと俺の様子を伺うその姿!!もうなんでそんな可愛いわけ!?
H「ふwお腹すきましたね?なんか出前しましょうか?」
そう言って俺が出前のメニューを渡すとパァっと花が咲いたような笑顔を見せ、目をキラキラと輝かせた山城さんはメニューを受け取るとウキウキしながら見つめた。
H「好きなの言ってください。注文するんで。」
俺はカッコつけてそう言うとパソコンの前であまりにも可愛い山城さんに悶絶する。
とてもいい気分でうひょうひょしていると俺のスマホが鳴り、ディスプレイを見るとセフレからの着信だった。
もうすでに終わりを告げたし一瞬、出るか迷ったがもし万が一、家に来られたら困ると思った俺は山城さんから離れて着信を取った。
H「あぁごめん。俺たちもう終わったろ?…いい加減にしろよセフレのくせに……もう二度と連絡してくんな。」
俺は最終通告だと言わんばかりにそつまけない態度でそう言って着信を切った。
H「山城さん出前決まりました?」
俺がゆっくりソファに座って山城さんに問いかけると、なぜか山城さんはメニューで顔を隠している。
K「え…!?あ…えっと…」
H「顔…赤いですけど…」
顔を真っ赤に染め目を潤ませる山城さんに俺は釘付けになる。
山城さんは俺の事どう思ってんだろ?
K「へっ!!!?あ…うん…?」
モジモジとする山城さんは俺の方をチラッと見ては目を逸らし顔を染めて俺をその気にさせる。
H「あ…もしかしてさっきの電話…聞こえちゃいました?」
聞こえてないことを祈りながらそう問いかけた……
今まで俺は出来る男を演じていたこの俺にセフレがいるなんて知れてしまったら山城さんに嫌われてしまうぅううぅぅぅぅ!!
K「え!!聞いてない!聞いてないです!!セフレがいるなんて聞いてないですよ!!」
終わった。
山城さんにセフレがいた事がバレてしまった。
可愛い可愛い純粋無垢な山城さんに絶対嫌われた←
H「めっちゃ聞いてるじゃん。」
俺からはもう苦笑いが溢れ出し、どう誤魔化す事もできず引き攣った顔のままパソコンの画面をただひたすら見つめた。
山城さんに嫌われてしまっただろう俺は必死で挽回策を考えるが思考回路がショートしてしまった為なーんにも思い浮かばない。
K「あの…」
H「なんですか?」
K「私…やっぱ…ベランダから部屋に入ります。」
H「だからそれは!!危な…」
K「だって、私のせいでセフレと会えないとか申し訳ないですし……セフレの人にも悪いから……ベランダつたいで入りますね。」
山城さんは俺の言葉を遮るようにそう言うと勢いよく立ち上がり、ベランダの方に向かい鍵を開けて柵に足を掛けるもんだから焦った俺は山城さんのパーカーを慌てて引っ張った。
つづく
鏡を見た俺は衝撃的事実を知る。
俺…山城さんにあんなカッコつけて話してたのに…
目やに付いてたんだ…死にてぇ…
ゴシゴシと血が出そうなほど顔を洗い、歯茎が抉れそうなほど歯磨きをしネットで調べてすぐに鍵屋に電話をした。
H「ダメだ…どこの鍵屋も繋がらないです…多分大型連休にはいってるかですかね…?」
いや、本当は一件見つけた。
見つけたんだけど見なかったことにした。
だって鍵屋が来たらすぐに山城さんが帰っちゃうじゃん。
だからどこの鍵屋もぼくちゃんの目には閉店ガラガラだったんだ。
K「どうしよう…やっぱりベランダから…」
H「ダメですって!山城さんも連休ですよね?いつから仕事ですか?」
K「1週間後……」
1週間…
うまくいけば山城さんが俺の部屋で1週間過ごしてくれるかもしれない。
H「それまでに鍵屋が見つかるといいんですけど…とりあえず俺の部屋にいていいですよ?」
鍵屋を探すふりして見つけるつもりなんてサラサラないですけどね。
K「えぇ!?そんなのいいよです!いいですよ!」
全力で遠慮する山城さんに少し傷ついた。
も…もしかして…
いや、考えたくないけど…もしかして…彼氏いる?
こんなにも可愛い山城さんがフリーなはずないか…そんな事を思いながら問いかける。
H「じゃ、ほかに行く所あるんですか?彼女のとことか?」
K「彼氏?とかいないですし…友人にお願いするのもスマホがないと連絡できないし…」
彼氏いなかったぁぁぁあぁぁあ!!わっしょい!!
友人のとこに行くなんて俺が許しまてーーーん!!
H「だから僕の部屋にいてください。」
K「………でも……?」
H「迷惑じゃない…って言ってるしでしょ?困った時はお互いさまですよ?お隣さんなんですから。」
困った時はお互いさまですよ…なんてどの口が言ってんだと自分自身をツッコむとスンとした顔をして山城さんに微笑んだ。
H「はぁ~やっぱりどこも繋がらないですね…」
一応、大型連休で定休日と分かっている店に電話してみる。
すると…ぐぅ~
突然、山城さんのお腹から可愛い音が鳴り俺の父性が爆発した。
K「あ…ごめんなさい…」
山城さんは顔を赤くしてお腹を触りチラッと俺の様子を伺うその姿!!もうなんでそんな可愛いわけ!?
H「ふwお腹すきましたね?なんか出前しましょうか?」
そう言って俺が出前のメニューを渡すとパァっと花が咲いたような笑顔を見せ、目をキラキラと輝かせた山城さんはメニューを受け取るとウキウキしながら見つめた。
H「好きなの言ってください。注文するんで。」
俺はカッコつけてそう言うとパソコンの前であまりにも可愛い山城さんに悶絶する。
とてもいい気分でうひょうひょしていると俺のスマホが鳴り、ディスプレイを見るとセフレからの着信だった。
もうすでに終わりを告げたし一瞬、出るか迷ったがもし万が一、家に来られたら困ると思った俺は山城さんから離れて着信を取った。
H「あぁごめん。俺たちもう終わったろ?…いい加減にしろよセフレのくせに……もう二度と連絡してくんな。」
俺は最終通告だと言わんばかりにそつまけない態度でそう言って着信を切った。
H「山城さん出前決まりました?」
俺がゆっくりソファに座って山城さんに問いかけると、なぜか山城さんはメニューで顔を隠している。
K「え…!?あ…えっと…」
H「顔…赤いですけど…」
顔を真っ赤に染め目を潤ませる山城さんに俺は釘付けになる。
山城さんは俺の事どう思ってんだろ?
K「へっ!!!?あ…うん…?」
モジモジとする山城さんは俺の方をチラッと見ては目を逸らし顔を染めて俺をその気にさせる。
H「あ…もしかしてさっきの電話…聞こえちゃいました?」
聞こえてないことを祈りながらそう問いかけた……
今まで俺は出来る男を演じていたこの俺にセフレがいるなんて知れてしまったら山城さんに嫌われてしまうぅううぅぅぅぅ!!
K「え!!聞いてない!聞いてないです!!セフレがいるなんて聞いてないですよ!!」
終わった。
山城さんにセフレがいた事がバレてしまった。
可愛い可愛い純粋無垢な山城さんに絶対嫌われた←
H「めっちゃ聞いてるじゃん。」
俺からはもう苦笑いが溢れ出し、どう誤魔化す事もできず引き攣った顔のままパソコンの画面をただひたすら見つめた。
山城さんに嫌われてしまっただろう俺は必死で挽回策を考えるが思考回路がショートしてしまった為なーんにも思い浮かばない。
K「あの…」
H「なんですか?」
K「私…やっぱ…ベランダから部屋に入ります。」
H「だからそれは!!危な…」
K「だって、私のせいでセフレと会えないとか申し訳ないですし……セフレの人にも悪いから……ベランダつたいで入りますね。」
山城さんは俺の言葉を遮るようにそう言うと勢いよく立ち上がり、ベランダの方に向かい鍵を開けて柵に足を掛けるもんだから焦った俺は山城さんのパーカーを慌てて引っ張った。
つづく
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる