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第一話
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目が回るほどの人波に空高く聳え立つ高いビル
沢山の車が行き交う道路を一人歩き
まだ、子供だった私はあの日、夢を持ってこの東京にやって来た。
がしかし、幼かった私はとある出来事により心が壊れてしまい1人田舎へと帰った…
いや、帰らざるを得なかった。
なのに私は大人になりまた、東京にやって来た。
それは、私の中にある今度こそは…そう夢への強い思いから東京へ上京し、念願の一人暮らしを始めることにしたのだ。
引越し前に何度か東京に来て、入った瞬間にピンっ!!と運命を感じ借りたこのマンション。
今日、私はそこへ引越しをする。
両親はコトハは寂しがり屋だからすぐに寂しいと言って3日で戻ってくるんじゃない?と私を揶揄いながらも、心細くなったらいつでも帰ってくればいい…無理だけはするな…そう言って見送ってくれた。
私は両親とお別れをして念願の我が家に到着し、荷物を片付けていく。
まだ、最低限の家財道具しかないから少しづつ買い足して行かないとな…
私はこの家のために買った大きすぎる絵を壁に飾りソファに座って大好きなジャズを流す。
K「うん…良き…」
ある程度、荷物が片付き時計を見るといつのまにか夜の8時になっていた。
お腹減ったな…コンビニでも行くか!!
私はスマホと鍵、そして財布を持って部屋を出た。
すると、廊下には隣の部屋に住む人が仕事から帰って来たのか、扉の前で鍵を開けようとしていたので私は慌てて挨拶をした。
K「あ…あの!!はじめまして…今日、となりに引っ越してきた山城コトハです。」
少し緊張しながら私がそう挨拶をし、お隣さんの顔を見ると目がくりくりとした可愛らしい白ウサギのような印象の男性だった。
H「は…はじめまして真中ハヤテです…こちらこそよろしくお願いします。」
そう言って彼が頭を下げると私もまた頭を下げて、お互いにぺこぺこと何度も頭の下げ合いをし、パチっと真中さんと目があってしまった私はつい、吹き出してしまった。
すると、真中さんも釣られるようにして笑った。
H「すいません…じゃ…これで…」
K「あ…はい…失礼します…」
真中さんはそう言ってまた頭を下げるとゆっくりと部屋の中へ入って行き、私はエレベーターへと向かう。
お隣さんが変な人だったらどうしようかと心配だったけど良い人そうで良かった。
私はそんな事を思いながらマンションから出ると、季節はまだ秋が始まったばかりだと言うのに、何故か体が凍え身震いするほど背筋がゾクッとした。
なんだろ…この感覚…
僅かに感じた視線に勢いよくそちらへ振り向くが草むらがあるだけで人の姿は見えない。
引っ越してきたばかりの慣れない場所のせいだろうか?
私はそんな事を思いながら深く気にせず…いや、気にしないようにしてコンビニへと向かい、素早く必要な食材を買い込むと足早に家へと帰った。
バタンと玄関の扉が閉まり私はホッと胸を撫で下ろす。
あの不気味な感覚は今までにも何度か感じたことがあった。
しかし、それを認めてしまえば過去のトラウマが波のように押し寄せてきそうで、私は扉のチェーンを引っ掛け、部屋の奥に入り引っ越したばかりで神経質になっているだけだと自分に言い聞かせた。
つづく
沢山の車が行き交う道路を一人歩き
まだ、子供だった私はあの日、夢を持ってこの東京にやって来た。
がしかし、幼かった私はとある出来事により心が壊れてしまい1人田舎へと帰った…
いや、帰らざるを得なかった。
なのに私は大人になりまた、東京にやって来た。
それは、私の中にある今度こそは…そう夢への強い思いから東京へ上京し、念願の一人暮らしを始めることにしたのだ。
引越し前に何度か東京に来て、入った瞬間にピンっ!!と運命を感じ借りたこのマンション。
今日、私はそこへ引越しをする。
両親はコトハは寂しがり屋だからすぐに寂しいと言って3日で戻ってくるんじゃない?と私を揶揄いながらも、心細くなったらいつでも帰ってくればいい…無理だけはするな…そう言って見送ってくれた。
私は両親とお別れをして念願の我が家に到着し、荷物を片付けていく。
まだ、最低限の家財道具しかないから少しづつ買い足して行かないとな…
私はこの家のために買った大きすぎる絵を壁に飾りソファに座って大好きなジャズを流す。
K「うん…良き…」
ある程度、荷物が片付き時計を見るといつのまにか夜の8時になっていた。
お腹減ったな…コンビニでも行くか!!
私はスマホと鍵、そして財布を持って部屋を出た。
すると、廊下には隣の部屋に住む人が仕事から帰って来たのか、扉の前で鍵を開けようとしていたので私は慌てて挨拶をした。
K「あ…あの!!はじめまして…今日、となりに引っ越してきた山城コトハです。」
少し緊張しながら私がそう挨拶をし、お隣さんの顔を見ると目がくりくりとした可愛らしい白ウサギのような印象の男性だった。
H「は…はじめまして真中ハヤテです…こちらこそよろしくお願いします。」
そう言って彼が頭を下げると私もまた頭を下げて、お互いにぺこぺこと何度も頭の下げ合いをし、パチっと真中さんと目があってしまった私はつい、吹き出してしまった。
すると、真中さんも釣られるようにして笑った。
H「すいません…じゃ…これで…」
K「あ…はい…失礼します…」
真中さんはそう言ってまた頭を下げるとゆっくりと部屋の中へ入って行き、私はエレベーターへと向かう。
お隣さんが変な人だったらどうしようかと心配だったけど良い人そうで良かった。
私はそんな事を思いながらマンションから出ると、季節はまだ秋が始まったばかりだと言うのに、何故か体が凍え身震いするほど背筋がゾクッとした。
なんだろ…この感覚…
僅かに感じた視線に勢いよくそちらへ振り向くが草むらがあるだけで人の姿は見えない。
引っ越してきたばかりの慣れない場所のせいだろうか?
私はそんな事を思いながら深く気にせず…いや、気にしないようにしてコンビニへと向かい、素早く必要な食材を買い込むと足早に家へと帰った。
バタンと玄関の扉が閉まり私はホッと胸を撫で下ろす。
あの不気味な感覚は今までにも何度か感じたことがあった。
しかし、それを認めてしまえば過去のトラウマが波のように押し寄せてきそうで、私は扉のチェーンを引っ掛け、部屋の奥に入り引っ越したばかりで神経質になっているだけだと自分に言い聞かせた。
つづく
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