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6話
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ヒュウサイド
僕の歯磨きが終わると僕の恋人はいつも筋トレを始める。
初めは僕を守るために強くなると言って始めた筋トレだったのに、それはいつの間にか趣味となり日課となっている。
僕の恋人は可愛い顔に似合わずセクシーで男らしい身体つきをしていて、少しエッチな声を出しながら筋トレするから、僕は朝からドキドキを誤魔化すように窓辺に向かい空に浮かぶ雲や観葉植物と戯れる。
H「ちょっと鍛えすぎだよ~」
E「もしもの時、ヒュウを守らなきゃだからね。」
付き合いも数年が経つというのに、付き合ったばかりの頃に言っていた事を恥ずかし気もなくサラッと言ってくれるから僕は嬉しくてつい緩む口元を隠し、ほどほどにしなよとしか言えなくなってしまう。
E「ヒュウはもう筋トレしないの?」
H「うーん。筋トレは得意じゃない。」
本当は僕も男らしい体に憧れた時期があり鍛えた時もあった。
でも、毎晩のように僕を抱きしめる恋人が、締まっていく僕の身体を見つめるたびに少し寂しそうに僕のお腹を撫でるから筋トレをやめた。
すると、僕の恋人は言葉には出さなかったが、分かりやすいほどにむにむにとした僕のお腹やお尻にすりすりと顔を寄せ執着していて。
筋トレしてる時にそばにいて欲しそうな顔はするけど、僕がムキムキになるのはあまり好みじゃないんだな…という事が分かった。
僕はスマホを手に取りソファに座ると、筋トレに夢中だった僕の恋人もつられて僕の肩を抱くように寄り添って座る。
H「ねぇ見て!これ…懐かしいね。」
そう言って僕が見せたのは僕たちがまだ恋人同士になる前、僕が密かに片想いをしていた頃の僕の恋人の幼き頃の写真だ。
E「あぁもう…そんな写真見るな。キモいじゃん。」
この頃の僕の恋人は不安気に瞳を揺らし僕にべったりとくっ付いていた。
それが愛しくて守ってあげなきゃと思い、いつも僕は溢れんばかりの愛情を注いでいた。
それが友人に対する感情ではないと気づいたのはとても些細な事だった。
つづく
僕の歯磨きが終わると僕の恋人はいつも筋トレを始める。
初めは僕を守るために強くなると言って始めた筋トレだったのに、それはいつの間にか趣味となり日課となっている。
僕の恋人は可愛い顔に似合わずセクシーで男らしい身体つきをしていて、少しエッチな声を出しながら筋トレするから、僕は朝からドキドキを誤魔化すように窓辺に向かい空に浮かぶ雲や観葉植物と戯れる。
H「ちょっと鍛えすぎだよ~」
E「もしもの時、ヒュウを守らなきゃだからね。」
付き合いも数年が経つというのに、付き合ったばかりの頃に言っていた事を恥ずかし気もなくサラッと言ってくれるから僕は嬉しくてつい緩む口元を隠し、ほどほどにしなよとしか言えなくなってしまう。
E「ヒュウはもう筋トレしないの?」
H「うーん。筋トレは得意じゃない。」
本当は僕も男らしい体に憧れた時期があり鍛えた時もあった。
でも、毎晩のように僕を抱きしめる恋人が、締まっていく僕の身体を見つめるたびに少し寂しそうに僕のお腹を撫でるから筋トレをやめた。
すると、僕の恋人は言葉には出さなかったが、分かりやすいほどにむにむにとした僕のお腹やお尻にすりすりと顔を寄せ執着していて。
筋トレしてる時にそばにいて欲しそうな顔はするけど、僕がムキムキになるのはあまり好みじゃないんだな…という事が分かった。
僕はスマホを手に取りソファに座ると、筋トレに夢中だった僕の恋人もつられて僕の肩を抱くように寄り添って座る。
H「ねぇ見て!これ…懐かしいね。」
そう言って僕が見せたのは僕たちがまだ恋人同士になる前、僕が密かに片想いをしていた頃の僕の恋人の幼き頃の写真だ。
E「あぁもう…そんな写真見るな。キモいじゃん。」
この頃の僕の恋人は不安気に瞳を揺らし僕にべったりとくっ付いていた。
それが愛しくて守ってあげなきゃと思い、いつも僕は溢れんばかりの愛情を注いでいた。
それが友人に対する感情ではないと気づいたのはとても些細な事だった。
つづく
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