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72話
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ケイトside
俺はププの事を信じて準備を終えると、この想い出の場所でテラを待った。
あの日、2人で見た夜景とは違い太陽の光を反射してキラキラと光る水面…
川を挟んだ向こう側にみえる観覧車は楽しそうな子供たちの声がこちら側まで響いている。
K「いつか…家族になってあの観覧車に乗れたらいいな…」
そんな事を想像しながら俺はテラを待った。
すると、微かな音が聞こえ振り返るとそこには下を向くテラが立っていて、その顔を見た俺は居ても立ってもいられずテラをギュッと抱きしめた。
K「どこ行ってたんだよ…心配するじゃん。」
俺が抱きしめながらそう言ってもテラは何も言わずに俺の肩に顎を乗せているだけ。
俺はゆっくりと身体を離しテラの顔を覗き込むとテラの目には涙が浮かんでいた。
テラはそれを誤魔化すように顔を横に背けると、その弾みであのアーモンドのような形をした目から大粒の涙がポロッと溢れ、俺はその涙を親指で拭う。
K「ププから聞いた。俺とソフィアとのこと誤解してたんだね。」
俺がそう言うとテラは横を向いたまま微かに首を縦に振る。
K「ソフィアとは本当にそう言う関係じゃないから。」
俺がそう言うとテラは涙目でムッとした顔をしたまま俺の方を勢いよく見た。
T「それは!ププから聞いた……!!けど…聞いちゃったから…昨日、ケイトがソフィアさんと電話してるの聞いちゃったから…………」
大声で何を言い始めるのかと思ったらだんだんと声は小さくなっていきまた、テラの視線は俺の目から地面に落ちていく。
昨日のソフィアとの電話って…確か養子を迎える報告をして…子供を引き取るのに何が必要かソフィアの顔見るついでに教えてもらったから…そのお礼を改めて電話で言っただけだったと思うが……
一睡もしていない俺の虚な頭では全く思い出せずにいると、テラはキィっと怒った顔をしてまた、立ち去ろうとする。
T「やっぱり私に言えない事なんじゃん!!もういい!!」
言えないのではなく覚えていないだけ。
慌ててテラの腕を掴み、考えてみるがあの電話の内容でテラがなぜ、こんなにも怒っているのかが俺には理解できなかった。
K「ただ、お礼言っただけのような気がするんだけど……」
頭を掻きながらそう答えるとテラの逆鱗に触れてしまったのか、俺はテラに睨まれギョッとする。
T「お礼だけじゃなくて!久しぶりに会えたから嬉しかったよ~ハートとか!最近、テラがピリピリしててバレるとヤバいからさ~テヘペロとか!俺の子だからそんなの大丈夫だよ~愛してるチュウチュウとか!会えなくても通じ合ってるから分かるんだよ~ニャンニャンとか!そんなの聞いたら勘違いするに決まってるし!私に隠し事してるじゃんか!」
おい待て。
誰がソフィアとの電話でハートやらテヘペロやらあいしてるチュウやらニャンニャンって言うんだ!?
いくらなんでも話盛りすぎだろ!?
しかし、目の前のテラは鼻の穴を全開にし鼻息荒めにそう言うその姿があまりにも可愛くて俺はつい、笑ってしまった。
T「はぁ!?この状況で笑う!?よく笑えるね!?信じらんない!!」
そう一方的に言ったテラに俺の気も知らずに…話を盛りやがってとプチンときてしまった俺も言い返す。
K「じゃ、言わせてもらうけど!ププのお迎え断ってどこ行ってた!?仲良さそうに新しく出来たドッグカフェで背の高い男の人と話してたらしいじゃん!?部下が怪しい雰囲気でしたって俺に報告してきたけど?そのあと酒の匂いさせて帰ってきて行方不明になるってそっちこそどうなってんの?」
T「そ…それは!!別にソウさんとはそんなんじゃないもん!!」
テラは俺の手を振り払い俺を突き飛ばすが、俺に取ったらそんなの痛くも痒くもなくピクリともせず、走り出して行ってしまいそうなテラを腕の中に閉じ込めた。
K「知ってる…テラとその人が何でもないなんて知ってる。」
T「じゃ何でそんなこと…」
K「知ってるけど…俺だって不安だよ?言いたい事あるなら…ちゃんと俺に面と向かって言ってよ…じゃなきゃ喧嘩もできないじゃん。」
T「ケイト……」
K「俺たち2人は将来のこと考えてるのにどこかいつも言いたいことを我慢して喧嘩しないように避けてた気がする……お互いを大切に思いすぎて傷つけたくないから。だから……」
T「だから……?」
K「なんでも言い合える関係になろう?喧嘩しても切れない縁を結ぼう?ケントのためにも…俺たち結婚しよ。結婚して…ケントを家族として俺たちの元に迎えよう。」
俺がそう言ってテラの顔を覗き込むと、驚いた顔をしたテラの目から涙が溢れ出した。
つづく
俺はププの事を信じて準備を終えると、この想い出の場所でテラを待った。
あの日、2人で見た夜景とは違い太陽の光を反射してキラキラと光る水面…
川を挟んだ向こう側にみえる観覧車は楽しそうな子供たちの声がこちら側まで響いている。
K「いつか…家族になってあの観覧車に乗れたらいいな…」
そんな事を想像しながら俺はテラを待った。
すると、微かな音が聞こえ振り返るとそこには下を向くテラが立っていて、その顔を見た俺は居ても立ってもいられずテラをギュッと抱きしめた。
K「どこ行ってたんだよ…心配するじゃん。」
俺が抱きしめながらそう言ってもテラは何も言わずに俺の肩に顎を乗せているだけ。
俺はゆっくりと身体を離しテラの顔を覗き込むとテラの目には涙が浮かんでいた。
テラはそれを誤魔化すように顔を横に背けると、その弾みであのアーモンドのような形をした目から大粒の涙がポロッと溢れ、俺はその涙を親指で拭う。
K「ププから聞いた。俺とソフィアとのこと誤解してたんだね。」
俺がそう言うとテラは横を向いたまま微かに首を縦に振る。
K「ソフィアとは本当にそう言う関係じゃないから。」
俺がそう言うとテラは涙目でムッとした顔をしたまま俺の方を勢いよく見た。
T「それは!ププから聞いた……!!けど…聞いちゃったから…昨日、ケイトがソフィアさんと電話してるの聞いちゃったから…………」
大声で何を言い始めるのかと思ったらだんだんと声は小さくなっていきまた、テラの視線は俺の目から地面に落ちていく。
昨日のソフィアとの電話って…確か養子を迎える報告をして…子供を引き取るのに何が必要かソフィアの顔見るついでに教えてもらったから…そのお礼を改めて電話で言っただけだったと思うが……
一睡もしていない俺の虚な頭では全く思い出せずにいると、テラはキィっと怒った顔をしてまた、立ち去ろうとする。
T「やっぱり私に言えない事なんじゃん!!もういい!!」
言えないのではなく覚えていないだけ。
慌ててテラの腕を掴み、考えてみるがあの電話の内容でテラがなぜ、こんなにも怒っているのかが俺には理解できなかった。
K「ただ、お礼言っただけのような気がするんだけど……」
頭を掻きながらそう答えるとテラの逆鱗に触れてしまったのか、俺はテラに睨まれギョッとする。
T「お礼だけじゃなくて!久しぶりに会えたから嬉しかったよ~ハートとか!最近、テラがピリピリしててバレるとヤバいからさ~テヘペロとか!俺の子だからそんなの大丈夫だよ~愛してるチュウチュウとか!会えなくても通じ合ってるから分かるんだよ~ニャンニャンとか!そんなの聞いたら勘違いするに決まってるし!私に隠し事してるじゃんか!」
おい待て。
誰がソフィアとの電話でハートやらテヘペロやらあいしてるチュウやらニャンニャンって言うんだ!?
いくらなんでも話盛りすぎだろ!?
しかし、目の前のテラは鼻の穴を全開にし鼻息荒めにそう言うその姿があまりにも可愛くて俺はつい、笑ってしまった。
T「はぁ!?この状況で笑う!?よく笑えるね!?信じらんない!!」
そう一方的に言ったテラに俺の気も知らずに…話を盛りやがってとプチンときてしまった俺も言い返す。
K「じゃ、言わせてもらうけど!ププのお迎え断ってどこ行ってた!?仲良さそうに新しく出来たドッグカフェで背の高い男の人と話してたらしいじゃん!?部下が怪しい雰囲気でしたって俺に報告してきたけど?そのあと酒の匂いさせて帰ってきて行方不明になるってそっちこそどうなってんの?」
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テラは俺の手を振り払い俺を突き飛ばすが、俺に取ったらそんなの痛くも痒くもなくピクリともせず、走り出して行ってしまいそうなテラを腕の中に閉じ込めた。
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K「知ってるけど…俺だって不安だよ?言いたい事あるなら…ちゃんと俺に面と向かって言ってよ…じゃなきゃ喧嘩もできないじゃん。」
T「ケイト……」
K「俺たち2人は将来のこと考えてるのにどこかいつも言いたいことを我慢して喧嘩しないように避けてた気がする……お互いを大切に思いすぎて傷つけたくないから。だから……」
T「だから……?」
K「なんでも言い合える関係になろう?喧嘩しても切れない縁を結ぼう?ケントのためにも…俺たち結婚しよ。結婚して…ケントを家族として俺たちの元に迎えよう。」
俺がそう言ってテラの顔を覗き込むと、驚いた顔をしたテラの目から涙が溢れ出した。
つづく
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