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42話
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テラside
私は気がつけばケイトに押し倒され組み敷かれていた。
ドキッ…ドキッ…と心臓が早く動き出しゴクリと生唾を飲み込んだ。
ケイトの手はゆっくりと私のシャツのボタンに伸びていき、ひとつひとつ丁寧に外され脱がされていく。
露わになった私の素肌をケイトは優しく撫でながら言った。
K「テラ…愛してるよ…」
ケイトはそう呟くと私の首筋に顔を埋めた。
それからどうなったのかあまり覚えていない。
無我夢中でケイトにしがみ付き、ケイトに揺らされながら愛しさと快楽の狭間を行ったり来たりしていた。
目の前で汗を流すケイトの肩の包帯はいつの間にか真っ赤に染まっていてた。
顔をしかめたケイトは私の上に倒れ込み私はケイトの背中に手を回して撫でると、ケイトは身体を起こし苦笑いしながら私の横に寝転がった。
K「ごめん…余裕なくて……」
T「そんなことないよ…怪我痛まない?」
K「大丈夫…」
T「よかった。なら先に休んで…」
私はそう言ってケイトに布団を掛けると、ケイトは私の手をキュッと握りそのまま瞼を閉じた。
ケイトが寝息を立て始めた頃、私の手を握っていたケイトの手をそっと布団の中へと入れて私はバスルームに向かうと熱めのシャワーを浴びた。
バスルームから出て、ケイトのおでこに手を置くと熱はもう下がっていて穏やかな表情で眠っていた。
あまりの可愛さからぷくぷくのほっぺにチュウとキスを落とすと、喉の渇いた私はケイトを起こさないように部屋を出て、ケイトが連れて行ってくれた事のある食堂へとむかいコップを手に取り蛇口を捻った。
「眠れないのか?」
誰もいないと思っていた私は突然、声をかけられで驚いた弾みでコップを落とした。
声のする方を見ると暗がりの中、ポツンと椅子に座るジニさんがいた。
T「ジニさん…?びっくりした……」
J「ごめん驚かせるつもりじゃなかったんだけど…怪我してない?」
そう言われて落としたコップの行方を見るとなんとか割れずにシンクで転がっていた。
T「うん…大丈夫。でも、ジニさんこんな時間にここでなにしてんの…」
私はシンクに転がったコップを手に取り水を入れるとジニさんの座っているテーブルへと向かいゆっくりと腰掛けた。
J「うん…眠れなくてね…ケイトはどう?」
T「うん。熱も下がったみたいで眠れてる。」
J「そう…なら良かった。」
ジニさんはそう言うとしばらく黙りこみ私たちの中に沈黙が続いた。
微かな気まずさを感じ始めた私が何か話そうと口を開き掛けた瞬間、ジニさんが言った。
J「なかったんだ…」
ジニさんの唐突な言葉に私は理解が出来ない。
T「なかったって…何が…?」
J「…いや……なんでもない!気にしなくていいよ。じゃ、俺部屋に戻るね?」
ジニさんはそう言って立ち上がると歩き出し、私はその背中を見つめていると突然、ジニさんは振り返った。
J「テラ……ケイトのこと…幸せにしてやってね…ケイトのこと頼んだよ。」
ジニさんはそう言うとニコッと微笑み食堂を出て行った。
次の日
朝起きるとヨナがケイトの傷口の消毒をしにケイトの部屋にやって来て、血で染まった包帯を見て呆れたように言った。
Y「こんな大怪我しといてヤルことヤルって…バカなの?」
ヨナはそう言いながら少し手荒に包帯を外していきケイトは大騒ぎをする。
J「いてぇ!!いてっ!!ヨナさん!!もっと優しくしてくださいよ!!俺!!怪我人!!テラ!!ヨナさんが俺をいじめる~!!」
ケイトの事が心配で横で付き添っていると、私の膝に顔をスリスリしながらケイトはわざとらしくそう言った。
そんなケイトに苦笑いをしているとヨナがグリグリと傷口にたっぷりと消毒液の付いたコットンをピンセットで押し当てる。
Y「麻酔なしで耐えられたんだからこれくらい何ともないでしょ。しかも、この傷口負ってもテラとヤる事はヤる根性があんだから黙って我慢しな!!」
ヨナはそう言いながらグイーッとケイトの傷口にガーゼを押し当てると、ポイっとコットンを捨ててペタッ!っと勢いよくガーゼを貼った。
J「いてぇぇえぇぇぇえ!!」
Y「次期組長になる男がこんな事で泣くな!!」
ヨナはそう言いながらケイトの肩に包帯を巻きながらぼやく。
ケイトは激痛から額に汗を滲ませていて、私が横にあったタオルで優しくその汗を拭いてあげるとケイトはまた、甘えたように私の膝に頭を置く。
そんなケイトを見たヨナはイライラとしている。
Y「ちゃんと座らないと包帯巻けないでしょ!!このバカ若頭!!」
そう言って頭をポコッと殴ると周りにいたケイトの部下たちは目を見開くが、ジニさんはソファに座って新聞を読みながら笑っていた。
Y「はい!!おしまい!!」
そう言ってヨナがベッドから降りてジニさんの元に行くと、ケイトはニコッとあどけない笑顔を私に見せて私に抱きついた。
それと同時に部屋にいる部下達が気まずそう視線を逸らすと、ケイトはそれに気づいたのか何事もなかったかのように咳払いをし表情管理をした。
K「お前たち…俺が呼ぶまで部屋の中に入るの禁止だ。用がある時はスマホに電話しろ。分かったな。」
「若頭!承知しました!」
そう言って朝から怖い顔をしたケイトの部下達は部屋を出て行った。
ソファでは私達のことを気にする事もなく、ジニさんは寝転がりヨナに膝枕をしてもらっていてヨナは真顔のままジニさんの鼻を摘んで遊んでいる。
K「2人はいつまで俺たちの部屋にいるつもりですか~自分達の部屋!ありますよね?」
ケイトがそう言うとジニさんは徐に起き上がる。
J「ケイトあのさ~」
K「ん?なに?」
J「俺ね?この世界から足洗うわ。やらないといけない事あるし。」
あっけらかんとしたジニさんの唐突な言葉にケイトの顔色は変わり、一瞬にして部屋中の空気がピーンと張り詰めた。
つづく
私は気がつけばケイトに押し倒され組み敷かれていた。
ドキッ…ドキッ…と心臓が早く動き出しゴクリと生唾を飲み込んだ。
ケイトの手はゆっくりと私のシャツのボタンに伸びていき、ひとつひとつ丁寧に外され脱がされていく。
露わになった私の素肌をケイトは優しく撫でながら言った。
K「テラ…愛してるよ…」
ケイトはそう呟くと私の首筋に顔を埋めた。
それからどうなったのかあまり覚えていない。
無我夢中でケイトにしがみ付き、ケイトに揺らされながら愛しさと快楽の狭間を行ったり来たりしていた。
目の前で汗を流すケイトの肩の包帯はいつの間にか真っ赤に染まっていてた。
顔をしかめたケイトは私の上に倒れ込み私はケイトの背中に手を回して撫でると、ケイトは身体を起こし苦笑いしながら私の横に寝転がった。
K「ごめん…余裕なくて……」
T「そんなことないよ…怪我痛まない?」
K「大丈夫…」
T「よかった。なら先に休んで…」
私はそう言ってケイトに布団を掛けると、ケイトは私の手をキュッと握りそのまま瞼を閉じた。
ケイトが寝息を立て始めた頃、私の手を握っていたケイトの手をそっと布団の中へと入れて私はバスルームに向かうと熱めのシャワーを浴びた。
バスルームから出て、ケイトのおでこに手を置くと熱はもう下がっていて穏やかな表情で眠っていた。
あまりの可愛さからぷくぷくのほっぺにチュウとキスを落とすと、喉の渇いた私はケイトを起こさないように部屋を出て、ケイトが連れて行ってくれた事のある食堂へとむかいコップを手に取り蛇口を捻った。
「眠れないのか?」
誰もいないと思っていた私は突然、声をかけられで驚いた弾みでコップを落とした。
声のする方を見ると暗がりの中、ポツンと椅子に座るジニさんがいた。
T「ジニさん…?びっくりした……」
J「ごめん驚かせるつもりじゃなかったんだけど…怪我してない?」
そう言われて落としたコップの行方を見るとなんとか割れずにシンクで転がっていた。
T「うん…大丈夫。でも、ジニさんこんな時間にここでなにしてんの…」
私はシンクに転がったコップを手に取り水を入れるとジニさんの座っているテーブルへと向かいゆっくりと腰掛けた。
J「うん…眠れなくてね…ケイトはどう?」
T「うん。熱も下がったみたいで眠れてる。」
J「そう…なら良かった。」
ジニさんはそう言うとしばらく黙りこみ私たちの中に沈黙が続いた。
微かな気まずさを感じ始めた私が何か話そうと口を開き掛けた瞬間、ジニさんが言った。
J「なかったんだ…」
ジニさんの唐突な言葉に私は理解が出来ない。
T「なかったって…何が…?」
J「…いや……なんでもない!気にしなくていいよ。じゃ、俺部屋に戻るね?」
ジニさんはそう言って立ち上がると歩き出し、私はその背中を見つめていると突然、ジニさんは振り返った。
J「テラ……ケイトのこと…幸せにしてやってね…ケイトのこと頼んだよ。」
ジニさんはそう言うとニコッと微笑み食堂を出て行った。
次の日
朝起きるとヨナがケイトの傷口の消毒をしにケイトの部屋にやって来て、血で染まった包帯を見て呆れたように言った。
Y「こんな大怪我しといてヤルことヤルって…バカなの?」
ヨナはそう言いながら少し手荒に包帯を外していきケイトは大騒ぎをする。
J「いてぇ!!いてっ!!ヨナさん!!もっと優しくしてくださいよ!!俺!!怪我人!!テラ!!ヨナさんが俺をいじめる~!!」
ケイトの事が心配で横で付き添っていると、私の膝に顔をスリスリしながらケイトはわざとらしくそう言った。
そんなケイトに苦笑いをしているとヨナがグリグリと傷口にたっぷりと消毒液の付いたコットンをピンセットで押し当てる。
Y「麻酔なしで耐えられたんだからこれくらい何ともないでしょ。しかも、この傷口負ってもテラとヤる事はヤる根性があんだから黙って我慢しな!!」
ヨナはそう言いながらグイーッとケイトの傷口にガーゼを押し当てると、ポイっとコットンを捨ててペタッ!っと勢いよくガーゼを貼った。
J「いてぇぇえぇぇぇえ!!」
Y「次期組長になる男がこんな事で泣くな!!」
ヨナはそう言いながらケイトの肩に包帯を巻きながらぼやく。
ケイトは激痛から額に汗を滲ませていて、私が横にあったタオルで優しくその汗を拭いてあげるとケイトはまた、甘えたように私の膝に頭を置く。
そんなケイトを見たヨナはイライラとしている。
Y「ちゃんと座らないと包帯巻けないでしょ!!このバカ若頭!!」
そう言って頭をポコッと殴ると周りにいたケイトの部下たちは目を見開くが、ジニさんはソファに座って新聞を読みながら笑っていた。
Y「はい!!おしまい!!」
そう言ってヨナがベッドから降りてジニさんの元に行くと、ケイトはニコッとあどけない笑顔を私に見せて私に抱きついた。
それと同時に部屋にいる部下達が気まずそう視線を逸らすと、ケイトはそれに気づいたのか何事もなかったかのように咳払いをし表情管理をした。
K「お前たち…俺が呼ぶまで部屋の中に入るの禁止だ。用がある時はスマホに電話しろ。分かったな。」
「若頭!承知しました!」
そう言って朝から怖い顔をしたケイトの部下達は部屋を出て行った。
ソファでは私達のことを気にする事もなく、ジニさんは寝転がりヨナに膝枕をしてもらっていてヨナは真顔のままジニさんの鼻を摘んで遊んでいる。
K「2人はいつまで俺たちの部屋にいるつもりですか~自分達の部屋!ありますよね?」
ケイトがそう言うとジニさんは徐に起き上がる。
J「ケイトあのさ~」
K「ん?なに?」
J「俺ね?この世界から足洗うわ。やらないといけない事あるし。」
あっけらかんとしたジニさんの唐突な言葉にケイトの顔色は変わり、一瞬にして部屋中の空気がピーンと張り詰めた。
つづく
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