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15話
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テラside
扉の向こうにはやたら艶っぽくなったヨナの姿があり、私はケイトの手を振り解いてヨナの元に飛んでいく。
T「もうヨナ心配した!!」
Y「テラ…ごめん。」
T「ジニさんとのこと…聞いた。」
Y「…いやなんて言うか…ついそういう雰囲気になって…」
J「そういうこと!」
私がヨナを問い詰めていると呑気な声をしてヨナの頬を撫でるジニさんが私に笑顔を見せる。
すると、ヨナはジニさんのその手を払いのけた。
Y「調子に乗りすぎですよ。明日も早いんでもう帰ります。」
J「じゃ、送るよ!」
Y「大丈夫ですよ。ジニさん仕事中でしょ。テラと大通りでタクシー捕まえるんで。」
J「そう?分かった…また、明日お店にケーキ買いに行くね?」
Y「好きにしてください。」
その言葉を聞いたジニさんは一瞬にしてデレデレの顔になり、ベッドに腰掛け身なりを整えているヨナにギューっと抱きついた。
J「やっぱまだ帰らないでもう少し一緒にいよ~!」
Y「もう帰ります!明日、プリン食べれなくてもいいんですか?ほら、テラ帰るよ!」
ヨナがそうジニさんに冷たく言い放つとジニさんはプルプルの唇を尖らせて拗ねていた。
K「下まで見送りますね。」
T「う…うん…ありがとう。」
そして私たちはまた手を繋ぎ合わせ歩いていく。
エレベーターをおりカジノを通っていると、沢山の人混みの中…私は鋭い視線を感じふと振り返ると、とある1人の男と目が合った。
疑問に思った私はつい足が止まりその男をじっと見つめると、その男はなぜか少し焦ったような顔をして私から目を逸らし人混みに身を隠した。
K「どうしました?」
T「ん?うん…なんでもない。」
微かな嫌な予感が頭の中に過ったものの、私はケイトにそう言って誤魔化すように笑顔を見せた。
そして、私たちはケイトに連れられて建物を出ると、そこはカジノの華やかな表玄関で私たちが連れ去られたのはこの建物の裏口だったと言うことが今になって分かった。
沢山の人が出入りし賑やかな中、私たちはケイトとジニさんと手を振ってお別れをした。
K「また、すぐお店に行きますね。」
T「うん。」
J「ヨナまた、明日行くからね?なんなら毎日行くからね?」
Y「ちゃんと仕事して。」
何度も振り返りながら手を振って、ケイトとジニさんは私たちの姿が見えなくなるまでずっと、見送ってくれていた。
そして通りにまで出てタクシーを拾い、私は何気なくカバンに手を入れてスマホを取り出そうとして気づいた。
T「え…ない…」
Y「ん?どうしたの?」
ヨナはタクシーに乗り込み顔をのぞかせて私にそう言った。
T「ヨナごめん。私…ケイトのとこでスマホ落としてきたみたい…取ってくるからヨナ先に帰ってて?」
Y「1人で大丈夫?」
T「うん、大丈夫。じゃ、明日ね?」
そして私はヨナのタクシーを見送り、慌ててカジノにまで戻ろうとすると…
背後に違和感を覚えた。
一旦、足を止めて耳を澄ませるがなにも聞こえない。
少し安心した私がまた歩き出すとやはり、足音が俺の後ろから付いてきて、不安感に襲われる。
私が早歩きになるとその足音も早くなり、私がゆっくりになると私の後ろの足音も遅くなる。
私…まさか…あとをつけられている?
そう思った瞬間…!!
後ろから肩を掴まれた私はその衝撃で地面に叩きつけられた。
恐怖のなか必死になりもがいてもその男は力が強く敵わない。
あまりの恐怖から私が思いっきりその男の手を噛むと、男は何度も私の頬を殴り血の味がジワッと口の中へと広がり頭がぼんやりとする。
やだ…逃げなきゃ…
誰か助けて…
そう思い私が最後の力を振り絞って抵抗すると、その男はポケットからハンカチのようなモノを取り出し私の口を塞いだ。
呼吸をするのが苦しくてもがくと突然、体に力が入らず視野が定まらない。
もう…無理だ。
そう諦めかけた瞬間…
私の目の前でニヤニヤと笑っていた男が突然、後ろに吹き飛んだ。
ぼんやりとした視界にはその男を何度も殴り飛ばす人の姿が見えた。
T「…た…す……」
絞り出すように声を出してその人の背中に手を伸ばすと、私を襲った男は怯えるような顔をして走って逃げていき、その人は慌てて私の元に駆け寄り俺を抱き上げた。
「しっかりしろ!!」
遠のいて行く記憶の中で聞こえた声は私の知っている声だった。
T「…た…すけ…て…」
辛うじて動かした血の味がする口でそう伝えるとその人の顔が一瞬、はっきりと見えた。
T「ケイ…ト…?」
K「もう大丈夫…大丈夫だから…!!」
なんと、私を助けてくれたのはケイトだった。
ケイトが助けてくれた事にホッとした私はケイトの腕の中でそのまま…意識を手放した。
つづく
扉の向こうにはやたら艶っぽくなったヨナの姿があり、私はケイトの手を振り解いてヨナの元に飛んでいく。
T「もうヨナ心配した!!」
Y「テラ…ごめん。」
T「ジニさんとのこと…聞いた。」
Y「…いやなんて言うか…ついそういう雰囲気になって…」
J「そういうこと!」
私がヨナを問い詰めていると呑気な声をしてヨナの頬を撫でるジニさんが私に笑顔を見せる。
すると、ヨナはジニさんのその手を払いのけた。
Y「調子に乗りすぎですよ。明日も早いんでもう帰ります。」
J「じゃ、送るよ!」
Y「大丈夫ですよ。ジニさん仕事中でしょ。テラと大通りでタクシー捕まえるんで。」
J「そう?分かった…また、明日お店にケーキ買いに行くね?」
Y「好きにしてください。」
その言葉を聞いたジニさんは一瞬にしてデレデレの顔になり、ベッドに腰掛け身なりを整えているヨナにギューっと抱きついた。
J「やっぱまだ帰らないでもう少し一緒にいよ~!」
Y「もう帰ります!明日、プリン食べれなくてもいいんですか?ほら、テラ帰るよ!」
ヨナがそうジニさんに冷たく言い放つとジニさんはプルプルの唇を尖らせて拗ねていた。
K「下まで見送りますね。」
T「う…うん…ありがとう。」
そして私たちはまた手を繋ぎ合わせ歩いていく。
エレベーターをおりカジノを通っていると、沢山の人混みの中…私は鋭い視線を感じふと振り返ると、とある1人の男と目が合った。
疑問に思った私はつい足が止まりその男をじっと見つめると、その男はなぜか少し焦ったような顔をして私から目を逸らし人混みに身を隠した。
K「どうしました?」
T「ん?うん…なんでもない。」
微かな嫌な予感が頭の中に過ったものの、私はケイトにそう言って誤魔化すように笑顔を見せた。
そして、私たちはケイトに連れられて建物を出ると、そこはカジノの華やかな表玄関で私たちが連れ去られたのはこの建物の裏口だったと言うことが今になって分かった。
沢山の人が出入りし賑やかな中、私たちはケイトとジニさんと手を振ってお別れをした。
K「また、すぐお店に行きますね。」
T「うん。」
J「ヨナまた、明日行くからね?なんなら毎日行くからね?」
Y「ちゃんと仕事して。」
何度も振り返りながら手を振って、ケイトとジニさんは私たちの姿が見えなくなるまでずっと、見送ってくれていた。
そして通りにまで出てタクシーを拾い、私は何気なくカバンに手を入れてスマホを取り出そうとして気づいた。
T「え…ない…」
Y「ん?どうしたの?」
ヨナはタクシーに乗り込み顔をのぞかせて私にそう言った。
T「ヨナごめん。私…ケイトのとこでスマホ落としてきたみたい…取ってくるからヨナ先に帰ってて?」
Y「1人で大丈夫?」
T「うん、大丈夫。じゃ、明日ね?」
そして私はヨナのタクシーを見送り、慌ててカジノにまで戻ろうとすると…
背後に違和感を覚えた。
一旦、足を止めて耳を澄ませるがなにも聞こえない。
少し安心した私がまた歩き出すとやはり、足音が俺の後ろから付いてきて、不安感に襲われる。
私が早歩きになるとその足音も早くなり、私がゆっくりになると私の後ろの足音も遅くなる。
私…まさか…あとをつけられている?
そう思った瞬間…!!
後ろから肩を掴まれた私はその衝撃で地面に叩きつけられた。
恐怖のなか必死になりもがいてもその男は力が強く敵わない。
あまりの恐怖から私が思いっきりその男の手を噛むと、男は何度も私の頬を殴り血の味がジワッと口の中へと広がり頭がぼんやりとする。
やだ…逃げなきゃ…
誰か助けて…
そう思い私が最後の力を振り絞って抵抗すると、その男はポケットからハンカチのようなモノを取り出し私の口を塞いだ。
呼吸をするのが苦しくてもがくと突然、体に力が入らず視野が定まらない。
もう…無理だ。
そう諦めかけた瞬間…
私の目の前でニヤニヤと笑っていた男が突然、後ろに吹き飛んだ。
ぼんやりとした視界にはその男を何度も殴り飛ばす人の姿が見えた。
T「…た…す……」
絞り出すように声を出してその人の背中に手を伸ばすと、私を襲った男は怯えるような顔をして走って逃げていき、その人は慌てて私の元に駆け寄り俺を抱き上げた。
「しっかりしろ!!」
遠のいて行く記憶の中で聞こえた声は私の知っている声だった。
T「…た…すけ…て…」
辛うじて動かした血の味がする口でそう伝えるとその人の顔が一瞬、はっきりと見えた。
T「ケイ…ト…?」
K「もう大丈夫…大丈夫だから…!!」
なんと、私を助けてくれたのはケイトだった。
ケイトが助けてくれた事にホッとした私はケイトの腕の中でそのまま…意識を手放した。
つづく
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