Blue〜歪んだ愛と本当の愛〜

樺純

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12話

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ケイトside

エレベーターで部屋に戻る間も、離れるのがもどかしくて俺はテラさんの首筋にキスを落とす。

チャラ男なのかとテラさん聞かれた俺は動きを止め考える。

俺はチャラ男ではない。

しかし、今まで俺は身体の欲を満たすためだけに女を何十人も抱いてきた。

愛がないのにその行為が気持ちよかったかと聞かれれば、それは男の身体の構造上、普通に気持ちよかった。

だけど、テラさんとキスをして俺は思った。

キスだけであんなにも心も身体も満たされたのは初めてだと。

こんなにも愛おしい人に手を出したのは俺にとってみれば、一世一代の覚悟を決めた行為だった。

なのにもしかしたらテラさんからしてみれば、付き合ってもないのにキスした俺は今までのチャラ男と同じで、ただの気まぐれで自分に手を出したと勘違いされているのかと微かな苛立ちと不安を覚えた。

K「告白ってそんな重要ですか?」

T「え…そ…そんなの当たり前じゃん…」

K「なんで?」

T「なんでって…だってそれは…普通は告白をして付き合ってから手を繋いだり抱きしめ合ったりキスをしたりするでしょう?」

K「誰が決めたの?」

T「き…決めたとかじゃなくて世間一般ではそうじゃん…ケイトは私と違ってそういう事には真面目だと思ってた!」

K「私と違って…って事はテラさんは俺以外と付き合ってもないのにキスしたり寝たりした経験…あるんですね?」

私と違って…

その言葉でこの人は俺以外の男とそういう軽い肉体関係を持った経験があるんだと悟ると、頭がおかしくなりそうなほど嫉妬心が芽生えた。

俺の言葉に戸惑うテラさんの目をみればそれが確信へと変わり、行き場のないもどかしい気持ちから唇をギュッと噛んだ。

俺の言葉に答えようとしないテラさんを問い詰めるかのように腰を力強く引き寄せる。

K「ねぇ答えなよ。他の男ともこんな経験あるのかって聞いてんの…拒む事だって出来たのにテラさんはいきなり俺にキスされても平気だったじゃん…」

俺は切羽詰まった顔を見られたくなくてわざと余裕のあるふりをして、ニヤッと笑みを浮かべるとさらにテラさんを問い詰めるように近づき…

そんな俺を止めるかのようにエレベーターが目的の階に到着した事を知らせた。


つづく
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