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第二十四話
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キヒヤサイド
次の日
ラノンと登校したくなかった俺はわざと時間をずらして登校し、俺は教室に入って自分の目を疑った。
K「なんだよ…これ…」
教室の黒板にはアノンへの誹謗中傷の落書きがされ、アノンの机には張り紙と落書きがされていた。
それを見た俺は慌ててアノンにメールを送った。
何年も開いていなかったアノンの連絡先を見て…胸の奥がきしむ。
アノンからすぐに返信がきて俺もそれにすぐ返信をした。
あれをやったのは間違いなくラノンの仕業だろう…
どうかアノンはラノンの仕業だと気づいていませんように…
実の姉妹からそんな事をされたなんて知ったらアノンがどんなに傷つくか…
そう思っているとアノンからはもう放っておいてほしいとメールが来て俺はため息を1つ落とした。
そして、俺は帰り道にラノンを呼び出した。
K「あれやったのお前だよな?」
L「証拠でもあるの?」
K「なんでそんな事するんだよ…アノンは双子の妹だろ?」
L「キヒヤには私の気持ちなんて一生分からないよ!!」
ラノンはそう泣き叫びながら家へと入って行った。
そんな気持ち…分かりたくもねぇよ…
それからアノンは本当に学校を中退し、俺はもう学校でアノンとラノンが関わりなく過ごせる事をいい事に毎日のようにアノンに連絡した。
でも、俺がどんなに今までの溝を埋めようと歩み寄ってもその分、アノンは後ろに下がるようでもどかしいぐらいに距離が縮まらなかった。
もう、あの頃のようには戻れないのかな俺たち…
そんな事を思いながら俺は高校をサボりアノンの働く店へと行った。
真新しい建物はとてもカッコよくてお洒落で、高校生の俺なんかが入れってはいけないような雰囲気を漂わせていた。
すると、中から慌てた様子でアノンが飛び出してきた。
アノンのいない生活はつまんねぇよ…
言葉を交わさなくても毎日顔を見れていた高校時代はなんだかんだで安心できていた。
アノンは焦りながら俺の腕を引っ張って公園へと連れて行く。
アノンに触れられたその場所に全神経が集中し俺の心臓がドキドキとうるさくなる。
A「なんか用でもあった?」
K「心配でアノンがどんなとこで働いて住んでるのか見たかったから…」
俺は今どんな顔してるんだろう?
アノンの目なんて不器用な俺は見ることも出来なかった。
A「心配って……そんなの大丈夫だから安心して。」
アノンに会わないと毎日が不安で息も苦しいのに…
やっぱりアノンは俺と会えなくても平気なんだな…
そう思ったらため息が出た。
A「ラノンとは…仲良くやってるの?」
K「…あぁ…あいつとは変わらずだよ。」
仲良くなんてやってるわけがない…
本当はアノンと一緒にいたいよ…
そう素直に言えないのは…
A「なら良かった。」
きっとアノンは今、ミネトと付き合っていてとても幸せそうな顔をして笑っていたから。
A「もう…そろそろ戻ら…」
K「好きなんだよ…俺…ずっと好きだった…物心ついた時から…」
あの店へ戻って欲しくない。
ミネトの元に行って欲しくない…そう思ったら自然とその言葉がこぼれ落ちていた。
A「うん。知ってるよ。」
え…アノンは…俺の気持ちに気付いていたの?
そう思うと動揺から体が震えた。
K「知ってて俺たち…こうなった?」
A「そうだね…知ってたからこうなったんだよ…」
そっか…そういう事だったんだ…
アノンは初めから俺のことなんて男として見てなかったんだ…
それに気づいた俺は今にもこぼれ落ちそうな涙をグッとこらえた。
K「行くか。」
A「うん…」
そう言ったアノンは小さな段差につまずき転びそうになった。
A「あ……」
ヤバイと思った瞬間…俺は咄嗟にアノンのことを支えていた。
視線をあげるとそこにはアノンの顔があって、数センチほどの距離だった。
激しく暴れる心臓の音がどうかアノンには聞こえていませんように…
俺はそう心の中で祈りながら…
アノンの顔にゆっくりと近づき…
俺の唇に柔らかなアノンの唇が重なった。
やっぱり…アノンが好きだよ…俺…
そう思いながら俺はアノンの口の中を舌で強引にこじ開けアノンの舌に自分の舌を絡めた。
すると、アノンは俺の胸を突き飛ばした。
お互い…立ちすくみ…無言のまま時間だけがただ過ぎていく…
K「ごめん…」
俺は咄嗟に謝り、アノンの顔も見ることが出来ないまま…その場から立ち去った。
そのまま家に帰りベッドへと倒れこむ。
すると、ガチャっと音を立てて俺の部屋の扉が開いた。
慌てて扉の方を見ると…
K「お前なにやってんの…?」
ラノンが立っていた。
L「おばさんに入れてもらった。私も高校サボったの…さっきまで誰とどこにいたの?」
ラノンは無表情のまま俺に問いかけてくる。
K「お前に関係ねぇだろ。」
L「あぁやって今までも私に隠れてアノンと会ってたの?」
その言葉を聞いて俺はサーっと血の気が引く。
K「お前……」
L「アノンとキスして気持ちよかった?ねぇ…なんで…なんでアノンなの!?なんでみんな私じゃなくてアノンなのよ!!」
ラノンは泣き叫びながら俺の胸にしがみつく。
K「ごめん…子供の頃からずっとアノンが好きだったんだ…俺と関わるのが辛いなら…もう俺たち2人で会うのやめよ…?」
その方がラノンの為だと俺は思った。
きっとこの先…他の誰かを好きになったとしてもきっとアノンと同じ顔をしたラノンを好きになることはないから。
L「許さない…」
ラノンは突然ピタッと泣き止み…俺の部屋から出て行った。
俺のことを恨んでそれでラノンが満足するなら…それでいい俺はその時そう思った。
つづく
次の日
ラノンと登校したくなかった俺はわざと時間をずらして登校し、俺は教室に入って自分の目を疑った。
K「なんだよ…これ…」
教室の黒板にはアノンへの誹謗中傷の落書きがされ、アノンの机には張り紙と落書きがされていた。
それを見た俺は慌ててアノンにメールを送った。
何年も開いていなかったアノンの連絡先を見て…胸の奥がきしむ。
アノンからすぐに返信がきて俺もそれにすぐ返信をした。
あれをやったのは間違いなくラノンの仕業だろう…
どうかアノンはラノンの仕業だと気づいていませんように…
実の姉妹からそんな事をされたなんて知ったらアノンがどんなに傷つくか…
そう思っているとアノンからはもう放っておいてほしいとメールが来て俺はため息を1つ落とした。
そして、俺は帰り道にラノンを呼び出した。
K「あれやったのお前だよな?」
L「証拠でもあるの?」
K「なんでそんな事するんだよ…アノンは双子の妹だろ?」
L「キヒヤには私の気持ちなんて一生分からないよ!!」
ラノンはそう泣き叫びながら家へと入って行った。
そんな気持ち…分かりたくもねぇよ…
それからアノンは本当に学校を中退し、俺はもう学校でアノンとラノンが関わりなく過ごせる事をいい事に毎日のようにアノンに連絡した。
でも、俺がどんなに今までの溝を埋めようと歩み寄ってもその分、アノンは後ろに下がるようでもどかしいぐらいに距離が縮まらなかった。
もう、あの頃のようには戻れないのかな俺たち…
そんな事を思いながら俺は高校をサボりアノンの働く店へと行った。
真新しい建物はとてもカッコよくてお洒落で、高校生の俺なんかが入れってはいけないような雰囲気を漂わせていた。
すると、中から慌てた様子でアノンが飛び出してきた。
アノンのいない生活はつまんねぇよ…
言葉を交わさなくても毎日顔を見れていた高校時代はなんだかんだで安心できていた。
アノンは焦りながら俺の腕を引っ張って公園へと連れて行く。
アノンに触れられたその場所に全神経が集中し俺の心臓がドキドキとうるさくなる。
A「なんか用でもあった?」
K「心配でアノンがどんなとこで働いて住んでるのか見たかったから…」
俺は今どんな顔してるんだろう?
アノンの目なんて不器用な俺は見ることも出来なかった。
A「心配って……そんなの大丈夫だから安心して。」
アノンに会わないと毎日が不安で息も苦しいのに…
やっぱりアノンは俺と会えなくても平気なんだな…
そう思ったらため息が出た。
A「ラノンとは…仲良くやってるの?」
K「…あぁ…あいつとは変わらずだよ。」
仲良くなんてやってるわけがない…
本当はアノンと一緒にいたいよ…
そう素直に言えないのは…
A「なら良かった。」
きっとアノンは今、ミネトと付き合っていてとても幸せそうな顔をして笑っていたから。
A「もう…そろそろ戻ら…」
K「好きなんだよ…俺…ずっと好きだった…物心ついた時から…」
あの店へ戻って欲しくない。
ミネトの元に行って欲しくない…そう思ったら自然とその言葉がこぼれ落ちていた。
A「うん。知ってるよ。」
え…アノンは…俺の気持ちに気付いていたの?
そう思うと動揺から体が震えた。
K「知ってて俺たち…こうなった?」
A「そうだね…知ってたからこうなったんだよ…」
そっか…そういう事だったんだ…
アノンは初めから俺のことなんて男として見てなかったんだ…
それに気づいた俺は今にもこぼれ落ちそうな涙をグッとこらえた。
K「行くか。」
A「うん…」
そう言ったアノンは小さな段差につまずき転びそうになった。
A「あ……」
ヤバイと思った瞬間…俺は咄嗟にアノンのことを支えていた。
視線をあげるとそこにはアノンの顔があって、数センチほどの距離だった。
激しく暴れる心臓の音がどうかアノンには聞こえていませんように…
俺はそう心の中で祈りながら…
アノンの顔にゆっくりと近づき…
俺の唇に柔らかなアノンの唇が重なった。
やっぱり…アノンが好きだよ…俺…
そう思いながら俺はアノンの口の中を舌で強引にこじ開けアノンの舌に自分の舌を絡めた。
すると、アノンは俺の胸を突き飛ばした。
お互い…立ちすくみ…無言のまま時間だけがただ過ぎていく…
K「ごめん…」
俺は咄嗟に謝り、アノンの顔も見ることが出来ないまま…その場から立ち去った。
そのまま家に帰りベッドへと倒れこむ。
すると、ガチャっと音を立てて俺の部屋の扉が開いた。
慌てて扉の方を見ると…
K「お前なにやってんの…?」
ラノンが立っていた。
L「おばさんに入れてもらった。私も高校サボったの…さっきまで誰とどこにいたの?」
ラノンは無表情のまま俺に問いかけてくる。
K「お前に関係ねぇだろ。」
L「あぁやって今までも私に隠れてアノンと会ってたの?」
その言葉を聞いて俺はサーっと血の気が引く。
K「お前……」
L「アノンとキスして気持ちよかった?ねぇ…なんで…なんでアノンなの!?なんでみんな私じゃなくてアノンなのよ!!」
ラノンは泣き叫びながら俺の胸にしがみつく。
K「ごめん…子供の頃からずっとアノンが好きだったんだ…俺と関わるのが辛いなら…もう俺たち2人で会うのやめよ…?」
その方がラノンの為だと俺は思った。
きっとこの先…他の誰かを好きになったとしてもきっとアノンと同じ顔をしたラノンを好きになることはないから。
L「許さない…」
ラノンは突然ピタッと泣き止み…俺の部屋から出て行った。
俺のことを恨んでそれでラノンが満足するなら…それでいい俺はその時そう思った。
つづく
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