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第二十話
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どんなに暴れてもユサはおろしてはくれず、ユサの車の所まで戻ってきた。
その頃には雨も上がっていたが私たちはずぶ濡れのままだった。
A「キヒヤの所に行ってくる。」
Y「行って何になるんだ?」
A「ちゃんと話し聞かなきゃ……」
Y「散々お前を避けて傷つけてきたあいつに好きって1度言われて…それで今までのこと全部許せるのか?」
A「ユサ…それは…」
Y「じゃなんでアイツのとこに行くんだよ…」
A「分からない…でも…キヒヤのあの顔みたらキヒヤもきっと苦しんでる…」
Y「俺だって苦しい……」
初めてみたユサの弱々しい顔を見て私は戸惑う。
しかし、平常心でない私はついユサに問いかけてしまった。
A「じゃ、聞くけど…それは私の事で苦しいの?ねぇ…ユサの部屋に飾ってあるあの写真の女の人は誰…?ルルって…誰よ…」
私がルルさんの名前を出した途端にユサの顔色が変わり、ユサにそんな顔をさせてしまう会ったこともないルルさんに私は嫉妬する。
Y「シアに聞いたのか?ルルのこと…お前は今まで俺たちが築いてきたことよりも今日初めて会ったシアの言葉を信じるのか?」
A「シアさんには何も聞いてないよ…でも写真は見たから…ユサの部屋にあった写真には私にそっくなルルさんが写ってた。ユサにとって私は…ルルさんの代わりなの…?ルルさんの代わりに私を抱いたの!?」
Y「そんなわけ…………」
ユサがそう言いかけた時、サラナとミネトが私たちに気づき走ってきた。
SR「アノン!!どこ行ってたの!!探したんだよ!?びしょ濡れじゃん!!」
サラナは心配そうに私を見つめた。
Y「サラナちゃん…申し訳ないんだけどアノンをあそこの店に連れて行って適当に着替え買ってやって…俺たちはここで待ってるから」
ユサはそう言ってサラナに財布を渡すとサラナは何かを察したのか静かに頷き、私の手を引いて遊園地の近くにあるアパレルショップへと連れて行った。
つづく
その頃には雨も上がっていたが私たちはずぶ濡れのままだった。
A「キヒヤの所に行ってくる。」
Y「行って何になるんだ?」
A「ちゃんと話し聞かなきゃ……」
Y「散々お前を避けて傷つけてきたあいつに好きって1度言われて…それで今までのこと全部許せるのか?」
A「ユサ…それは…」
Y「じゃなんでアイツのとこに行くんだよ…」
A「分からない…でも…キヒヤのあの顔みたらキヒヤもきっと苦しんでる…」
Y「俺だって苦しい……」
初めてみたユサの弱々しい顔を見て私は戸惑う。
しかし、平常心でない私はついユサに問いかけてしまった。
A「じゃ、聞くけど…それは私の事で苦しいの?ねぇ…ユサの部屋に飾ってあるあの写真の女の人は誰…?ルルって…誰よ…」
私がルルさんの名前を出した途端にユサの顔色が変わり、ユサにそんな顔をさせてしまう会ったこともないルルさんに私は嫉妬する。
Y「シアに聞いたのか?ルルのこと…お前は今まで俺たちが築いてきたことよりも今日初めて会ったシアの言葉を信じるのか?」
A「シアさんには何も聞いてないよ…でも写真は見たから…ユサの部屋にあった写真には私にそっくなルルさんが写ってた。ユサにとって私は…ルルさんの代わりなの…?ルルさんの代わりに私を抱いたの!?」
Y「そんなわけ…………」
ユサがそう言いかけた時、サラナとミネトが私たちに気づき走ってきた。
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サラナは心配そうに私を見つめた。
Y「サラナちゃん…申し訳ないんだけどアノンをあそこの店に連れて行って適当に着替え買ってやって…俺たちはここで待ってるから」
ユサはそう言ってサラナに財布を渡すとサラナは何かを察したのか静かに頷き、私の手を引いて遊園地の近くにあるアパレルショップへと連れて行った。
つづく
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