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25話
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タカラside
着替え終えた俺が店に戻るとまだ、閉店時間でもないのに店にはもうすでにcloseの看板が出されていて、俺は申し訳ない気持ちのまま店の中に戻る。
すると、そこにいたみんなが心配そうに俺のことを見つめる。
T「変なの見せてごめーん…俺は大丈夫だから。」
ぎこちない笑顔を見せながら戯けてそういうとヒノハちゃんが俺を手招きし、自分の横に俺を座らせるとみんなが俺を取り囲むように座った。
H「今、ミズキからキイチとタカラとのこと聞いた。私とリヒトはなにも知らなくて…ごめんね。」
優しいヒノハちゃんが俺の頭を撫でながらそういうと俺の涙腺が刺激されて、こんな自分が嫌になって泣いてしまいそうになるのをグッと堪えると微かに震えている俺の手をミズキがギュッと握った。
すると、リヒトくんが呆れたように言った。
L「好きや嫌いやでオレンジジュースを人にかけるって…高校生のすることかよ…。」
T「リヒトくんだってまだ高校生じゃん。」
N「リヒトの言ってるのはそういう事じゃなくて、オレンジジュースかけられるほど双子の兄に嫌われて恨まれるってことだろ?気をつけろよってこと。」
ノイルくんは少し飽きれた顔をしながらミズキの淹れたコーヒーを飲み、ミズキは何故か意を決したような顔をして口を開く。
M「あ…あのさ…実はさ…言いたくなかったんだけど…」
T「…?なに?」
M「イオリってさ…たぶん…俺のこと好きだったんだと思うんだよね…」
俺たちはミズキの突然の告白に驚き思わず固まるが、ヒノハちゃんはそれを知っていた様子で驚くこともなくじっと話を聞いていた。
T「どういうこと!!?イオリにはキイチがいるじゃん。」
M「いや、キイチとイオリが付き合う前の話だよ?俺さ、高校に入ってすぐイオリに何回か好きって告白されて付き合って欲しいってしつこく言われたけど、俺にはずっと前から好きな人がいて、今はその人と付き合ってるって最後に告白された時に言ったんだ。」
T「はぁ!?そんな話し初耳なんだけど!?」
M「だって今、初めて言ったもん。タカラとイオリは仲悪いし、なんか分かんないけどタカラに知られたくなかったから…ごめん。」
ミズキはそういうと俺に申し訳なさそうな顔をして眉をハの字にさげていた。
T「全然知らなかった。イオリがミズキのこと好きだったなんて。」
M「で…たぶん…これはあくまでも俺の憶測だけど…イオリは俺の好きな人ってのをヒノハじゃなくタカラだと勘違いしてるんじゃないのかな?あの感じだと…」
ミズキにそう言われて俺は学校でのことを思い出した。
つづく
着替え終えた俺が店に戻るとまだ、閉店時間でもないのに店にはもうすでにcloseの看板が出されていて、俺は申し訳ない気持ちのまま店の中に戻る。
すると、そこにいたみんなが心配そうに俺のことを見つめる。
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H「今、ミズキからキイチとタカラとのこと聞いた。私とリヒトはなにも知らなくて…ごめんね。」
優しいヒノハちゃんが俺の頭を撫でながらそういうと俺の涙腺が刺激されて、こんな自分が嫌になって泣いてしまいそうになるのをグッと堪えると微かに震えている俺の手をミズキがギュッと握った。
すると、リヒトくんが呆れたように言った。
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T「…?なに?」
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俺たちはミズキの突然の告白に驚き思わず固まるが、ヒノハちゃんはそれを知っていた様子で驚くこともなくじっと話を聞いていた。
T「どういうこと!!?イオリにはキイチがいるじゃん。」
M「いや、キイチとイオリが付き合う前の話だよ?俺さ、高校に入ってすぐイオリに何回か好きって告白されて付き合って欲しいってしつこく言われたけど、俺にはずっと前から好きな人がいて、今はその人と付き合ってるって最後に告白された時に言ったんだ。」
T「はぁ!?そんな話し初耳なんだけど!?」
M「だって今、初めて言ったもん。タカラとイオリは仲悪いし、なんか分かんないけどタカラに知られたくなかったから…ごめん。」
ミズキはそういうと俺に申し訳なさそうな顔をして眉をハの字にさげていた。
T「全然知らなかった。イオリがミズキのこと好きだったなんて。」
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ミズキにそう言われて俺は学校でのことを思い出した。
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