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24話
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タカラside
「ここは客がきてもいらっしゃいませも言ってくれなのかな?」
そこに立っていたのがイオリだった。
T「なに?なんの用だよ?」
「お客さんとして来たのにその態度は酷くないか?」
すると、ミズキが俺とイオリの間に立ってイオリをヒノハちゃんやリヒトくんの座る席から離れた窓辺の席へ案内した。
M「イオリ、学校以外で会うの久しぶりだね?ここどうぞ。注文はどうする?」
「オレンジジュースで。」
ミズキがイオリの注文を聞いてくれている間、俺は椅子に座っているイオリを無視してカウンターに入った。
M「俺が接客するから気にするな。」
ミズキは俺の耳元でそう言ってオレンジジュースをイオリに持って行った。
M「どうぞごゆっくり。」
「ミズキは優しいね?」
M「え?あぁ~ありがとう~そんな褒められると照れるな~w」
「あんな奴と一緒にいて何がそんなに楽しい?そんなに好き?」
イオリは俺を睨みながらそう言い、わざわざここに来てまで俺に絡んでこようとするイオリにイラッとした俺は我慢の限界で言い返した。
T「なに?なんか俺に言いたいことでもあんの?」
俺はカウンターから出てイオリの元へと行ったが、それをミズキが間に入って止めようとする。
しかし、イオリは笑いながら大声で言った。
「こいつ…俺の恋人とキスしたんだよ?俺の恋人のキイチと!!そんな淫らな奴でもミズキはいいのか?」
え…なんでイオリはそのこと…
知ってんだよ…
M「いいのかって俺に聞かれても…」
T「ミズキは関係ないだろ。お前、ミズキと仲良くもないのにミズキに馴れ馴れしく話しかけるなよ。」
「はぁ!?人の物に手出しといてなんだよその態度!!ふざけんな!!」
そう言ってイオリは勢いよく立ち上がり右手を思いっきり振り上げた。
あ…俺こんなくだらない奴に殴られるんだ…
そう覚悟して咄嗟に目をつぶりグッと奥歯を噛み締めたが…
なんの衝撃もなく…俺がゆっくりと目を開けるとミズキが物凄い形相でイオリの右手首を掴んでいた。
M「あのさ?言っとくけど、キスしたのはキイチの方だよ。タカラからしたんじゃない。そこ、勘違いしないでね?それだけで意味がだいぶ違ってくるから。」
俺がキイチに何をされたか全てを知っているミズキはそう言って俺を庇うと、真顔から急にニコッと微笑みイオリの手をゆっくりと下ろした。
T「いつからキイチはお前の所有物になったのか知らないけど、そんなに取られたくないなら逃げないように首輪でもつけてろよ。」
俺が敵視してわざと皮肉を言うと、イオリは怒り狂ったような顔をしてオレンジジュースの入ったグラスを持ち、俺に向かってオレンジジュースをぶちまけた。
M「あ……」
「その冷静な顔が子供の時から大っ嫌いだったんだよ。」
T「んなのお互い様だろ。」
すると、イオリは下唇を噛みながらカバンを持って走って店を出て行った。
M「タカラ…大丈夫か…?」
T「ごめん。」
俺がそう謝るとノイルくんが呆れた顔をしてタオルを持って出てきた。
N「上の俺の部屋に行ってシャワー浴びておいで。さすがにそのままじゃいられないだろ。着替えも使っていいから。」
俺はノイルくんに言われるがまま二階の部屋でシャワーを借りて、やりきれない思いのままオレンジジュースを洗い流した。
つづく
「ここは客がきてもいらっしゃいませも言ってくれなのかな?」
そこに立っていたのがイオリだった。
T「なに?なんの用だよ?」
「お客さんとして来たのにその態度は酷くないか?」
すると、ミズキが俺とイオリの間に立ってイオリをヒノハちゃんやリヒトくんの座る席から離れた窓辺の席へ案内した。
M「イオリ、学校以外で会うの久しぶりだね?ここどうぞ。注文はどうする?」
「オレンジジュースで。」
ミズキがイオリの注文を聞いてくれている間、俺は椅子に座っているイオリを無視してカウンターに入った。
M「俺が接客するから気にするな。」
ミズキは俺の耳元でそう言ってオレンジジュースをイオリに持って行った。
M「どうぞごゆっくり。」
「ミズキは優しいね?」
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「あんな奴と一緒にいて何がそんなに楽しい?そんなに好き?」
イオリは俺を睨みながらそう言い、わざわざここに来てまで俺に絡んでこようとするイオリにイラッとした俺は我慢の限界で言い返した。
T「なに?なんか俺に言いたいことでもあんの?」
俺はカウンターから出てイオリの元へと行ったが、それをミズキが間に入って止めようとする。
しかし、イオリは笑いながら大声で言った。
「こいつ…俺の恋人とキスしたんだよ?俺の恋人のキイチと!!そんな淫らな奴でもミズキはいいのか?」
え…なんでイオリはそのこと…
知ってんだよ…
M「いいのかって俺に聞かれても…」
T「ミズキは関係ないだろ。お前、ミズキと仲良くもないのにミズキに馴れ馴れしく話しかけるなよ。」
「はぁ!?人の物に手出しといてなんだよその態度!!ふざけんな!!」
そう言ってイオリは勢いよく立ち上がり右手を思いっきり振り上げた。
あ…俺こんなくだらない奴に殴られるんだ…
そう覚悟して咄嗟に目をつぶりグッと奥歯を噛み締めたが…
なんの衝撃もなく…俺がゆっくりと目を開けるとミズキが物凄い形相でイオリの右手首を掴んでいた。
M「あのさ?言っとくけど、キスしたのはキイチの方だよ。タカラからしたんじゃない。そこ、勘違いしないでね?それだけで意味がだいぶ違ってくるから。」
俺がキイチに何をされたか全てを知っているミズキはそう言って俺を庇うと、真顔から急にニコッと微笑みイオリの手をゆっくりと下ろした。
T「いつからキイチはお前の所有物になったのか知らないけど、そんなに取られたくないなら逃げないように首輪でもつけてろよ。」
俺が敵視してわざと皮肉を言うと、イオリは怒り狂ったような顔をしてオレンジジュースの入ったグラスを持ち、俺に向かってオレンジジュースをぶちまけた。
M「あ……」
「その冷静な顔が子供の時から大っ嫌いだったんだよ。」
T「んなのお互い様だろ。」
すると、イオリは下唇を噛みながらカバンを持って走って店を出て行った。
M「タカラ…大丈夫か…?」
T「ごめん。」
俺がそう謝るとノイルくんが呆れた顔をしてタオルを持って出てきた。
N「上の俺の部屋に行ってシャワー浴びておいで。さすがにそのままじゃいられないだろ。着替えも使っていいから。」
俺はノイルくんに言われるがまま二階の部屋でシャワーを借りて、やりきれない思いのままオレンジジュースを洗い流した。
つづく
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