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20話
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タカラside
パンケーキを作っているノイルくんを待っている間にスマホを見ると、いつ振りだろう?キイチからのメッセージが入っていた。
【メール:キイチ】
ミズキくんから聞いたたけど大丈夫?
ミズキの奴…
キイチに言うなんて余計なことをしやがって…
そう思いながら俺はスマホと睨めっこする。
普通に考えて大丈夫なわけない。
あんな酷い事を書かれて傷つかないやつがどこにいるのだろう。
しかも、散々俺のこと避けておいて今さら大丈夫とか…心配してるような素振り見せてくるキイチに腹がたった。
【メール:タカラ】
大丈夫じゃない。
いじめられてるみたい。
もう、学校行かない。
辞める。
授業中のはずなのにキイチからのメッセージはすぐに返ってきた。
なんなんだよほんと…もう…俺に構わないでくれよ…
キイチはイオリが大切で俺のこと嫌いだから避けてるんだろ?
そんな気持ちが溢れ出しそうになりスマホを持つ手が微かに震える。
【メール:キイチ】
誰にいじめられてるんだよ?
はぁ…おそらくあなたの恋人ですよ。
イオリは俺が自分のした質問にちゃんと返事をしなかったのが気に入らなかったんだろう。
昔から俺が自分の思い通りに俺にならないと親の目を盗んで俺をよくいじめていた。
でも、俺はそんなことキイチに言えなかった。
俺にとってキイチは憎き相手かもしれないけど、キイチにしたらイオリは好きな相手で…俺は大好きなキイチがそんな事を聞いてショックを受ける姿を見たくなかったから。
【メール:タカラ】
もういいから…放っといてくれ。
俺はそうメッセージを送ってスマホをカバンの中に入れた。
すると、しばらくしてパンケーキを持ったノイルくんが俺のところへときた。
T「これこれ~!!美味しそう!」
俺がフォークとナイフを持ってパンケーキを切ろうとすると、ノイルくんがお皿をパッと自分の方へと引いて俺の手元からパンケーキを離した。
N「はぁ……」
ノイルくんは大きなため息を落とし俺をじっと見つめる。
T「なんだよ……」
N「泣くか食うかどっちかにしろ。」
俺はそうノイルくんに言われて初めて気づいた…
自分が泣いている事に…
ノイルくんは俺の隣へと移動し、俺の頭を撫でながらグイッと俺の頭を自分の胸へと抱き寄せた。
N「もし、学校辞めるならウチで働くか?俺がアニキに言ってやってもいいぞ?」
何もまだ話してないノイルくんからの問いかけに俺は思わず顔をあげる。
すると、ノイルくんは俺の頬に流れる涙をナフキンで拭きながら話した。
N「さっき、お前が来る前にミズキから連絡あったよ。全部聞いた。嫌なら…学校なんか辞めてもいいんじゃない?お前が本当に嫌なら学校辞めてウチで働けば?」
T「ノイルくん…」
N「嫌な思いして心に傷をつけて無理してまで学校に行くことはないからな…辛いなら逃げてもいいんだぞ。」
ノイルくんはいつも自分の意見を強要したりしない…
いつも俺が選びやすいように言葉に余裕を持たせて話してくれる。
T「ありがとう…」
N「うん。」
T「もう一回ぎゅってして。」
俺がそう言うとノイルくんは呆れたように笑いながら、ユウリには内緒だよ?あぁ見えてヤキモチ妬きだからさ?と言ってぎゅっーっと抱きしめてくれた。
そのノイルくんの温もりは本当に優しくて…不思議と俺の傷ついた心を癒してくれた。
つづく
パンケーキを作っているノイルくんを待っている間にスマホを見ると、いつ振りだろう?キイチからのメッセージが入っていた。
【メール:キイチ】
ミズキくんから聞いたたけど大丈夫?
ミズキの奴…
キイチに言うなんて余計なことをしやがって…
そう思いながら俺はスマホと睨めっこする。
普通に考えて大丈夫なわけない。
あんな酷い事を書かれて傷つかないやつがどこにいるのだろう。
しかも、散々俺のこと避けておいて今さら大丈夫とか…心配してるような素振り見せてくるキイチに腹がたった。
【メール:タカラ】
大丈夫じゃない。
いじめられてるみたい。
もう、学校行かない。
辞める。
授業中のはずなのにキイチからのメッセージはすぐに返ってきた。
なんなんだよほんと…もう…俺に構わないでくれよ…
キイチはイオリが大切で俺のこと嫌いだから避けてるんだろ?
そんな気持ちが溢れ出しそうになりスマホを持つ手が微かに震える。
【メール:キイチ】
誰にいじめられてるんだよ?
はぁ…おそらくあなたの恋人ですよ。
イオリは俺が自分のした質問にちゃんと返事をしなかったのが気に入らなかったんだろう。
昔から俺が自分の思い通りに俺にならないと親の目を盗んで俺をよくいじめていた。
でも、俺はそんなことキイチに言えなかった。
俺にとってキイチは憎き相手かもしれないけど、キイチにしたらイオリは好きな相手で…俺は大好きなキイチがそんな事を聞いてショックを受ける姿を見たくなかったから。
【メール:タカラ】
もういいから…放っといてくれ。
俺はそうメッセージを送ってスマホをカバンの中に入れた。
すると、しばらくしてパンケーキを持ったノイルくんが俺のところへときた。
T「これこれ~!!美味しそう!」
俺がフォークとナイフを持ってパンケーキを切ろうとすると、ノイルくんがお皿をパッと自分の方へと引いて俺の手元からパンケーキを離した。
N「はぁ……」
ノイルくんは大きなため息を落とし俺をじっと見つめる。
T「なんだよ……」
N「泣くか食うかどっちかにしろ。」
俺はそうノイルくんに言われて初めて気づいた…
自分が泣いている事に…
ノイルくんは俺の隣へと移動し、俺の頭を撫でながらグイッと俺の頭を自分の胸へと抱き寄せた。
N「もし、学校辞めるならウチで働くか?俺がアニキに言ってやってもいいぞ?」
何もまだ話してないノイルくんからの問いかけに俺は思わず顔をあげる。
すると、ノイルくんは俺の頬に流れる涙をナフキンで拭きながら話した。
N「さっき、お前が来る前にミズキから連絡あったよ。全部聞いた。嫌なら…学校なんか辞めてもいいんじゃない?お前が本当に嫌なら学校辞めてウチで働けば?」
T「ノイルくん…」
N「嫌な思いして心に傷をつけて無理してまで学校に行くことはないからな…辛いなら逃げてもいいんだぞ。」
ノイルくんはいつも自分の意見を強要したりしない…
いつも俺が選びやすいように言葉に余裕を持たせて話してくれる。
T「ありがとう…」
N「うん。」
T「もう一回ぎゅってして。」
俺がそう言うとノイルくんは呆れたように笑いながら、ユウリには内緒だよ?あぁ見えてヤキモチ妬きだからさ?と言ってぎゅっーっと抱きしめてくれた。
そのノイルくんの温もりは本当に優しくて…不思議と俺の傷ついた心を癒してくれた。
つづく
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