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9話
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キイチside
ノイルくんの声が聞こえて振り返ると、そこにはさっき俺が追いかけていた男性の後ろ姿が見えて俺の視線は思わず釘付けとなる。
K「え…あの人…」
俺の声に気づいたタカラくんが振り返り、その人を見つめるとタカラくんは今まで見たことのないような、なんとも言えない顔をしていてフォークを落とした。
T「…アイツがなんでここに…」
K「…アイツ…?」
日頃、「アイツ」なんてそんな言葉を使わないタカラくんの口からそんな言葉を聞かされた俺が驚いていると、タカラくんが勢いよく立ち上がりビックリした俺がタカラくんの顔を見ると、タカラくんの唇が微かに震えていた。
ノイルくんに連れられ俺たちの元にきたその人の顔にはどこか見覚えがあり…
やはり、その姿が毎晩のように夢に出てくるあの男の子にそっくりで、本当に夢の中の人なのかもしれないと俺の胸は期待から高鳴る。
N「タカラも久しぶりだろ?イオリがきてくれたよ?」
ノイルくんはそう言ってタカラくんにその人を紹介する。
T「…お…お前なんでここにいんの?」
I「ノイルくんが俺のこと呼んでくれたんだ…久しぶりだね。タカラ…」
親しげに話すタカラくんとイオリと名乗るその男性。
そのイオリという名を聞いた俺の手は何故だか微かに震えていた。
普段、お前なんて言わないタカラくんが、そう親しげにその人に言っているその姿を見て俺は心が騒つき疼く。
2人はそんな風に呼び合えるほどの深い関係なのに俺は全くその人の存在を知らなかったから。
俺の心が平常心でいられないのはタカラくんがイオリと名乗るその人と親しい知り合いだからなのか?
この騒つく湧き上がる感情は一体なんなのだろうか?
何故かそのイオリと名乗る男性と出会ってしまった俺の頭の中は混乱し、夢の真実に近づくどころかパニック状態になり、何が何だか分からなくなってしまった。
N「偶然、イオリと街で再会したんだよ。だから、俺がパーティーに誘ったんだ。みんなも会いたいだろうと思って。」
ノイルくんが言ったみんなも…その言葉を聞いた俺が不思議に思いみんなの顔を見ると、みんなはバツの悪そうな顔をして視線を逸らしてしていた。
幼なじみのはずなのに何故か俺だけがこの人を知らないのだろう?
そう思いながら俺は問いかけた。
K「みんなもこの方と知り合いなの?」
I「キイチ…」
その人にそう呼ばれた俺の体は一瞬で硬直し、心臓がバクバクと苦しいほどに動き出す。
なんなんだ…これ…
初めて感じるその感覚に微かに怯えていると、タカラくんがミズキくんと目配せをし、ミズキくんが軽く頷くと少し荒っぽく俺の服をガシッと掴み引っ張る。
K「ミズキくん…俺…」
M「黙ってついて来い。」
その顔はいつもミズキくんが切羽詰まった時にする顔で、俺は言われるがまま強引に引っ張られるようにしてテラスの方へと連れて行かれた。
K「ミズキくん、俺……」
M「黙れ!!」
ミズキくんは突然、余裕のない顔でそう俺を怒鳴りつけると、ミズキくんのその行動が理解できない俺がミズキくんの手を振り払おうとした。
K「離せよ…」
M「ダメだ。」
K「はぁ…いきなり引っ張ってきて意味わかんないだけど…俺もどらなきゃ…」
俺がミズキくんを避けるようにして店内に戻ろうとすると、ミズキくんが俺の前を遮る。
M「まだ戻るな。」
K「ミズキくん…誰なのあの人…みんな知り合いなんだよね?」
M「知る必要ねぇから。」
K「なんだよそれ…俺あの人に聞きたいことあるから戻る。」
俺の前を遮るミズキくんを押して強引に店内に戻ろうとするがミズキくんがそれを許さない。
M「何話すつもりだよ…」
K「…ミズキくんにも何度か話したことあるじゃん…夢の中に毎晩出てくる人の話し…顔は見えないんだけど…あれもしかしたらあのイオリって人かもしれない…めちゃくちゃ似てるんだ。だから、そこどいて。」
俺がそう言うとミズキくんの顔色が変わり俺は胸ぐらを掴まれ戸惑う。
M「それ…絶対にタカラに言うなよ…夢に出てくるのがアイツかもしれないなんてタカラに言ったら俺がお前を許さない…分かったな…」
ミズキくんはそう言うと俺の胸ぐらから勢いよく手を離し、俺は戸惑いながらもミズキくんを置いて店内に戻った。
慌ててみんなの所に戻るとそこにはもう、あのイオリと名乗る人の姿はなくて俺は周りを見渡して探す。
K「ノイルくんあの人は?」
N「あの人って…イオリのこと?」
K「うん。」
N「もう帰ったよ。」
俺はそう聞いて店内を飛び出し、店の周りを小走りであの人を探した。
つづく
ノイルくんの声が聞こえて振り返ると、そこにはさっき俺が追いかけていた男性の後ろ姿が見えて俺の視線は思わず釘付けとなる。
K「え…あの人…」
俺の声に気づいたタカラくんが振り返り、その人を見つめるとタカラくんは今まで見たことのないような、なんとも言えない顔をしていてフォークを落とした。
T「…アイツがなんでここに…」
K「…アイツ…?」
日頃、「アイツ」なんてそんな言葉を使わないタカラくんの口からそんな言葉を聞かされた俺が驚いていると、タカラくんが勢いよく立ち上がりビックリした俺がタカラくんの顔を見ると、タカラくんの唇が微かに震えていた。
ノイルくんに連れられ俺たちの元にきたその人の顔にはどこか見覚えがあり…
やはり、その姿が毎晩のように夢に出てくるあの男の子にそっくりで、本当に夢の中の人なのかもしれないと俺の胸は期待から高鳴る。
N「タカラも久しぶりだろ?イオリがきてくれたよ?」
ノイルくんはそう言ってタカラくんにその人を紹介する。
T「…お…お前なんでここにいんの?」
I「ノイルくんが俺のこと呼んでくれたんだ…久しぶりだね。タカラ…」
親しげに話すタカラくんとイオリと名乗るその男性。
そのイオリという名を聞いた俺の手は何故だか微かに震えていた。
普段、お前なんて言わないタカラくんが、そう親しげにその人に言っているその姿を見て俺は心が騒つき疼く。
2人はそんな風に呼び合えるほどの深い関係なのに俺は全くその人の存在を知らなかったから。
俺の心が平常心でいられないのはタカラくんがイオリと名乗るその人と親しい知り合いだからなのか?
この騒つく湧き上がる感情は一体なんなのだろうか?
何故かそのイオリと名乗る男性と出会ってしまった俺の頭の中は混乱し、夢の真実に近づくどころかパニック状態になり、何が何だか分からなくなってしまった。
N「偶然、イオリと街で再会したんだよ。だから、俺がパーティーに誘ったんだ。みんなも会いたいだろうと思って。」
ノイルくんが言ったみんなも…その言葉を聞いた俺が不思議に思いみんなの顔を見ると、みんなはバツの悪そうな顔をして視線を逸らしてしていた。
幼なじみのはずなのに何故か俺だけがこの人を知らないのだろう?
そう思いながら俺は問いかけた。
K「みんなもこの方と知り合いなの?」
I「キイチ…」
その人にそう呼ばれた俺の体は一瞬で硬直し、心臓がバクバクと苦しいほどに動き出す。
なんなんだ…これ…
初めて感じるその感覚に微かに怯えていると、タカラくんがミズキくんと目配せをし、ミズキくんが軽く頷くと少し荒っぽく俺の服をガシッと掴み引っ張る。
K「ミズキくん…俺…」
M「黙ってついて来い。」
その顔はいつもミズキくんが切羽詰まった時にする顔で、俺は言われるがまま強引に引っ張られるようにしてテラスの方へと連れて行かれた。
K「ミズキくん、俺……」
M「黙れ!!」
ミズキくんは突然、余裕のない顔でそう俺を怒鳴りつけると、ミズキくんのその行動が理解できない俺がミズキくんの手を振り払おうとした。
K「離せよ…」
M「ダメだ。」
K「はぁ…いきなり引っ張ってきて意味わかんないだけど…俺もどらなきゃ…」
俺がミズキくんを避けるようにして店内に戻ろうとすると、ミズキくんが俺の前を遮る。
M「まだ戻るな。」
K「ミズキくん…誰なのあの人…みんな知り合いなんだよね?」
M「知る必要ねぇから。」
K「なんだよそれ…俺あの人に聞きたいことあるから戻る。」
俺の前を遮るミズキくんを押して強引に店内に戻ろうとするがミズキくんがそれを許さない。
M「何話すつもりだよ…」
K「…ミズキくんにも何度か話したことあるじゃん…夢の中に毎晩出てくる人の話し…顔は見えないんだけど…あれもしかしたらあのイオリって人かもしれない…めちゃくちゃ似てるんだ。だから、そこどいて。」
俺がそう言うとミズキくんの顔色が変わり俺は胸ぐらを掴まれ戸惑う。
M「それ…絶対にタカラに言うなよ…夢に出てくるのがアイツかもしれないなんてタカラに言ったら俺がお前を許さない…分かったな…」
ミズキくんはそう言うと俺の胸ぐらから勢いよく手を離し、俺は戸惑いながらもミズキくんを置いて店内に戻った。
慌ててみんなの所に戻るとそこにはもう、あのイオリと名乗る人の姿はなくて俺は周りを見渡して探す。
K「ノイルくんあの人は?」
N「あの人って…イオリのこと?」
K「うん。」
N「もう帰ったよ。」
俺はそう聞いて店内を飛び出し、店の周りを小走りであの人を探した。
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