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第二章

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ジラさんとヨイさん、ミニさんとヒナタさん。


そして俺とテヤサで並んである可愛らしい3棟のログハウスに入る。


J「一応、ネネちゃんに冷蔵庫を借りて材料入れてるから明日、天気が回復してたらまたバーベキューしよ!」


ジラさんが重い空気を変えるように、1番遠いログハウスの入り口からそう俺たちのログハウスにまで声が届くように叫ぶ。


H「賛成!!しよ!!ねぇ、テヤサ!!」


真ん中のログハウスの入り口に立ってるヒナタさんはミニさんに抱きつきながらテヤサにそう言った。


俺におんぶされたままのテヤサには少し笑顔が戻りみんなの言葉に頷く。


Y「テヤサがやりたいなら決定だな。」


テヤサに甘いヨイさんがそう言うと、心配性でお母さんのようなミニさんがヒナタさんに抱きつかれたまま、俺たちのログハウスの方を向いてテヤサに言った。


M「テヤサ、ちゃんとお風呂入って身体温めて風邪ひかないようにするんだよ?分かった?キオ!ちゃんとテヤサのこと面倒みないと私がそっち行くからね!!」

K「はいはい。」

H「えぇぇぇ!もう!!ミニは俺とテヤサどっちが大事なんだよ!!」

M「え…それはテヤサ決まってんじゃん?なーんてね?どっちも大事!じゃ、また明日ね~」


ミニさんとヒナタさんはなんだかんだイチャイチャとしながらログハウスに入って行く。


J「じゃ、なんかあったら連絡しろよ?」

Y「なにもなくても連絡しろ。」

K「はいはい。」

J「ヨイちゃんそんなこと俺にも言ってよぉ~ん」

Y 「うるさい。」


そう言いながらもヨイさんは後ろからジラさんに抱きしめられたままログハウスへと入っていく。


そして、俺もテヤサをおぶったままログハウスに入り、ビーチサンダルを脱がせてそっとソファに座らせた。


K「お風呂…準備してくるね。」

T「うん…」


俺はバスルームに向かうとそこには大き目の浴槽があり、水道をひねるとお湯が出てきたので備え付けとしてあった入浴剤を入れた。


テヤサの元に戻るとテヤサは俺の目を見ては少し気まずそうにまた視線をそらす。


俺はテヤサの横に座り肩を抱き寄せた。


K「びっくりしたな…まさか愛人になってなんて言われてるとは想像もしなかったから…」


強がりだった…


本当は触れたくない俺の地雷。


でもあえて触れたのは今、触れておかないと2人にとってこの話がタブーになってしまうそんな気がしたから。


T「俺もびっくりした…」


そう言ったテヤサは体勢を変えて俺の腰にギュッと手を回す。


K「もし、会社に暴露してもそれでもいいってセイタさんが言ったら俺を捨てて愛人になるつもりだった?」

T「初めっから…そんなつもりなんて全くなかった…セイタさんと話しをしようと思ったのは縁を切るためだよ…」

K「そっか…」

T「怒ってたんでしょ…俺が友達って言ったから…」

K「うん…怒ってた…テヤサにとったら俺は恋人だと紹介できるような男じゃないのかなって…」

T「キオがいる前でセイタさんにキオが恋人だって言ったら…セイタさんにキオのこと傷つけられそうで怖くて言えなかった…だから俺はその場から離れたんだ…」

K「俺は傷つけられてもいいのに…テヤサに何かあった時の方が耐えられないのに…」

T「俺だって…同じ…キオに何かあったら…俺だって耐えられないんだよ…愛してるから…」


その言葉で俺の胸は締め付けられ俺は思わず天を仰ぐ。


横にいるテヤサの身体は冷たく冷え…


ギュッと俺の体の方へと抱き寄せるとテヤサは不安そうに俺を見上げた。


K「身体冷えちゃったね…先にお風呂…入っておいで…」


すると、テヤサは首を大きく横に振った。


T「やだ…キオと一緒にお風呂入りたい…」

K「……分かった…行こう。」


俺がテヤサの手を引き、テヤサは捻挫した足を引きずりながら俺の後ろをついてくる。


雨で濡れたヒョンのTシャツを脱がせるとテヤサは寒いのか身を縮こまらせた。


服を脱ぎ中に入ると俺はテヤサの背中に温かいシャワーをかけた。


するとテヤサはクルッと振り返り、生まれたままの姿で俺をギュッと抱きしめる。


K「どうしたの?寒い?」


俺は自分の身体に抱きついてるテヤサの身体にシャワーを掛けながらその背中を撫でる。


T「シたい。」


ぼそっと俺の耳元でテヤサがそう呟くと、もう何度も肌を重ね合わせているはずなのに何故かドキッと俺の胸が返事をした。


K「足捻挫してるしすり傷だって沢山出来てるから今日はやめとこ?」

T「やだ…ここで今すぐシたい…」


テヤサは俺の首に巻きつき俺の内腿の間に足を入れて俺を誘う。


K「もうそんな事して…足痛いんだろ?」

T「もう大丈夫だもん…お願い……」

K「うーん。」


本当は俺だってめちゃくちゃシたいけど、テヤサの足首は少し腫れていて、大丈夫と言ってるのはテヤサの強がりな事くらい見れば分かる。


俺は不貞腐れるテヤサを浴槽に浸からせると後ろから抱きしめるように湯船に浸かった。


テヤサの襟足にキスをしながら身体の冷えたテヤサの肩にお湯をかけてあげると、テヤサがクルッと振り返り俺の目を見ながら俺の下半身に手を伸ばした。


K「頭よりも先に俺の身体をその気にさせて攻める作戦ですか?」

T「キオの頭は俺とシたくないって言ってるの?」


テヤサは親指でグリグリと弄りながら言った。


K「んふふふwめちゃくちゃシたいって叫んでるよ。」


俺はそう言うとテヤサの後頭部に手を回し、自分の元に引き寄せてテヤサの唇に吸い付いた。


やば…気持ちいい…


そう思いながらゆっくりと目を開けると…


あれ…真っ暗…


バスルームの電気が消え真っ暗になっていた。


T「真っ暗…なんで…」


K「停電だねw雷警報出てたから近くに落ちたのかもねw」

T「もうびっくりしたぁ…」


頬を赤く染めたテヤサは俺に擦り寄り、俺たちはしばらくの間…暗闇の中、湯船でキスを繰り返した。


すぐに停電は回復し、俺たちは風呂から上がるとネネさんが用意してくれたインスタントラーメンを一緒に作った。


T「キオの作るラーメンが1番おいしいもんね!」

K「ラーメン作りなら俺に任せろ!!早くお湯沸いてくださ~い早くお湯沸いてくださ~い!!」


俺が鍋に向かっておまじないを掛けていると横でテヤサも俺の真似をする。


こうやってログハウスにお泊まりできたのもあんな事があったからで…


それがなければ俺たちは日帰りで帰ることになっていた。


まさか初めての遠出のお泊まりがこんな形でとは思っても見なかったけど、テヤサとの思い出はいつも雨が降っていてどこかで雷が鳴っている。


セイタさんとの事は心配したけど、テヤサの心にケジメをつけるためにはこれは必要だった出来事なのかもしれないな…と俺は心の中でそう納得をした。


T「明日は晴れるといいな…」


俺たちがベッドに入る頃には雨もおさまりテヤサは俺の腕の中でそう呟く。


K「また…雷トラウマになっちゃった?」

T「ううん…雷がなるとキオが現れて守ってくれるって分かってるからトラウマになんてもうならないよ…むしろ…」

K「むしろ?」

T「俺たちの愛が深まる合図の音…かもね?」


テヤサはニコッと笑うと俺の唇にチュッとキスを落とし瞳を閉じた。


雷の音が愛の深まる合図か…


可愛い事言ってくれるじゃん…


でも出来れば…


これからのテヤサとの思い出は晴れ渡る空が多いといいなと思いながら…


俺は薄らと微笑みを浮かべ、テヤサを抱き寄せゆっくりと瞳を閉じた。

つづく
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