【BL】花様年華〜僕たちの青春日記〜

樺純

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52話

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ジュンサクサイド

心地よい風が吹き


ゆっくりと目を開けると、そこにはあの頃よりも色っぽくなり落ち着いた雰囲気となったテイヤの背中が見えた。


はぁ…久しぶりに高校の時代の夢…見たな…


いつの間にかうたた寝をしてしまった俺は懐かしい高校一年生の時の夢を見た。


あの頃の甘酸っぱい切なさや青臭い思い出がこみ上げてきて、しばらくテイヤの背中を見つめその夢の余韻に浸っていると、自然とテイヤの温もりが恋しくなる。


黒髪にクルクルとした毛先を触りながら何かを見ているテイヤを背中から抱きしめて、同じように俺もテイヤの視線の先を覗き込む。


すると、そこには高校一年生の俺と高校三年生のテイヤが嬉しそうに微笑みながら肩を寄せ合っている写真が貼ってある高校生活の思い出が詰まったアルバムがあった。


J「テイヤまた、そのアルバム見てるの?好きだね?」

T「だって可愛いじゃん。高校一年生の時のジュンサクはまだあどけなくて赤ちゃんみたい。もうあれから7年か…早いな…」


あの夏から7年間…


俺たちは一度も離れることなくずっとお互いだけを想い合い過ごしてきた。


J「付き合って7年がすぎたもんね…?」


そう言ってチュっとテイヤの頬にキスをするとテイヤは嬉しそうに笑った。


その左手薬指には俺がテイヤの20歳の誕生日にプレゼントした、細いゴールドの指輪がはめられていて、俺の左手薬指にも同じモノがはめられてある。


T「あの頃は青春…!!って感じだったよね…?」

J「高校生だったしね…」


すると、テイヤはペラベラとそのアルバムをめくりながら涙を目に浮かべていく。


俺はそんなテイヤに驚き、思わず横に座り直すとテイヤの肩を抱いた。


J「なに…何で泣いてんの…」

T「ジュンサクと出会えて良かったな…と思って…この7年間幸せだったなと思って…」


微笑みながらそう言ったテイヤの頬には綺麗な涙がひと筋流れ落ちた。


J「俺さ?今でもテイヤと出会ったあの頃の夢…見るんだ。さっきもその夢見てた…きっとさ?俺たちは出逢う運命だったんだよ?テイヤは全部過去形で話してるけどもう、幸せはいらないの?」


その涙を拭いながら俺がそういうと、テイヤは俺にギュッと抱きつき首筋に顔を埋めた。


T「もっと…望んでもいいのかな…こんなに幸せなのに…」


そんなテイヤの価値観が俺は好き。


俺はもっとわがままに俺との関係を望んで欲しいくらいなのに、テイヤはいつも十分幸せだよって微笑みながら言うんだ。


J「テイヤには永遠に幸せ望み続けてほしい…もっとワガママに生きてよ…俺にだけは…」


テイヤにそう言うとテイヤは少し嬉しそうな顔をして微笑む。


J「7年前の今日さ?テイヤが俺にかけがえのない大切なモノを俺にくれたの…覚えてる?」


プニプニとしたテイヤの可愛い頬を撫でると、テイヤは優しく笑みを浮かべる。


9月1日が来るたびにテイヤとの切ない思い出と甘い思い出に包まれる俺…


今日もまた、ひとつ歳を重ねた俺は年々愛しさが増していくテイヤを見つめた。


T「んふふ…懐かしいね…お誕生日おめでとう…一緒にお祝いするのも7回目か…」


テイヤがそう言って目を赤く染めるからつい、俺までも涙が溢れそうになるのをぐっと堪えてポケットの中からあるものを取り出す。


J「7年前の俺の誕生日にテイヤは俺に大切なモノをくれた…だから今度は俺がテイヤにプレゼントする番だよ…。」


テイヤの手を取りはめられてあるペアリングの上から俺はテイヤの誕生日石であるタンザナイトの指輪をはめた。


T「これ……」

J「結婚しよ?恋人じゃなくパートナーになろう?俺たちにとって第二の花様年華を一緒に作っていこう?」


俺がそういうとテイヤは目に涙をいっぱい溜めて何度も頷くと、テイヤは嬉しそうに微笑みながら自分の胸に指輪をはめた手を当てる。


T「ずっとそばにいてくれてありがとう…愛してる…」

J「俺のほうが愛してるよ…」


こうして俺たちは永遠の愛を誓い幸せに暮らしましたとさ…


めでたしめでたし。


っとならないのが俺たちで…


つづく
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