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42話
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ジュンサクサイド
テイヤくんが出て行った後…
感情的になり、あんなことをを言ってしまった後悔に襲われ、冷静さを取り戻した俺はすぐにテイヤくんの事を追いかけた。
ハイツの階段を駆け下り、テイヤくんの家の前に向かおうとすると前からマモルさんが歩いてきた。
J「こんばんは…」
M「あれ?テイヤと一緒じゃないの?」
J「はい…ちょっと…」
M「俺に呼んでこいって?」
J「お願いします。」
そう俺たちが話しているとマモルさんの足元に何かが落ちてるのが目に入った。
マモルさんもそれに気づき、拾い上げるとそれはテイヤくんのスマホだった。
M「あいつこんなとこにスマホ落として…とりあえず呼んでくるわ。」
J「はい…お願いします。」
マモルさんはそう言って家の中に入って行った。
俺は家の門の前でテイヤくんが出てくるのを待つ。
素直に謝ろ…
素直にこの前、あいつらに言われたことをテイヤくんに伝えよう…
そう心の中で俺は決めていた。
すると、マモルさんが慌てた顔をして玄関から飛び出してきた。
M「テイヤ、部屋にいないけど…お前らなんかあったのか…!?」
マモルさんの言葉に俺は思わず目を逸らし下を向く。
すると、マモルさんは俺の目の前に立ち胸ぐらを掴んだ。
M「言え。今すぐ言え。」
俺はマモルさんにそう言われ全ての出来事を話した。
同じ高校の2年生の不良たちに絡まれてテイヤくんの事で脅され…
それのせいでテイヤくんを縛り付け、テイヤくんとその2年生たちの関係を知りたくて問い詰め喧嘩をしたと。
すると、マモルさんはその話を聞いて顔色が真っ青になっていく。
M「とりあえず…テイヤを探せ…」
K「はい…」
M「はいじゃねぇんだよ!?命かけて探せ!!テイヤにもしもの事があったら…俺はお前を…」
マモルさんのその目はいつもの脅しとは比べものにならないほどの圧力で、俺は思わず後退りをする。
J「でも俺どこを探したらいいか…」
M「テイヤは1年前!!あいつらにイタズラされそうになったんだよ!!!!」
マモルさんのその言葉を聞いて、俺の身体からは血の気が引きことの重大さを今更になって気づく。
J「え……」
M「ジュンサク、頼むから…死ぬ気で探してくれ…テイヤがスマホを手離して消えるなんて…あの日以来ありえないんだよ…もしもの時、GPSで探す約束だから…」
J「……うそ…だろ……」
マモルさんはバイクに跨り俺はチャリに跨ってテイヤくんを探し回った。
俺は何も知らなかった…
テイヤくんが心にそんな大きな傷を抱えている事すら気付いてあげられなかった。
テイヤくんの気持ちも考えずにただ、無神経にテイヤくんに迫り続けた俺は…
テイヤくんの事を犯そうとした最低な奴らと同じじゃねぇか。
なんでテイヤくんがあと少しの所で震えて拒んでいたのか…
俺のことを分かりやすいほどに愛してくれていたのに、それよりも先になぜ進む事が出来なかったのか…
後になって考えればすぐに勘付くことは出来たはずなのに…
俺はきっとテイヤくんに夢中になりすぎて、自分のことしか見えなくなっていたんだろう。
涙で滲み歪んで見える風景を俺は袖口で荒っぽく拭きペダルを深く踏み込む。
テイヤくん…ごめん…
俺の頭の中にはもうその言葉しか思い浮かばなかった。
汗だくになりながらチャリを漕ぎ、当てもなくテイヤくんを探し回っているとスマホが慌ただしく鳴った。
それはマモルさんからで俺は恐る恐るその着信を取る。
J「もしもし…」
M「〇〇公園の裏にある物置き小屋に来い…」
俺はその時のマモルさんの声は一生忘れる事が出来ないと思う…
俺はその声を聞いて…
まるで死の宣告をされたような気がした。
つづく
テイヤくんが出て行った後…
感情的になり、あんなことをを言ってしまった後悔に襲われ、冷静さを取り戻した俺はすぐにテイヤくんの事を追いかけた。
ハイツの階段を駆け下り、テイヤくんの家の前に向かおうとすると前からマモルさんが歩いてきた。
J「こんばんは…」
M「あれ?テイヤと一緒じゃないの?」
J「はい…ちょっと…」
M「俺に呼んでこいって?」
J「お願いします。」
そう俺たちが話しているとマモルさんの足元に何かが落ちてるのが目に入った。
マモルさんもそれに気づき、拾い上げるとそれはテイヤくんのスマホだった。
M「あいつこんなとこにスマホ落として…とりあえず呼んでくるわ。」
J「はい…お願いします。」
マモルさんはそう言って家の中に入って行った。
俺は家の門の前でテイヤくんが出てくるのを待つ。
素直に謝ろ…
素直にこの前、あいつらに言われたことをテイヤくんに伝えよう…
そう心の中で俺は決めていた。
すると、マモルさんが慌てた顔をして玄関から飛び出してきた。
M「テイヤ、部屋にいないけど…お前らなんかあったのか…!?」
マモルさんの言葉に俺は思わず目を逸らし下を向く。
すると、マモルさんは俺の目の前に立ち胸ぐらを掴んだ。
M「言え。今すぐ言え。」
俺はマモルさんにそう言われ全ての出来事を話した。
同じ高校の2年生の不良たちに絡まれてテイヤくんの事で脅され…
それのせいでテイヤくんを縛り付け、テイヤくんとその2年生たちの関係を知りたくて問い詰め喧嘩をしたと。
すると、マモルさんはその話を聞いて顔色が真っ青になっていく。
M「とりあえず…テイヤを探せ…」
K「はい…」
M「はいじゃねぇんだよ!?命かけて探せ!!テイヤにもしもの事があったら…俺はお前を…」
マモルさんのその目はいつもの脅しとは比べものにならないほどの圧力で、俺は思わず後退りをする。
J「でも俺どこを探したらいいか…」
M「テイヤは1年前!!あいつらにイタズラされそうになったんだよ!!!!」
マモルさんのその言葉を聞いて、俺の身体からは血の気が引きことの重大さを今更になって気づく。
J「え……」
M「ジュンサク、頼むから…死ぬ気で探してくれ…テイヤがスマホを手離して消えるなんて…あの日以来ありえないんだよ…もしもの時、GPSで探す約束だから…」
J「……うそ…だろ……」
マモルさんはバイクに跨り俺はチャリに跨ってテイヤくんを探し回った。
俺は何も知らなかった…
テイヤくんが心にそんな大きな傷を抱えている事すら気付いてあげられなかった。
テイヤくんの気持ちも考えずにただ、無神経にテイヤくんに迫り続けた俺は…
テイヤくんの事を犯そうとした最低な奴らと同じじゃねぇか。
なんでテイヤくんがあと少しの所で震えて拒んでいたのか…
俺のことを分かりやすいほどに愛してくれていたのに、それよりも先になぜ進む事が出来なかったのか…
後になって考えればすぐに勘付くことは出来たはずなのに…
俺はきっとテイヤくんに夢中になりすぎて、自分のことしか見えなくなっていたんだろう。
涙で滲み歪んで見える風景を俺は袖口で荒っぽく拭きペダルを深く踏み込む。
テイヤくん…ごめん…
俺の頭の中にはもうその言葉しか思い浮かばなかった。
汗だくになりながらチャリを漕ぎ、当てもなくテイヤくんを探し回っているとスマホが慌ただしく鳴った。
それはマモルさんからで俺は恐る恐るその着信を取る。
J「もしもし…」
M「〇〇公園の裏にある物置き小屋に来い…」
俺はその時のマモルさんの声は一生忘れる事が出来ないと思う…
俺はその声を聞いて…
まるで死の宣告をされたような気がした。
つづく
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