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27話
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テイヤサイド
ミーンミーンミーン
耳につくセミ達の合唱をこの校舎で聞くのももう、これが最後なんだなと思うと少しだけ寂しかった。
「では今から通知表をわたしまーす!!」
先生のその声によって俺たちの夏休みが始まる事を意味する。
1人づつ渡されていく通知表。
俺は手元に来た通知表を見てそっと閉じた。
まぁ、赤点はなくそこそこで安心してマモルに見せられる。
「夏休みだからって気を緩ませるなよ~喧嘩は絶対にしないこと!!絡まれても無視!!周りの大人に助けを求めること!!分かったな!!はい!解散!!」
そうして俺たちの夏休みは始まった。
教室の前で女子に囲まれて俺を待つジュンサク…
そんな光景はもう慣れた。
J「テイヤくん!!」
俺の姿を見つけると女子達は俺に頭を下げてジュンサクから離れていく。
J「じゃ、行こうか。」
T「うん。」
ジュンサクと俺はもう校内で誰もが知るカップルとなっていた。
先生たちですら、夏休みだからって遊びすぎるんじゃないぞ~!!そう言って俺たちをからかってくる。
俺達はまだ、キス以上の事なんてした事ないのに…
いや…違うな…
俺達は…俺が拒んでしまうせいで何も出来ずにいるのに…
先生の言葉に少し気まずくなった俺とジュンサクは手を繋ぎながら無言のまま歩いて家に帰る。
俺が話した方がいいのかな…
どうしようか…
ミーンミーンミーンとセミ達の声だけが鳴り響き、俺とジュンサクの手にはこの暑さのせいで汗が滲む。
チラッとジュンサクを見ると、ジュンサクはシャツの首元を持ってパタパタとシャツの中に空気を送り込んでいた。
その隙間から見えるジュンサクの胸筋にドキっとし思わず俺は目を逸らした。
結局、無言のまま家に着いてしまい…
今日はもう帰るのかな?なんて思いながら仕方なくジュンサクの手から離れそうと指の力を抜くとジュンサクにギュッと手を掴まれた。
T「ジュンサク…?」
J「いや…その…ウチ寄ってかない?」
なぜかその言葉にドキッと胸が反応した。
ジュンサクの家はもう何度も訪れた事がある。
一緒にゲームをしたり一緒にゲームをしたり一緒にゲームをしたり。
ぶっちゃけゲームばっかりの健全な遊び。
そりゃ、キスとかはしてるけど…
ジュンサクがそれ以上のことをしてこようとするとつい…
あの日の出来事が頭の中をよぎり、身体が震えて拒否反応が出る。
そして、俺はいつもジュンサクにバレないように笑ってそれを誤魔化していた。
T「う…うん。行く。」
いつもとは違うジュンサクの雰囲気にドキドキを感じながらジュンサクの部屋の中へ入った。
つづく
ミーンミーンミーン
耳につくセミ達の合唱をこの校舎で聞くのももう、これが最後なんだなと思うと少しだけ寂しかった。
「では今から通知表をわたしまーす!!」
先生のその声によって俺たちの夏休みが始まる事を意味する。
1人づつ渡されていく通知表。
俺は手元に来た通知表を見てそっと閉じた。
まぁ、赤点はなくそこそこで安心してマモルに見せられる。
「夏休みだからって気を緩ませるなよ~喧嘩は絶対にしないこと!!絡まれても無視!!周りの大人に助けを求めること!!分かったな!!はい!解散!!」
そうして俺たちの夏休みは始まった。
教室の前で女子に囲まれて俺を待つジュンサク…
そんな光景はもう慣れた。
J「テイヤくん!!」
俺の姿を見つけると女子達は俺に頭を下げてジュンサクから離れていく。
J「じゃ、行こうか。」
T「うん。」
ジュンサクと俺はもう校内で誰もが知るカップルとなっていた。
先生たちですら、夏休みだからって遊びすぎるんじゃないぞ~!!そう言って俺たちをからかってくる。
俺達はまだ、キス以上の事なんてした事ないのに…
いや…違うな…
俺達は…俺が拒んでしまうせいで何も出来ずにいるのに…
先生の言葉に少し気まずくなった俺とジュンサクは手を繋ぎながら無言のまま歩いて家に帰る。
俺が話した方がいいのかな…
どうしようか…
ミーンミーンミーンとセミ達の声だけが鳴り響き、俺とジュンサクの手にはこの暑さのせいで汗が滲む。
チラッとジュンサクを見ると、ジュンサクはシャツの首元を持ってパタパタとシャツの中に空気を送り込んでいた。
その隙間から見えるジュンサクの胸筋にドキっとし思わず俺は目を逸らした。
結局、無言のまま家に着いてしまい…
今日はもう帰るのかな?なんて思いながら仕方なくジュンサクの手から離れそうと指の力を抜くとジュンサクにギュッと手を掴まれた。
T「ジュンサク…?」
J「いや…その…ウチ寄ってかない?」
なぜかその言葉にドキッと胸が反応した。
ジュンサクの家はもう何度も訪れた事がある。
一緒にゲームをしたり一緒にゲームをしたり一緒にゲームをしたり。
ぶっちゃけゲームばっかりの健全な遊び。
そりゃ、キスとかはしてるけど…
ジュンサクがそれ以上のことをしてこようとするとつい…
あの日の出来事が頭の中をよぎり、身体が震えて拒否反応が出る。
そして、俺はいつもジュンサクにバレないように笑ってそれを誤魔化していた。
T「う…うん。行く。」
いつもとは違うジュンサクの雰囲気にドキドキを感じながらジュンサクの部屋の中へ入った。
つづく
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