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12話
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テイヤサイド
マモルの作ったカルボナーラを食べながらジュンサクに連絡先聞くの忘れちゃったな~なんて思っているとマモルが俺の顔を覗き込む。
M「ねぇ。テイヤ?あのジュンサクって奴。まだ、どんな子かも分からないんだからあんまり仲良くしちゃダメだよ?」
全てを見透かされたかのようなマモルの言葉に俺の心臓はドキッ!!っと返事をし平然を装うので必死だ。
T「え?な…なんのこと…?」
M「……まさか…もうなんかあった?」
カルボナーラを巻くフォークをゆっくりと置いて俺をじっと見つめるその目はもうきっと全てを見抜いてる。
T「マモルあのさ…俺…」
M「もう忘れた?」
T「え……」
マモルの威圧的な声で思わず俺は全ての言葉を見失う。
そして、黒目が左右に揺れ動き、あの日の出来事が頭の中にフラッシュバックして身体がガタガタと震え出す。
M「すぐに人を信用するそのくせ…いい加減治せよ。あんな怖い目にあっても…まだ分からない?」
マモルは少し悲しそうな目をして小さなため息混じりに言った。
T「そうだね。ごめん…」
俺はほとんどカルボナーラが喉を通らずそのまま部屋へと戻った。
ベッドの中で考えても頭の中にはジュンサクの顔とさっきのマモルの言葉がクルクルと回る。
マモルの言ってる事も分かるけど…
ジュンサクは…そんな奴じゃない…
俺はベッドから起き上がり窓を開けてジュンサクの部屋の窓にテーブルにあった紙を固く丸めて投げた。
カサッと音を立てて虚しく落ちていった丸めた紙ボール。
ジュンサクの部屋の窓は開く気配すらない。
俺はマモルにバレないように小さな声でジュンサクを読んでみた。
T「ジュンサク!ジュンサク!!」
いないのかな…?
ちぇ…顔だけでも見たかったのに。
そう思いながら仕方なく窓を閉めようとふと下を見ると…
ハイツの前でビニール袋を手からぶら下げて立ってるジュンサクがこちらをじっと見ていた。
T「ジュンサク~!!」
俺が手を振ると少しふて腐れた顔をしてハイツの中へ入っていきしばらくしてすぐ、ジュンサクの部屋の窓が開いた。
T「どこ行ってたの?」
J「コンビニ…」
T「誘ってくれたら一緒に行ったのに!」
J「邪魔したら悪いし…お楽しみの時間だったんでしょ?」
ジュンサクは意味のわからない事を言って俺と目を合わそうとしない。
T「ん?暇な時間の間違いだけど?ねぇ、スマホの番号教えてよ!聞くの忘れたからさ!」
窓からそう言えばジュンサクはチラッと俺と目を合わせて俺の部屋の奥をチラチラと見ている。
J「ヒョンさ…あの小さくて白い餅みたいな人と同棲…いや、一緒に住んでんの?」
ん?小さくて白い餅?
そんな悪意あるジュンサクの表現を聞いて俺は笑いがこみ上げてきて思わず腹を抱えて笑った。
T「それひどw一緒に住んでるも何も義理の兄弟だからw」
J「義理の?兄弟?」
T「そうそう!親たちが再婚して兄弟になったんだよ?にしても小さくて白い餅はひどいw 俺の知らない間に喧嘩でもした?w」
J「いや別に…」
ジュンサクはそう言いながら何かを紙に書いてせっせとそれを器用に折り、俺の部屋へ飛ばしそれは綺麗に弧を描いて俺の元へ飛んできた。
T「うわぁ~紙飛行機とか懐かしい~!!」
J「中に連絡先書いたから。」
ジュンサクが作った紙飛行機を広げるとそこにはジュンサクの連絡先が書いてあった。
俺は早速それをスマホに登録してジュンサクにスタンプを押す。
ジュンサクはスマホを手に取り俺にハートのスタンプを送った。
そして、また俺もハートのスタンプを送り返す。
すると…
【メール:ジュンサク】
テイヤくんのこと好きになっちゃったかも。
その文字を見て思わず俺は目の前にいるジュンサクを見つめる。
【メール:テイヤ】
俺も…
俺がそう送ればジュンサクはそれを確認して俺の方を見つめて言った。
J「俺、男の人を好きとか思ったことないですけど、テイヤくんは好きになっちゃいました…付き合ってくれますか?」
T「俺も好き…よろしくね…」
そして、俺たちは窓から身を乗り出して手を伸ばして取り合い…
ゆっくりと指を絡めた。
つづく
マモルの作ったカルボナーラを食べながらジュンサクに連絡先聞くの忘れちゃったな~なんて思っているとマモルが俺の顔を覗き込む。
M「ねぇ。テイヤ?あのジュンサクって奴。まだ、どんな子かも分からないんだからあんまり仲良くしちゃダメだよ?」
全てを見透かされたかのようなマモルの言葉に俺の心臓はドキッ!!っと返事をし平然を装うので必死だ。
T「え?な…なんのこと…?」
M「……まさか…もうなんかあった?」
カルボナーラを巻くフォークをゆっくりと置いて俺をじっと見つめるその目はもうきっと全てを見抜いてる。
T「マモルあのさ…俺…」
M「もう忘れた?」
T「え……」
マモルの威圧的な声で思わず俺は全ての言葉を見失う。
そして、黒目が左右に揺れ動き、あの日の出来事が頭の中にフラッシュバックして身体がガタガタと震え出す。
M「すぐに人を信用するそのくせ…いい加減治せよ。あんな怖い目にあっても…まだ分からない?」
マモルは少し悲しそうな目をして小さなため息混じりに言った。
T「そうだね。ごめん…」
俺はほとんどカルボナーラが喉を通らずそのまま部屋へと戻った。
ベッドの中で考えても頭の中にはジュンサクの顔とさっきのマモルの言葉がクルクルと回る。
マモルの言ってる事も分かるけど…
ジュンサクは…そんな奴じゃない…
俺はベッドから起き上がり窓を開けてジュンサクの部屋の窓にテーブルにあった紙を固く丸めて投げた。
カサッと音を立てて虚しく落ちていった丸めた紙ボール。
ジュンサクの部屋の窓は開く気配すらない。
俺はマモルにバレないように小さな声でジュンサクを読んでみた。
T「ジュンサク!ジュンサク!!」
いないのかな…?
ちぇ…顔だけでも見たかったのに。
そう思いながら仕方なく窓を閉めようとふと下を見ると…
ハイツの前でビニール袋を手からぶら下げて立ってるジュンサクがこちらをじっと見ていた。
T「ジュンサク~!!」
俺が手を振ると少しふて腐れた顔をしてハイツの中へ入っていきしばらくしてすぐ、ジュンサクの部屋の窓が開いた。
T「どこ行ってたの?」
J「コンビニ…」
T「誘ってくれたら一緒に行ったのに!」
J「邪魔したら悪いし…お楽しみの時間だったんでしょ?」
ジュンサクは意味のわからない事を言って俺と目を合わそうとしない。
T「ん?暇な時間の間違いだけど?ねぇ、スマホの番号教えてよ!聞くの忘れたからさ!」
窓からそう言えばジュンサクはチラッと俺と目を合わせて俺の部屋の奥をチラチラと見ている。
J「ヒョンさ…あの小さくて白い餅みたいな人と同棲…いや、一緒に住んでんの?」
ん?小さくて白い餅?
そんな悪意あるジュンサクの表現を聞いて俺は笑いがこみ上げてきて思わず腹を抱えて笑った。
T「それひどw一緒に住んでるも何も義理の兄弟だからw」
J「義理の?兄弟?」
T「そうそう!親たちが再婚して兄弟になったんだよ?にしても小さくて白い餅はひどいw 俺の知らない間に喧嘩でもした?w」
J「いや別に…」
ジュンサクはそう言いながら何かを紙に書いてせっせとそれを器用に折り、俺の部屋へ飛ばしそれは綺麗に弧を描いて俺の元へ飛んできた。
T「うわぁ~紙飛行機とか懐かしい~!!」
J「中に連絡先書いたから。」
ジュンサクが作った紙飛行機を広げるとそこにはジュンサクの連絡先が書いてあった。
俺は早速それをスマホに登録してジュンサクにスタンプを押す。
ジュンサクはスマホを手に取り俺にハートのスタンプを送った。
そして、また俺もハートのスタンプを送り返す。
すると…
【メール:ジュンサク】
テイヤくんのこと好きになっちゃったかも。
その文字を見て思わず俺は目の前にいるジュンサクを見つめる。
【メール:テイヤ】
俺も…
俺がそう送ればジュンサクはそれを確認して俺の方を見つめて言った。
J「俺、男の人を好きとか思ったことないですけど、テイヤくんは好きになっちゃいました…付き合ってくれますか?」
T「俺も好き…よろしくね…」
そして、俺たちは窓から身を乗り出して手を伸ばして取り合い…
ゆっくりと指を絡めた。
つづく
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