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第一話
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エニシサイド
僕の恋人は料理がとても苦手だ。
そんな彼が珍しく沢山の食材を買い込み、僕の家のキッチンに立っている。
E「こんな食材沢山買ってどうした?」
昼寝から目覚めた僕は眠たい目を擦りながらそう恋人に問いかけた。
H「どうしたって料理するに決まってんじゃん?」
僕の恋人はなぜかそう自慢気な顔で話すが、付き合って数年、ラーメンすらも作らない彼なのに一体、何がどうなってるんだと僕は不思議に思う。
E「へぇ…ヒュウが作るんだよね?」
H「うん!この前、実家で母ちゃんと料理したら楽しかったんだ。だから今日は僕がエニシにオムライス作ってあげるね!!」
そう自身満々に言った僕の恋人は可愛い苺模様のエプロンを手に取る。
僕は恋人のあまりの可愛さからついつい、口元が緩みスマホを手に取ってしまう。
H「あ!撮影禁止でーす!お金とりますよー!」
なんて言いながら僕の恋人は僕の手からスマホを取り上げた。
E「なんでよ~別にいいじゃん。」
スマホを没収され拗ねていると、僕の恋人はエプロンを持って不思議そうな顔をしてエプロンと睨めっこしている。
H「んー?あれー?ねぇ、エニシ…このエプロンどうやって着るの?」
僕に首を傾げながらそう問いかける恋人の姿があまりにも可愛くて、僕は笑いながらキッチンに向かい恋人の手からエプロンを受け取る。
E「うーん。こう…かな?ほら、クロスになってるからこうだよ。」
そうして僕は恋人の首にエプロンをかけてあげつけてあげる。
T「完璧!さぁ、頑張るぞ!」
いつもより張り切っている僕の恋人は頬を高くし袖を勢いよくまくり上げて綺麗に手を洗う。
早速、まな板と包丁を手に取り準備して、ぎこちない手つきで玉ねぎの皮を剥いていく姿が愛おしくて俺は恋人の横でじっと恋人の事を見守っていた。
僕の恋人は慎重に一枚一枚玉ねぎの皮を剥き終えてまな板の上に玉ねぎを置き、包丁を握る。
E「包丁…危ないから気をつけてね。」
H「……うん……」
真剣な眼差しで玉ねぎを見つめ唇をぺろっと舐める僕の恋人。
基本、僕の恋人は物事に集中すると周りの声が聞こえなくなる。
おそらく今の返事の仕方からすると僕の恋人の耳には俺の声は全く、届いていない。
僕の恋人の綺麗な手が玉ねぎの上に置かれ、ゆっくりと包丁を持った手が動き出す。
僕はその危なっかしい手付きに目が離せずついつい、口出ししそうになるのを我慢してグッと堪えている。
ドンッ…ドンッ…ドンッ…
まな板で玉ねぎを切ってるとは思えない音が響き、僕は恋人の後ろに回って恋人の包丁を持つ手と、玉ねぎの上の猫の手をそっと包んだ。
E「こうやってやると良いんだよ。力抜いて。」
H「なんか恥ずかしいこれ…////」
E「いいから。集中集中。」
僕は恋人のを握ったまま一緒に玉ねぎを刻んでいくと、僕の恋人も包丁に慣れてきたのか僕が力を入れなくても上手に切れるようになってきので、僕はそっと恋人の元を離れた。
つづく
僕の恋人は料理がとても苦手だ。
そんな彼が珍しく沢山の食材を買い込み、僕の家のキッチンに立っている。
E「こんな食材沢山買ってどうした?」
昼寝から目覚めた僕は眠たい目を擦りながらそう恋人に問いかけた。
H「どうしたって料理するに決まってんじゃん?」
僕の恋人はなぜかそう自慢気な顔で話すが、付き合って数年、ラーメンすらも作らない彼なのに一体、何がどうなってるんだと僕は不思議に思う。
E「へぇ…ヒュウが作るんだよね?」
H「うん!この前、実家で母ちゃんと料理したら楽しかったんだ。だから今日は僕がエニシにオムライス作ってあげるね!!」
そう自身満々に言った僕の恋人は可愛い苺模様のエプロンを手に取る。
僕は恋人のあまりの可愛さからついつい、口元が緩みスマホを手に取ってしまう。
H「あ!撮影禁止でーす!お金とりますよー!」
なんて言いながら僕の恋人は僕の手からスマホを取り上げた。
E「なんでよ~別にいいじゃん。」
スマホを没収され拗ねていると、僕の恋人はエプロンを持って不思議そうな顔をしてエプロンと睨めっこしている。
H「んー?あれー?ねぇ、エニシ…このエプロンどうやって着るの?」
僕に首を傾げながらそう問いかける恋人の姿があまりにも可愛くて、僕は笑いながらキッチンに向かい恋人の手からエプロンを受け取る。
E「うーん。こう…かな?ほら、クロスになってるからこうだよ。」
そうして僕は恋人の首にエプロンをかけてあげつけてあげる。
T「完璧!さぁ、頑張るぞ!」
いつもより張り切っている僕の恋人は頬を高くし袖を勢いよくまくり上げて綺麗に手を洗う。
早速、まな板と包丁を手に取り準備して、ぎこちない手つきで玉ねぎの皮を剥いていく姿が愛おしくて俺は恋人の横でじっと恋人の事を見守っていた。
僕の恋人は慎重に一枚一枚玉ねぎの皮を剥き終えてまな板の上に玉ねぎを置き、包丁を握る。
E「包丁…危ないから気をつけてね。」
H「……うん……」
真剣な眼差しで玉ねぎを見つめ唇をぺろっと舐める僕の恋人。
基本、僕の恋人は物事に集中すると周りの声が聞こえなくなる。
おそらく今の返事の仕方からすると僕の恋人の耳には俺の声は全く、届いていない。
僕の恋人の綺麗な手が玉ねぎの上に置かれ、ゆっくりと包丁を持った手が動き出す。
僕はその危なっかしい手付きに目が離せずついつい、口出ししそうになるのを我慢してグッと堪えている。
ドンッ…ドンッ…ドンッ…
まな板で玉ねぎを切ってるとは思えない音が響き、僕は恋人の後ろに回って恋人の包丁を持つ手と、玉ねぎの上の猫の手をそっと包んだ。
E「こうやってやると良いんだよ。力抜いて。」
H「なんか恥ずかしいこれ…////」
E「いいから。集中集中。」
僕は恋人のを握ったまま一緒に玉ねぎを刻んでいくと、僕の恋人も包丁に慣れてきたのか僕が力を入れなくても上手に切れるようになってきので、僕はそっと恋人の元を離れた。
つづく
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