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28話
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トモヤside
次の日
ホストクラブに出勤するにはまだ時間の早いジョウは、俺とイチャイチャしながら一緒に俺の店にやって来た。
仲良く並んで店に入るとそこにはカヲルちゃんとユキトくん、そして見たことのないハンサムな男性がユキトくんの肩を抱き締めながら座っていて思わず俺は二度見する。
T「ユキトくんその人だれ?」J「ナルキさんその人だれ?」
俺とジョウは同時にそう問いかけ、顔を見合わせてまた、2人の方を見つめる。
T.J「え!?まさか忘れらない人ってその人!?」
また、言葉が被った俺たちは顔を見合わせてまた、2人を見る。
そんな俺たちをみたカヲルちゃんが笑っていた。
「随分とひと晩で仲良くなったのね~?」
T「うん…俺たち付き合う事になった。」
俺がサラッとそう報告すると隣にいるジョウは恥ずかしそうにハニカミ、俺はジョウと繋いでいる手をみんなに見せびらかす。
「あらまぁ~聖なる夜に二組とも結ばれるなんて羨ましい~」
T「え…じゃ…ユキトくんもその人と…?」
Y「あぁ…ナルキさんだよ。」
T「で?ジョウとナルキさんも…知り合い?」
J「ナルキさんは…ウチのホストクラブのオーナーであり俺の命の恩人。」
T「え?ユキトくんの待ち人がそんな近くにいたの!?」
俺がそう驚くとユキトくんとナルキさんが話し出した。
俺もユキトくんの恋愛について詳しくは聞いたことはなかったが、忘れられない人がいると言うことだけは知っていた。
その人はユキトくんを振って姿をくらまし、ユキトくんはずっとその人のことを探し続け待っていた。
しかし、その人は見つかる事なく数年が過ぎた…って所まで俺が知っていることで、ユキトくんから語られたのはなぜナルキさんがユキトくんの元を去ったのかという事。
それは数年前、元々ナルキさんの家柄がそういう裏の組織の家柄で、ナルキさんは自分の意思とは関係なくその組織を継ぎボスとなった。
元々、穏やかな性格だったナルキさんは他の組織との争いを嫌い他の組織とは違うやり方で組織を守ってきた。
が…ある日、ナルキさんのシマである倉庫で他の組織同士の薬の密売が行われると情報が入り、ナルキさんはそこに向かいその密売現場を抑え、見せしめとして薬も金も全てナルキさん組織が総取りし勝手に密売しようとしていた2つの組織には薬も金も渡らないようにした。
よくある1つの組織がよその組織にかける圧力のようなモノだが、その計画にはナルキさんの予想外な出来事があった。
それは組織に関係のない人間が薬の密売に関わっていた事…そうそれがジョウだった。
他の組織の人間なら口止めとしてその場で射殺されていたかもしれないが、ナルキさんは元々の性格が優しい人…震え怯えているジョウを見てられず、放置すれば薬の密売をしようとしていた組織にジョウの命が狙われる…そう思ったナルキさんは自分の組織にジョウを引き込みホストとして働かせる事にした。
ジョウの命を守るため。
しかし、それは他の組織たちとの中にある暗黙の了解を無視した行為で…ナルキさんは他の組織からの激しい圧力や残忍な攻撃を考え、当時付き合っていたユキトくんに被害が及ばないよう…別れを告げた。
ということだった。
ユキトくんはナルキさんが闇の組織のボスだなんて全く知らず、ただの甘えん坊でゲームオタクの引きこもりだと思っていたらしい。
そして昨日、偶然…カヲルちゃんの店にジョウがナルキさんを連れてきたことにより、ナルキさんとユキトくんは再会したと。
カヲルちゃんはカヲルちゃんで、ナルキさんがどこで何をしてるかまでは知らなかったけど、闇の組織のボスだということだけは知っていたから、この飲み屋が集まる煌びやかな街で店をしていたらいつか、ナルキさんとユキトくんが巡り会えるかもと思い店を始めたらしい。
そう全てを話し終えるとナルキさんがジョウに言った。
N「ジョウ…あの時、お前が助けたばあちゃん覚えてるか?」
ナルキさんがそう言うとジョウは驚いた顔をしている。
訳の分からない俺がジョウの顔を見ると、ジョウが薬の密売に巻き込まれたのはそのおばあちゃんを助けたのがキッカケで、悪い奴に絡まれそんな事になってしまったと話してくれた。
N「実はな?あのばあちゃん…ユキトのばあちゃんだったんだ。」
J「え…!?」
N「俺も昨日知ってさ…ユキトと再会してこんな事があって…って話したら…」
Y「俺のばあちゃんだった。今朝、ナルキさんにジョウの写真借りて、ばあちゃんに確認したら泣きながら無事だったって喜んでたよ…感謝してもしきれないって。ありがとうな…」
ユキトくんがそう言うと、ジョウは微かに目に涙を潤ませ、恥ずかしそうに当たり前のことをしただけだと笑っていた。
俺は初対面の時に感じた感情が嘘かのように、優しくて正義感の強いそんなジョウを見てさらに好きになっていく。
ジョウにはそんな一面があったのだと思いながら、ジョウを見つめるとあまりにもジョウが愛しい。
しかし、ジョウが悪い組織の人たちに追いかけられ命を狙われているんだと知った俺は、胸が苦しくて心配でたまらず思わずジョウをギュッと抱きしめた。
つづく
次の日
ホストクラブに出勤するにはまだ時間の早いジョウは、俺とイチャイチャしながら一緒に俺の店にやって来た。
仲良く並んで店に入るとそこにはカヲルちゃんとユキトくん、そして見たことのないハンサムな男性がユキトくんの肩を抱き締めながら座っていて思わず俺は二度見する。
T「ユキトくんその人だれ?」J「ナルキさんその人だれ?」
俺とジョウは同時にそう問いかけ、顔を見合わせてまた、2人の方を見つめる。
T.J「え!?まさか忘れらない人ってその人!?」
また、言葉が被った俺たちは顔を見合わせてまた、2人を見る。
そんな俺たちをみたカヲルちゃんが笑っていた。
「随分とひと晩で仲良くなったのね~?」
T「うん…俺たち付き合う事になった。」
俺がサラッとそう報告すると隣にいるジョウは恥ずかしそうにハニカミ、俺はジョウと繋いでいる手をみんなに見せびらかす。
「あらまぁ~聖なる夜に二組とも結ばれるなんて羨ましい~」
T「え…じゃ…ユキトくんもその人と…?」
Y「あぁ…ナルキさんだよ。」
T「で?ジョウとナルキさんも…知り合い?」
J「ナルキさんは…ウチのホストクラブのオーナーであり俺の命の恩人。」
T「え?ユキトくんの待ち人がそんな近くにいたの!?」
俺がそう驚くとユキトくんとナルキさんが話し出した。
俺もユキトくんの恋愛について詳しくは聞いたことはなかったが、忘れられない人がいると言うことだけは知っていた。
その人はユキトくんを振って姿をくらまし、ユキトくんはずっとその人のことを探し続け待っていた。
しかし、その人は見つかる事なく数年が過ぎた…って所まで俺が知っていることで、ユキトくんから語られたのはなぜナルキさんがユキトくんの元を去ったのかという事。
それは数年前、元々ナルキさんの家柄がそういう裏の組織の家柄で、ナルキさんは自分の意思とは関係なくその組織を継ぎボスとなった。
元々、穏やかな性格だったナルキさんは他の組織との争いを嫌い他の組織とは違うやり方で組織を守ってきた。
が…ある日、ナルキさんのシマである倉庫で他の組織同士の薬の密売が行われると情報が入り、ナルキさんはそこに向かいその密売現場を抑え、見せしめとして薬も金も全てナルキさん組織が総取りし勝手に密売しようとしていた2つの組織には薬も金も渡らないようにした。
よくある1つの組織がよその組織にかける圧力のようなモノだが、その計画にはナルキさんの予想外な出来事があった。
それは組織に関係のない人間が薬の密売に関わっていた事…そうそれがジョウだった。
他の組織の人間なら口止めとしてその場で射殺されていたかもしれないが、ナルキさんは元々の性格が優しい人…震え怯えているジョウを見てられず、放置すれば薬の密売をしようとしていた組織にジョウの命が狙われる…そう思ったナルキさんは自分の組織にジョウを引き込みホストとして働かせる事にした。
ジョウの命を守るため。
しかし、それは他の組織たちとの中にある暗黙の了解を無視した行為で…ナルキさんは他の組織からの激しい圧力や残忍な攻撃を考え、当時付き合っていたユキトくんに被害が及ばないよう…別れを告げた。
ということだった。
ユキトくんはナルキさんが闇の組織のボスだなんて全く知らず、ただの甘えん坊でゲームオタクの引きこもりだと思っていたらしい。
そして昨日、偶然…カヲルちゃんの店にジョウがナルキさんを連れてきたことにより、ナルキさんとユキトくんは再会したと。
カヲルちゃんはカヲルちゃんで、ナルキさんがどこで何をしてるかまでは知らなかったけど、闇の組織のボスだということだけは知っていたから、この飲み屋が集まる煌びやかな街で店をしていたらいつか、ナルキさんとユキトくんが巡り会えるかもと思い店を始めたらしい。
そう全てを話し終えるとナルキさんがジョウに言った。
N「ジョウ…あの時、お前が助けたばあちゃん覚えてるか?」
ナルキさんがそう言うとジョウは驚いた顔をしている。
訳の分からない俺がジョウの顔を見ると、ジョウが薬の密売に巻き込まれたのはそのおばあちゃんを助けたのがキッカケで、悪い奴に絡まれそんな事になってしまったと話してくれた。
N「実はな?あのばあちゃん…ユキトのばあちゃんだったんだ。」
J「え…!?」
N「俺も昨日知ってさ…ユキトと再会してこんな事があって…って話したら…」
Y「俺のばあちゃんだった。今朝、ナルキさんにジョウの写真借りて、ばあちゃんに確認したら泣きながら無事だったって喜んでたよ…感謝してもしきれないって。ありがとうな…」
ユキトくんがそう言うと、ジョウは微かに目に涙を潤ませ、恥ずかしそうに当たり前のことをしただけだと笑っていた。
俺は初対面の時に感じた感情が嘘かのように、優しくて正義感の強いそんなジョウを見てさらに好きになっていく。
ジョウにはそんな一面があったのだと思いながら、ジョウを見つめるとあまりにもジョウが愛しい。
しかし、ジョウが悪い組織の人たちに追いかけられ命を狙われているんだと知った俺は、胸が苦しくて心配でたまらず思わずジョウをギュッと抱きしめた。
つづく
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