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25話
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トモヤside
J「俺…やっぱりトモさんのことが好きみたいです…俺じゃ…本当にダメですか…?俺トモさんのこと諦めなきゃダメですか?」
そうジョウが言った瞬間…
俺の中でクリスマスソングが流れた…と思ったら本当に店内で流れていて俺は我に返った。
どうしよう…
ダメじゃない。
っていうか…
俺、いつダメなんて言ったんだろ?
そもそも俺はジョウに告白もされてない。
ただキスしてそれ以上のことをしようとしただけで…
え…あ…そうか…
普通は好きだからキスやそれ以上のことをしたいと思うのか…
え…じゃ、俺は男であるジョウが好きなのか?
初めて会った時はギラギラしててチャラくてダサいなって思ったけど…
確かに昨日のジョウの泣き顔や今、目の前でダサいヨレヨレをパーカー着て、寝癖つけて少し浮腫んでいる顔のジョウが…
可愛くてたまらない。
どうしよう。
これは間違いなく好きってことじゃん。
なんて言う?
俺も好きって言えばいい?
それが正解?
混乱する頭で必死にそんなことを考えていると、目の前にいるジョウは少し悲しそうに顔を歪めてぎこちなく微笑み言った。
J「こんな情け無い格好の俺に好きなんて言われても迷惑ですよね…今の言葉…忘れてください。」
ジョウはそう言ってフードを目深に被り、俺の横を通り過ぎて行こうとしたので思わず俺は叫んだ。
T「待ってぇぇぇえぇぇぇえいΣ(゚□゚!!!!」
俺の声と同時にジョウの足も止まるが、店内の視線も俺に集中し鎮まりかえる。
ジョウはゆっくりと振り返り、俺の顔を見つめると俺は微かに震え上ずる声で言った。
T「あ…あの…ね…お…ぉ…お…俺も…す…す…す…好き!!」
そう叫ぶと強張っていたジョウの顔は目が見開いて、驚いたのと同時に一瞬にしてふにゃと柔らかくなり、店内にいる関係のないお客様達が何故かおめでとう~!!とクラッカーを鳴らし至る所で乾杯をして大盛り上がりだ。
そして、俺は一歩、ジョウに近づくと弱気な顔のジョウのフードを自分の方にグイッと引っ張り、みんなから隠れるようにしてフードの中でジョウの唇を塞いだ。
僅かな2人だけのフードという空間の中でチュ…チュウ…と啄めばゆっくりとジョウの手が俺の腰を抱き自分の方へと引き寄せる。
唇を離してジョウの瞳を見つめると…ジョウはニコッと微笑み俺の唇を塞いだ。
ソファに移動し、ひと目も憚らずフードの中でチュウチュウと永遠にキスをしていると突然、俺の頭に激痛が走り俺とジョウの唇が離れた。
T「痛え(T ^ T)」
頭を撫でながら見上げるとそこにはカヲルちゃんが怒った顔をして俺たちを見つめている。
J「カヲルさんあのこれは…」
「そんな光景タダで見せてんじゃないよ!!どうせ人前でキスするなら隠さず堂々として料金取りなさい!!分かった!?ほら、この子達のキスが見たかったら追加料金1万円ね!?」
商売魂の鬼のようなカヲルちゃんは俺たちを血眼で眺めていたお客様たちにお金を巻き上げ、お客様達も祝儀だ!持っていけ!と言いながらカヲルちゃんに万札を渡していく。
俺はそんな光景に楽しくなってしまい、呆気に取られているジョウの膝の上に足を乗せ、首を引き寄せるとみんなに見せつけるようにジョウの唇を塞いだ。
それと同時に歓声が上がり、恥ずかしがっていたはずのジョウも俺のキスに応えて舌まで絡めはじめた。
そんな俺たちを横目にカヲルちゃんは万札を集め終えると夢中でキスをしていた俺たちにそれを渡した。
T「え?」
「アタシたちからのご祝儀よ!!」
そう言って受け取ろうとしない俺のポケットにカヲルちゃんはご祝儀を突っ込み、俺たちの腕を引っ張ってソファから立たせる。
「早く帰ってとっととクリスマスえっちしてきなさい!!」
カヲルちゃんはそう言って俺とジョウのお尻を叩き、店にいるみんなから見送られながら俺たちは店を追い出された。
寒空のなかセーター1枚で放り出されてしまった俺はあまりの寒さからガタガタ震える。
すると、ジョウはパーカーを脱ぎ俺の肩にかける。
T「いいよ…ジョウの方が寒いじゃん。」
ジョウが下に着ていたのは半袖のTシャツで腕には鳥肌が浮き上がっている。
J「とりあえずタクシー乗りましょ。」
その風貌からは誰がどう見ても、この煌びやかな街を代表するホストクラブのNo.1だなんて思えないジョウにクスッと笑いながら、タクシーを止めるため大通りに向かおうとすると、店の中から慌ててカヲルちゃんが出てきた。
「あらこんな極寒にごめんなさいね~もうホントアタシったらおドジちゃん!!」
カヲルちゃんはそう言って俺のコートとジョウの荷物を持って出てきて、手を振りながらまた、店内に戻って行った。
そんなカヲルちゃんを見てジョウと笑いながら俺はコートを羽織り、ジョウは元通りパーカーを着て俺たちは手を繋いで歩き出した。
つづく
J「俺…やっぱりトモさんのことが好きみたいです…俺じゃ…本当にダメですか…?俺トモさんのこと諦めなきゃダメですか?」
そうジョウが言った瞬間…
俺の中でクリスマスソングが流れた…と思ったら本当に店内で流れていて俺は我に返った。
どうしよう…
ダメじゃない。
っていうか…
俺、いつダメなんて言ったんだろ?
そもそも俺はジョウに告白もされてない。
ただキスしてそれ以上のことをしようとしただけで…
え…あ…そうか…
普通は好きだからキスやそれ以上のことをしたいと思うのか…
え…じゃ、俺は男であるジョウが好きなのか?
初めて会った時はギラギラしててチャラくてダサいなって思ったけど…
確かに昨日のジョウの泣き顔や今、目の前でダサいヨレヨレをパーカー着て、寝癖つけて少し浮腫んでいる顔のジョウが…
可愛くてたまらない。
どうしよう。
これは間違いなく好きってことじゃん。
なんて言う?
俺も好きって言えばいい?
それが正解?
混乱する頭で必死にそんなことを考えていると、目の前にいるジョウは少し悲しそうに顔を歪めてぎこちなく微笑み言った。
J「こんな情け無い格好の俺に好きなんて言われても迷惑ですよね…今の言葉…忘れてください。」
ジョウはそう言ってフードを目深に被り、俺の横を通り過ぎて行こうとしたので思わず俺は叫んだ。
T「待ってぇぇぇえぇぇぇえいΣ(゚□゚!!!!」
俺の声と同時にジョウの足も止まるが、店内の視線も俺に集中し鎮まりかえる。
ジョウはゆっくりと振り返り、俺の顔を見つめると俺は微かに震え上ずる声で言った。
T「あ…あの…ね…お…ぉ…お…俺も…す…す…す…好き!!」
そう叫ぶと強張っていたジョウの顔は目が見開いて、驚いたのと同時に一瞬にしてふにゃと柔らかくなり、店内にいる関係のないお客様達が何故かおめでとう~!!とクラッカーを鳴らし至る所で乾杯をして大盛り上がりだ。
そして、俺は一歩、ジョウに近づくと弱気な顔のジョウのフードを自分の方にグイッと引っ張り、みんなから隠れるようにしてフードの中でジョウの唇を塞いだ。
僅かな2人だけのフードという空間の中でチュ…チュウ…と啄めばゆっくりとジョウの手が俺の腰を抱き自分の方へと引き寄せる。
唇を離してジョウの瞳を見つめると…ジョウはニコッと微笑み俺の唇を塞いだ。
ソファに移動し、ひと目も憚らずフードの中でチュウチュウと永遠にキスをしていると突然、俺の頭に激痛が走り俺とジョウの唇が離れた。
T「痛え(T ^ T)」
頭を撫でながら見上げるとそこにはカヲルちゃんが怒った顔をして俺たちを見つめている。
J「カヲルさんあのこれは…」
「そんな光景タダで見せてんじゃないよ!!どうせ人前でキスするなら隠さず堂々として料金取りなさい!!分かった!?ほら、この子達のキスが見たかったら追加料金1万円ね!?」
商売魂の鬼のようなカヲルちゃんは俺たちを血眼で眺めていたお客様たちにお金を巻き上げ、お客様達も祝儀だ!持っていけ!と言いながらカヲルちゃんに万札を渡していく。
俺はそんな光景に楽しくなってしまい、呆気に取られているジョウの膝の上に足を乗せ、首を引き寄せるとみんなに見せつけるようにジョウの唇を塞いだ。
それと同時に歓声が上がり、恥ずかしがっていたはずのジョウも俺のキスに応えて舌まで絡めはじめた。
そんな俺たちを横目にカヲルちゃんは万札を集め終えると夢中でキスをしていた俺たちにそれを渡した。
T「え?」
「アタシたちからのご祝儀よ!!」
そう言って受け取ろうとしない俺のポケットにカヲルちゃんはご祝儀を突っ込み、俺たちの腕を引っ張ってソファから立たせる。
「早く帰ってとっととクリスマスえっちしてきなさい!!」
カヲルちゃんはそう言って俺とジョウのお尻を叩き、店にいるみんなから見送られながら俺たちは店を追い出された。
寒空のなかセーター1枚で放り出されてしまった俺はあまりの寒さからガタガタ震える。
すると、ジョウはパーカーを脱ぎ俺の肩にかける。
T「いいよ…ジョウの方が寒いじゃん。」
ジョウが下に着ていたのは半袖のTシャツで腕には鳥肌が浮き上がっている。
J「とりあえずタクシー乗りましょ。」
その風貌からは誰がどう見ても、この煌びやかな街を代表するホストクラブのNo.1だなんて思えないジョウにクスッと笑いながら、タクシーを止めるため大通りに向かおうとすると、店の中から慌ててカヲルちゃんが出てきた。
「あらこんな極寒にごめんなさいね~もうホントアタシったらおドジちゃん!!」
カヲルちゃんはそう言って俺のコートとジョウの荷物を持って出てきて、手を振りながらまた、店内に戻って行った。
そんなカヲルちゃんを見てジョウと笑いながら俺はコートを羽織り、ジョウは元通りパーカーを着て俺たちは手を繋いで歩き出した。
つづく
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