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22話
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トモヤside
賑やかになっていく店内。
俺はいつも通り、ホールの作業は下の子達に任せてカウンターの中でお酒を永遠に作っていく。
すると、俺の前のカウンター席に誰かが座る気配を感じ視線を上げると…
T「ププ!!どうした!?」
そこにいたのはププだった。
「え…いや…あの…なんで俺のこと知ってるんですか?」
ププは昨日あんなにも仲良く俺と話しをしたにも関わらず、俺のことをすっかり忘れていて俺は少し悲しくなった。
こんなに可愛いホストもいるのだとププと仲良くなれて俺は嬉しかったのに…
しかし、ププの私服はホストとして働いているときよりもスタイリッシュで、俺の好きなファッションスタイルでププはオシャレでセンスがいいな~と感心してしまった。
T「昨日一緒にププの店で飲んだじゃん…忘れちゃったの!?俺のこと!!」
俺がカウンター越しに前のめりでそう言うとププはえっと…と考える素振りをして汗を額から浮き上がらせている。
「き…昨日ですか?昨日…俺がヘルプついた席…って確かジョウさんだけだっんだけど……?え!?えぇ!!!?ちょ…まさか…」
あ…忘れてた。
俺きのう女の子と偽ってあの店に行ったんだった。
そして今の俺は男の姿のまま。
そりゃププも気づかないはずだ。
「トモさん!!?あのモデルみたいな容姿で店内を魅了したあのトモさん!?誰も落とすことの出来ない鉄壁なジョウさんの心を最も簡単に落としたあのトモさん!!?え!?トモさんって…お…男だったんですか!?」
ププはそう興奮気味に話すが…あの鉄壁なジョウを俺が落としたなんて…うん…悪い気は全くしない…むしろ…嬉しくて…笑いが止まらない。
T「えへへ~そうそう!女装してたんだよ俺!!ププは気づかなかったんだね!?ジョウは一瞬で気づいたらしいけど。俺の本当の名前はトモヤだよ。」
「トモヤさん…いや、普通気付きませんよ…ウチの店のホスト達も誰一人として気づいてなかったし…ジョウさんのお客さんじゃなかったら今頃、トモさんはホストからのアプローチが凄かったと思いますよ…?」
そう話すププに俺が作ったカクテルを出してあげると、ププは嬉しそうな顔をしてそのグラスを受け取った。
T「そうかな?今日はクリスマスなのにお店のイベント行かなくていいの?」
「あぁ~ウチの店は毎年イヴのみパーティー営業して次の日は全店舗休日なんですよ。なので今日はカヲルさんの店に遊びに来ちゃいました。カヲルさんに会いたかったし…」
ププはそう言うと少し頬をピンクに染め、俺の作ったカクテルをスマホで写真を撮った。
ププは俺とのツーショットも求めてきたので、可愛いププの為なら仕方ないかと思った俺がVサインをしながら一緒に写真を撮ってあげるとププは嬉しそうにその2枚の写真をSNSに投稿しようとしている。
「あ…そういえばトモヤさんはインスタとかしてます?」
T「してるよ。」
俺のユーザー名を教えてあげるとププは早速俺のアカウントをフォローしその投稿に俺をタグ付け、投稿した。
ププは店内の雰囲気を楽しみはじめ、ジョウとは違い人懐っこいププは店内にいる他のお客様と気さくに話をしている。
あの子はホント人懐っこい犬みたいだな…ブンブンと振っている長い尻尾があるように見えるほどププはジョウと違って社交的だった。
ある程度お酒を作るのも落ち着き、ボトルを入れ始めたお客様にお礼とクリスマスの挨拶を兼ねて俺もホールに出てお客様と話を交わす。
いつもの顔馴染みのお客様やそのお客様が連れてきて下さった初めましてのお客様。
色んな人たちで埋め尽くされた店内は、クリスマスツリーの色とりどりのイルミネーションのおかげか温かい雰囲気となっている。
ひと通り挨拶を終えてカウンターに戻ろうとププの方を見ると、ププの横には真っ黒なパーカーを着てフードを被った全身黒ずくめの男が座っていて俺は不思議に思う。
ププはあんなにお洒落ボーイなのに…お友達は割とダサいオタクみたいな雰囲気なんだな…と。
離れた所からでもそのププのお友達が挙動不審なのがわかり、知らない俺が馴れ馴れしく話しかけるのもお邪魔かなと思った俺はププに声をかけることなく、テーブル席に座っていた常連さんのテーブルに俺はお邪魔した。
つづく
賑やかになっていく店内。
俺はいつも通り、ホールの作業は下の子達に任せてカウンターの中でお酒を永遠に作っていく。
すると、俺の前のカウンター席に誰かが座る気配を感じ視線を上げると…
T「ププ!!どうした!?」
そこにいたのはププだった。
「え…いや…あの…なんで俺のこと知ってるんですか?」
ププは昨日あんなにも仲良く俺と話しをしたにも関わらず、俺のことをすっかり忘れていて俺は少し悲しくなった。
こんなに可愛いホストもいるのだとププと仲良くなれて俺は嬉しかったのに…
しかし、ププの私服はホストとして働いているときよりもスタイリッシュで、俺の好きなファッションスタイルでププはオシャレでセンスがいいな~と感心してしまった。
T「昨日一緒にププの店で飲んだじゃん…忘れちゃったの!?俺のこと!!」
俺がカウンター越しに前のめりでそう言うとププはえっと…と考える素振りをして汗を額から浮き上がらせている。
「き…昨日ですか?昨日…俺がヘルプついた席…って確かジョウさんだけだっんだけど……?え!?えぇ!!!?ちょ…まさか…」
あ…忘れてた。
俺きのう女の子と偽ってあの店に行ったんだった。
そして今の俺は男の姿のまま。
そりゃププも気づかないはずだ。
「トモさん!!?あのモデルみたいな容姿で店内を魅了したあのトモさん!?誰も落とすことの出来ない鉄壁なジョウさんの心を最も簡単に落としたあのトモさん!!?え!?トモさんって…お…男だったんですか!?」
ププはそう興奮気味に話すが…あの鉄壁なジョウを俺が落としたなんて…うん…悪い気は全くしない…むしろ…嬉しくて…笑いが止まらない。
T「えへへ~そうそう!女装してたんだよ俺!!ププは気づかなかったんだね!?ジョウは一瞬で気づいたらしいけど。俺の本当の名前はトモヤだよ。」
「トモヤさん…いや、普通気付きませんよ…ウチの店のホスト達も誰一人として気づいてなかったし…ジョウさんのお客さんじゃなかったら今頃、トモさんはホストからのアプローチが凄かったと思いますよ…?」
そう話すププに俺が作ったカクテルを出してあげると、ププは嬉しそうな顔をしてそのグラスを受け取った。
T「そうかな?今日はクリスマスなのにお店のイベント行かなくていいの?」
「あぁ~ウチの店は毎年イヴのみパーティー営業して次の日は全店舗休日なんですよ。なので今日はカヲルさんの店に遊びに来ちゃいました。カヲルさんに会いたかったし…」
ププはそう言うと少し頬をピンクに染め、俺の作ったカクテルをスマホで写真を撮った。
ププは俺とのツーショットも求めてきたので、可愛いププの為なら仕方ないかと思った俺がVサインをしながら一緒に写真を撮ってあげるとププは嬉しそうにその2枚の写真をSNSに投稿しようとしている。
「あ…そういえばトモヤさんはインスタとかしてます?」
T「してるよ。」
俺のユーザー名を教えてあげるとププは早速俺のアカウントをフォローしその投稿に俺をタグ付け、投稿した。
ププは店内の雰囲気を楽しみはじめ、ジョウとは違い人懐っこいププは店内にいる他のお客様と気さくに話をしている。
あの子はホント人懐っこい犬みたいだな…ブンブンと振っている長い尻尾があるように見えるほどププはジョウと違って社交的だった。
ある程度お酒を作るのも落ち着き、ボトルを入れ始めたお客様にお礼とクリスマスの挨拶を兼ねて俺もホールに出てお客様と話を交わす。
いつもの顔馴染みのお客様やそのお客様が連れてきて下さった初めましてのお客様。
色んな人たちで埋め尽くされた店内は、クリスマスツリーの色とりどりのイルミネーションのおかげか温かい雰囲気となっている。
ひと通り挨拶を終えてカウンターに戻ろうとププの方を見ると、ププの横には真っ黒なパーカーを着てフードを被った全身黒ずくめの男が座っていて俺は不思議に思う。
ププはあんなにお洒落ボーイなのに…お友達は割とダサいオタクみたいな雰囲気なんだな…と。
離れた所からでもそのププのお友達が挙動不審なのがわかり、知らない俺が馴れ馴れしく話しかけるのもお邪魔かなと思った俺はププに声をかけることなく、テーブル席に座っていた常連さんのテーブルに俺はお邪魔した。
つづく
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