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16話
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トモヤside
しばらく歩くと本当にウチの店からのご近所に、ジョウの勤める有名なホストクラブが入る大きなビルがあった。
カヲルちゃんの情報ではこのビルはここのホストクラブ経営をしているオーナーさんの持ちビルらしい。
しかし、そのオーナーさんには謎が多く顔を知る人は少ないが、見た人は必ず心を奪われるほどのハンサムだという噂だとカヲルちゃんはウキウキしながら会ってみたいわ~と言っていた。
俺は俺のことを男だと思ってもみないジョウに優しく微笑まれながらホストクラブの中に入ると、ジョウの存在に気づいたお客様たちはみんな目を輝かせながらジョウに釘付けとなる。
ボーイにコートを預けるとジョウは自分の着ていたジャケットを俺の肩に羽織らせた。
J「肩見せすぎです。」
男のくせにジョウのそんな言葉が守られているようで嬉しく感じた俺だが、自分だけがその場の空気に場違いなような気がして肩身が狭く感じ、ジョウより一歩後ろを歩くとそれに気づいたジョウが俺の腰を自分の方に引き寄せて寄り添うようにして歩いた。
クリスマスイブパーティーはカナリの盛り上がりを見せているのか1番目立つ所にはシャンパンタワーがあり、あらゆるテーブルには高級な酒のボトルが沢山置かれている。
その雰囲気だけでも俺は圧倒されてしまいそうなのに、飾られてあるクリスマスツリーがあまりにも華やかで大きく俺は思わず呆気に取られる。
T「ほ…本当について来て良かったの?」
この雰囲気に飲まれてしまいそうな俺は、自分のせいでジョウが他のお客様に付くことが出来ないんじゃないかと心配し、そう言うとジョウはシーッと人差し指を立てていた。
1番奥の他の席より少し上にある明らかにそこだけ雰囲気の違う席に案内されると、大きすぎるソファに俺とジョウだけが座り周りからの注目の的だ。
T「ねぇ…みんなめっちゃ見てる…」
J「そりゃ、日頃同伴なんてしないこの店のNo.1の俺が突然、こんなにも可愛いサンタさん連れて同伴してきたら……みんな驚くよね?」
ジョウはそう言って口元のピアスを光らせながらクスクスと笑うと、少し離れた所に座っている女性のお客様が「いいな~羨ましいよ(T-T)」と俺のことを見て言っていた。
俺はそんなお客様達の反応を見てジョウと同伴することや、こうやって一対一で接客してもらえる事がそんなすごい事なんだと俺は薄々気づき始める。
ジョウが周りのお客様を見渡しているとボーイは高級シャンパンを俺たちのテーブルに持ってきた。
T「ちょっと…お…アタシこんな高級なの払えないよ!!」
隣にいるジョウの腕を持ってそう言うとボーイが微笑みながら言った。
「〇〇様からのクリスマスプレゼントです。お二人でお飲みくださいとの事です。」
ボーイはそう言って手のひらでそのお客様をジョウに伝えると、そこにはカヲルちゃんも顔負けなド派手なお姉様がジョウを見つめながら手を振っていてウィンクする。
ジョウはそんな様子に慣れているのか手を振りお礼の合図を送っていた。
J「じゃ、せっかくだしいただきましょうか。」
T「いいの?」
J「お二人でって言ってくれてるんだし。」
ジョウはそう言って俺にグラスを持たせると俺はそれを受け取り、そのお姉様にペコっと頭を下げてひと口シャンパンを飲んだ。
つづく
しばらく歩くと本当にウチの店からのご近所に、ジョウの勤める有名なホストクラブが入る大きなビルがあった。
カヲルちゃんの情報ではこのビルはここのホストクラブ経営をしているオーナーさんの持ちビルらしい。
しかし、そのオーナーさんには謎が多く顔を知る人は少ないが、見た人は必ず心を奪われるほどのハンサムだという噂だとカヲルちゃんはウキウキしながら会ってみたいわ~と言っていた。
俺は俺のことを男だと思ってもみないジョウに優しく微笑まれながらホストクラブの中に入ると、ジョウの存在に気づいたお客様たちはみんな目を輝かせながらジョウに釘付けとなる。
ボーイにコートを預けるとジョウは自分の着ていたジャケットを俺の肩に羽織らせた。
J「肩見せすぎです。」
男のくせにジョウのそんな言葉が守られているようで嬉しく感じた俺だが、自分だけがその場の空気に場違いなような気がして肩身が狭く感じ、ジョウより一歩後ろを歩くとそれに気づいたジョウが俺の腰を自分の方に引き寄せて寄り添うようにして歩いた。
クリスマスイブパーティーはカナリの盛り上がりを見せているのか1番目立つ所にはシャンパンタワーがあり、あらゆるテーブルには高級な酒のボトルが沢山置かれている。
その雰囲気だけでも俺は圧倒されてしまいそうなのに、飾られてあるクリスマスツリーがあまりにも華やかで大きく俺は思わず呆気に取られる。
T「ほ…本当について来て良かったの?」
この雰囲気に飲まれてしまいそうな俺は、自分のせいでジョウが他のお客様に付くことが出来ないんじゃないかと心配し、そう言うとジョウはシーッと人差し指を立てていた。
1番奥の他の席より少し上にある明らかにそこだけ雰囲気の違う席に案内されると、大きすぎるソファに俺とジョウだけが座り周りからの注目の的だ。
T「ねぇ…みんなめっちゃ見てる…」
J「そりゃ、日頃同伴なんてしないこの店のNo.1の俺が突然、こんなにも可愛いサンタさん連れて同伴してきたら……みんな驚くよね?」
ジョウはそう言って口元のピアスを光らせながらクスクスと笑うと、少し離れた所に座っている女性のお客様が「いいな~羨ましいよ(T-T)」と俺のことを見て言っていた。
俺はそんなお客様達の反応を見てジョウと同伴することや、こうやって一対一で接客してもらえる事がそんなすごい事なんだと俺は薄々気づき始める。
ジョウが周りのお客様を見渡しているとボーイは高級シャンパンを俺たちのテーブルに持ってきた。
T「ちょっと…お…アタシこんな高級なの払えないよ!!」
隣にいるジョウの腕を持ってそう言うとボーイが微笑みながら言った。
「〇〇様からのクリスマスプレゼントです。お二人でお飲みくださいとの事です。」
ボーイはそう言って手のひらでそのお客様をジョウに伝えると、そこにはカヲルちゃんも顔負けなド派手なお姉様がジョウを見つめながら手を振っていてウィンクする。
ジョウはそんな様子に慣れているのか手を振りお礼の合図を送っていた。
J「じゃ、せっかくだしいただきましょうか。」
T「いいの?」
J「お二人でって言ってくれてるんだし。」
ジョウはそう言って俺にグラスを持たせると俺はそれを受け取り、そのお姉様にペコっと頭を下げてひと口シャンパンを飲んだ。
つづく
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