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6話
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ジョウside
小さな頃から勉強が出来ず、顔とスタイルだけは良いと言われ続けてきたこの俺が、夜の世界に入ったのは周りから見れば驚く事もない自然な流れだったと思う。
ただ、俺は自ら望んでこの世界に入ったわけじゃない。
自分の命と引き換えに入らなければならなかった…
ただそれだけの話。
数年前までの俺は毎日仕事もろくにせず友人の家を転々とし、金を借りては酒と博打に溺れて過ごす、いわばクズのような日々を送っていた。
そんなある年のクリスマスイヴ
俺は抜けきれぬ酒の酔いを覚ますかのように、夕方の道をフラフラ歩いていると横断歩道をおばあさんが歩いていて、渡り切る間近で何かに躓いて転んだ。
俺は咄嗟におばあさんに駆け寄り声をかけた。
J「ばあちゃん大丈夫?怪我してない?」
「悪いねぇ…足が悪くて…大丈夫だよ。」
おばあさんがそう言うので俺が手を貸しながら立ち上がると、そこには俺とおばあさんに睨みきかす男二人組がいた。
俺がおばあさんの手を握って歩道の方に行こうとするとその男達は俺の肩を掴んだ。
*「おい…これどうしてくれんだ?」
柄の悪い顔でそう示す先には高級車があり、そこにはおばあさんが転んだ拍子に杖で付けてしまったのだろうよく見ると小さなかすり傷があった。
J「あぁ…すいません。」
そう言って俺が立ち去ろうとすると男達が声を荒げる。
*「おい!!これどうしてくれんだって言ってんだよ!!」
J「はぁ…俺にどうって言われても…」
「私が弁償するから…この子は何も関係ないから…」
おばあさんが必死に俺を庇うようにそう言うと、男達はおばあさんを乱暴に押し除けてその弾みでおばあさんはまた転んだ。
*「ばあさんには用はないんだよ!!お前に聞いてんだよ!!生意気な顔しやがって!!あぁん?舐めてんのか?」
そんな言葉が俺の頭の中を通り抜けていくが、俺の目には痛そうな顔をして倒れて込んでいるおばあさんしか映らない。
俺はそんな男達を無視しておばあさんに寄り添うと、男達は俺の腕を無理やり掴み自分達の方へと振り向かせた。
*「無視してんじゃねぇよ!!」
その言葉と同時に頬に走る激痛。
奥歯を噛み締める前にめり込んだ頬のせいで歯が当たり血の味がジワッと広がる。
俺の胸ぐらを掴みまた、男が拳を振り上げるともう1人の男が言った。
*「あんま、顔殴んな。身体にしとけ。」
その言葉が俺の耳にも届き、グッと腹筋に力を入れたものの時すでに遅し…
何度も溝落ちを殴られ、俺はおばあさんが恐怖のあまり震えてる横へ倒れ込んだ。
J「ゴホッゴホッ…ンッ…ばあちゃん…早く逃げな…」
「何言っての…坊やを置いていけないよ…警察を…!!」
おばあさんが慌てて取り出した携帯を男達はいとも簡単に取り上げ、地面に叩きつけて革靴の踵で踏み潰した。
*「ばあさん殺されてぇのか?」
そう言っておばあさんに近寄り威圧感を与え、俺はよろめく身体でその男とおばあさんの間に入った。
J「ばあちゃんに荒っぽい事すんじゃねぇよ…ばあちゃんここは大丈夫だから早く逃げな…。」
俺の背中の後ろにいるおばあさんにそう言うと、おばあさんは杖をついて不安そうな顔をしながら俺たちから離れる。
*「ばあさんを逃したって事は…お前が責任取ってくれんだろうな?」
J「悪りぃけど俺、金ねぇから。」
*「無かったら作りゃ~いいんだよ!!」
そう言って俺はまた、思いっきり溝落ちを殴られるとそのまま地面にぶっ倒れた。
つづく
小さな頃から勉強が出来ず、顔とスタイルだけは良いと言われ続けてきたこの俺が、夜の世界に入ったのは周りから見れば驚く事もない自然な流れだったと思う。
ただ、俺は自ら望んでこの世界に入ったわけじゃない。
自分の命と引き換えに入らなければならなかった…
ただそれだけの話。
数年前までの俺は毎日仕事もろくにせず友人の家を転々とし、金を借りては酒と博打に溺れて過ごす、いわばクズのような日々を送っていた。
そんなある年のクリスマスイヴ
俺は抜けきれぬ酒の酔いを覚ますかのように、夕方の道をフラフラ歩いていると横断歩道をおばあさんが歩いていて、渡り切る間近で何かに躓いて転んだ。
俺は咄嗟におばあさんに駆け寄り声をかけた。
J「ばあちゃん大丈夫?怪我してない?」
「悪いねぇ…足が悪くて…大丈夫だよ。」
おばあさんがそう言うので俺が手を貸しながら立ち上がると、そこには俺とおばあさんに睨みきかす男二人組がいた。
俺がおばあさんの手を握って歩道の方に行こうとするとその男達は俺の肩を掴んだ。
*「おい…これどうしてくれんだ?」
柄の悪い顔でそう示す先には高級車があり、そこにはおばあさんが転んだ拍子に杖で付けてしまったのだろうよく見ると小さなかすり傷があった。
J「あぁ…すいません。」
そう言って俺が立ち去ろうとすると男達が声を荒げる。
*「おい!!これどうしてくれんだって言ってんだよ!!」
J「はぁ…俺にどうって言われても…」
「私が弁償するから…この子は何も関係ないから…」
おばあさんが必死に俺を庇うようにそう言うと、男達はおばあさんを乱暴に押し除けてその弾みでおばあさんはまた転んだ。
*「ばあさんには用はないんだよ!!お前に聞いてんだよ!!生意気な顔しやがって!!あぁん?舐めてんのか?」
そんな言葉が俺の頭の中を通り抜けていくが、俺の目には痛そうな顔をして倒れて込んでいるおばあさんしか映らない。
俺はそんな男達を無視しておばあさんに寄り添うと、男達は俺の腕を無理やり掴み自分達の方へと振り向かせた。
*「無視してんじゃねぇよ!!」
その言葉と同時に頬に走る激痛。
奥歯を噛み締める前にめり込んだ頬のせいで歯が当たり血の味がジワッと広がる。
俺の胸ぐらを掴みまた、男が拳を振り上げるともう1人の男が言った。
*「あんま、顔殴んな。身体にしとけ。」
その言葉が俺の耳にも届き、グッと腹筋に力を入れたものの時すでに遅し…
何度も溝落ちを殴られ、俺はおばあさんが恐怖のあまり震えてる横へ倒れ込んだ。
J「ゴホッゴホッ…ンッ…ばあちゃん…早く逃げな…」
「何言っての…坊やを置いていけないよ…警察を…!!」
おばあさんが慌てて取り出した携帯を男達はいとも簡単に取り上げ、地面に叩きつけて革靴の踵で踏み潰した。
*「ばあさん殺されてぇのか?」
そう言っておばあさんに近寄り威圧感を与え、俺はよろめく身体でその男とおばあさんの間に入った。
J「ばあちゃんに荒っぽい事すんじゃねぇよ…ばあちゃんここは大丈夫だから早く逃げな…。」
俺の背中の後ろにいるおばあさんにそう言うと、おばあさんは杖をついて不安そうな顔をしながら俺たちから離れる。
*「ばあさんを逃したって事は…お前が責任取ってくれんだろうな?」
J「悪りぃけど俺、金ねぇから。」
*「無かったら作りゃ~いいんだよ!!」
そう言って俺はまた、思いっきり溝落ちを殴られるとそのまま地面にぶっ倒れた。
つづく
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