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4話
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先に会計を済まし、締めの作業をするため店に出勤したユキトくんを見送り、俺は1人ぶらぶらとクリスマスムード漂う煌びやかな夜の街を歩く。
女装姿のまま。
本当にこの世界には俺と赤い糸で結ばれている人なんているのかな?
人並みにのまれそうになりながら、俺はクリスマス飾りの眩しい光で隠れてしまっている星を探しながらそんな事を思う。
サンタさん…今年は運命の人を俺にください。
そんな子供のような事をサンタさんに願っているとホストクラブの客引きに捕まって我に返った。
そうだった…俺はいま女の子の格好してんだった…
「お姉さんスタイルいいね?モデルさん?良かったらウチで少し飲んで行かない?カッコいい子揃ってるんだけど?」
客引きのボーイはそう言って俺のこの姿が偽りの姿だと気づく事なく、少し強引に俺をホストクラブへと連れていこうとする。
俺は思わず踏ん張って連れて行かれないようにするが、慣れない服装のせいで足元が危うい。
T「俺…いやアタシ!お酒飲めないの。」
そう言って噛みそうな女言葉を使って断ってみるがさすが客引き…そんな事ではへこたれないのかグイグイくる。
「大丈夫だよ?甘いカクテルもうちは用意してあるし!ね?お願い!一時間でいいから!」
T「え!いや、お!い~へ!?待て待て!!」
ボーイの勢いのまま腕を引っ張って連れて行かれそうになった俺の足が絡まり、ヨロっと転びそうになったその時…
誰かが俺の腰に手を回し、俺は地面ギリギリで転ばずに済んだ。
ギリギリセーフ…と心の中で呟き、客引きのボーイが助けてくれたのかと顔をあげると、ボーイは真っ青な顔をして俺の目の前に突っ立っていた。
あれ?と思った俺は自分の腰に回っているその腕をたどり視線を向けると、そこには眉ピと口ピ、おまけに耳にもこれでもか~とピアスのついた筋肉モリモリなベビーフェイスのチャラ度MAXなホストが立っていた。
「ひっ!!ジョウさんすいません。最近、ウチの店売り上げが下がってて…」
目の前にいるボーイは震え上がりながらジョウという男にそう言った。
J「だからって客引きはダメだよ?違法行為だからね?しかも、こんなか弱い彼女のことを強引に引っ張って…こんな綺麗な人が転んで怪我でもしたらどうするの?」
そう言ったジョウという男の甘くてギトギトした嘘くさい言葉に俺はゾゾゾ~と寒気がした。
しかし、そのジョウという男は何を思ったのか、俺の頬にへばりついたウィッグの毛先を耳にかけ、俺はジョウの女慣れしたその行為にキザすぎだろ…と呆れながら慌てて俺の腰に回るその手を振り払った。
すると、ジョウという男は不思議そうに俺の顔を見て首を傾げる。
J「お嬢さん…助けてあげたのにそれは酷いんじゃない?」
お嬢さんって今どきいう奴いるんだ…トレンディ俳優かよ…なんて冷めた目で見つめながら俺はジョウに言った。
T「助けて頂きありがとうございました!失礼します!」
そう言ってその場を立ち去ろうとすると、それを遮るように俺の前にジョウが立ちはだかる。
J「俺、この店でホストしてるんです。一応No.1なんだけど、良かったら今度遊びに来て?」
そう言ってウインクしながら俺の前に名刺を出してくるが、ジョウのそのホスト特有のキザな話し方とチャラさと、嘘くさい笑顔が俺には合わないらしく、全身に鳥肌が立ち寒気がしてゾゾゾ~どころの騒ぎではない。
T「ホストクラブとか興味ないんで大丈夫です。」
そう言って俺が歩き出そうとするとまた、そのジョウという男が目の前を遮り、さすがにこの俺でもイライラし始めた。
T「あの!そこ!どいてもらえますか( *`ω´)!?」
J「とりあえず、これだけ持って帰って。また、俺たちすぐ会えそうな気がする。」
ジョウはそう言って俺のポーチに無理矢理、名刺を突っ込むと、眉ピをピクッと動かして笑顔を見せ俺に手を振り、俺はそんなジョウを無視して歩き出した。
チャラ…
ウザ…
ダサ…
ジョウを見た初めての印象は最悪の三拍子が揃い、珍しく俺はその日イライラしたまま帰宅した。
つづく
女装姿のまま。
本当にこの世界には俺と赤い糸で結ばれている人なんているのかな?
人並みにのまれそうになりながら、俺はクリスマス飾りの眩しい光で隠れてしまっている星を探しながらそんな事を思う。
サンタさん…今年は運命の人を俺にください。
そんな子供のような事をサンタさんに願っているとホストクラブの客引きに捕まって我に返った。
そうだった…俺はいま女の子の格好してんだった…
「お姉さんスタイルいいね?モデルさん?良かったらウチで少し飲んで行かない?カッコいい子揃ってるんだけど?」
客引きのボーイはそう言って俺のこの姿が偽りの姿だと気づく事なく、少し強引に俺をホストクラブへと連れていこうとする。
俺は思わず踏ん張って連れて行かれないようにするが、慣れない服装のせいで足元が危うい。
T「俺…いやアタシ!お酒飲めないの。」
そう言って噛みそうな女言葉を使って断ってみるがさすが客引き…そんな事ではへこたれないのかグイグイくる。
「大丈夫だよ?甘いカクテルもうちは用意してあるし!ね?お願い!一時間でいいから!」
T「え!いや、お!い~へ!?待て待て!!」
ボーイの勢いのまま腕を引っ張って連れて行かれそうになった俺の足が絡まり、ヨロっと転びそうになったその時…
誰かが俺の腰に手を回し、俺は地面ギリギリで転ばずに済んだ。
ギリギリセーフ…と心の中で呟き、客引きのボーイが助けてくれたのかと顔をあげると、ボーイは真っ青な顔をして俺の目の前に突っ立っていた。
あれ?と思った俺は自分の腰に回っているその腕をたどり視線を向けると、そこには眉ピと口ピ、おまけに耳にもこれでもか~とピアスのついた筋肉モリモリなベビーフェイスのチャラ度MAXなホストが立っていた。
「ひっ!!ジョウさんすいません。最近、ウチの店売り上げが下がってて…」
目の前にいるボーイは震え上がりながらジョウという男にそう言った。
J「だからって客引きはダメだよ?違法行為だからね?しかも、こんなか弱い彼女のことを強引に引っ張って…こんな綺麗な人が転んで怪我でもしたらどうするの?」
そう言ったジョウという男の甘くてギトギトした嘘くさい言葉に俺はゾゾゾ~と寒気がした。
しかし、そのジョウという男は何を思ったのか、俺の頬にへばりついたウィッグの毛先を耳にかけ、俺はジョウの女慣れしたその行為にキザすぎだろ…と呆れながら慌てて俺の腰に回るその手を振り払った。
すると、ジョウという男は不思議そうに俺の顔を見て首を傾げる。
J「お嬢さん…助けてあげたのにそれは酷いんじゃない?」
お嬢さんって今どきいう奴いるんだ…トレンディ俳優かよ…なんて冷めた目で見つめながら俺はジョウに言った。
T「助けて頂きありがとうございました!失礼します!」
そう言ってその場を立ち去ろうとすると、それを遮るように俺の前にジョウが立ちはだかる。
J「俺、この店でホストしてるんです。一応No.1なんだけど、良かったら今度遊びに来て?」
そう言ってウインクしながら俺の前に名刺を出してくるが、ジョウのそのホスト特有のキザな話し方とチャラさと、嘘くさい笑顔が俺には合わないらしく、全身に鳥肌が立ち寒気がしてゾゾゾ~どころの騒ぎではない。
T「ホストクラブとか興味ないんで大丈夫です。」
そう言って俺が歩き出そうとするとまた、そのジョウという男が目の前を遮り、さすがにこの俺でもイライラし始めた。
T「あの!そこ!どいてもらえますか( *`ω´)!?」
J「とりあえず、これだけ持って帰って。また、俺たちすぐ会えそうな気がする。」
ジョウはそう言って俺のポーチに無理矢理、名刺を突っ込むと、眉ピをピクッと動かして笑顔を見せ俺に手を振り、俺はそんなジョウを無視して歩き出した。
チャラ…
ウザ…
ダサ…
ジョウを見た初めての印象は最悪の三拍子が揃い、珍しく俺はその日イライラしたまま帰宅した。
つづく
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