【BL】Christmas tree〜僕たちの偽りの顔〜

樺純

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3話

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俺は女装姿のままユキトくんと焼肉を食べに行き、俺は寿司が食べたいと言ったのに!と拗ねながらも口の中にサンチュで包んだ大きな肉を放り込む。

ユキトくんはそんな俺に笑いながらも、永遠に肉を焼き続けたらふく焼肉を食べた。

Y「あ…そろそろ店行かないと。」

T「ユキトくん今日出勤?」

Y「締めの作業だけカヲルちゃんに頼まれてさ?」

T「へぇ~ユキトくんってカヲルちゃんには優しいよね。」

Y「まぁ、俺を救ってくれた人だからな。」

T「無償の愛をくれる人でもあるしね?」

Y「そうそう。カヲルちゃん俺に惚れてるからさ?」

T「抱かれないように気をつけて。」


俺は何も考えずにそうサラっと言うとユキトくんは俺の言葉に笑う。


Y「俺が抱かれる側かよ?カヲルちゃんを抱く側じゃなくて?w」


ユキトくんは俺を揶揄うようにそう言って笑っているが、今までカヲルちゃんの恋愛相談を赤裸々に聞かされてきた俺は知っている。

カヲルちゃんの見た目は綺麗な女装をした完全なるお姉様の受けだが、実は抱く側の攻めである事を…


T「ユキトくん知らないの?カヲルちゃんは見た目は綺麗なお姉さんだけどあんな顔して抱く方なんだよ?」


俺がそう言うと笑顔だったユキトくんは真顔になり、手が微かに震え手に持っていた箸がカランと音を鳴らしてお皿のうえに落ちた。


Y「それ…マジ?」

T「おん!知らなかった?」

Y「え…じゃ…あの髭の似合うダンディーな元カレも爽やか御曹司の元カレも筋肉マッチョなボディービルダーの元カレも…全員…カヲルちゃんを抱いたんじゃなくて?抱かれた…ってこと?」

T「そうそう!カヲルちゃんはあぁ見えてモテるし抱きまくりだよ?」

Y「じゃ…カヲルちゃんは…俺に抱かれたいんじゃなくて…」

T「そう!カヲルちゃんはユキトくんを抱きたいの!」

Y「いやいやいや…カヲルちゃんを抱くならまだしも…俺が抱かれるなんて勘弁。絶対、無理。」


なんてユキトくんは言っていたけど、俺は本気でカヲルちゃんがユキトくんのこと好きだということも知っているし、ユキトくんにとってもカヲルちゃんは特別な存在だって事も知っている。

だが、2人がそういう関係にならないのは性別や好き嫌い以前の問題で、ユキトくんの心の中には忘れられない男がいるから。

その人はカヲルちゃんの幼なじみでカヲルちゃんもよく知っている人らしく、突然ユキトくんの前から消えてしまい、ユキトくんが失恋した時もカヲルちゃんは見てきたし、ユキトくんが苦しんでる姿を見ちゃったから、カヲルちゃんは自分の気持ちをユキトくんに押し付けるなんて出来ないの~なんて言いながら影で見守ってユキトくんに無償の愛を与えている。

もちろん、カヲルちゃんは俺にも愛を沢山くれる人だけど…

ユキトくんへの叶わない恋心を持っているカヲルちゃんを見ると、少し切なくなると同時にそこまで真剣に誰かを想えるカヲルちゃんが俺は羨ましくもなった。

俺はそこまで本気になって愛を与えるほどの恋をした事がないから…

つづく
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