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127話
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ハヤセside
アナと俺は店を出て近くの公園で話をすることになった。
H「ホント久しぶりだね?」
A「ホント…お久しぶりです…」
相変わらず小柄なアナの動きは小動物みたいでおもろくて可愛い。
H「あの店でアナの事聞いたけど、あのスタッフ知らないって言ってたよ?まさかスタッフにまで嘘つかせてたの?」
A「ちがうよ!こっちでは名前をアナとしてではなくデザイナー名をCHIERI(チエリ)として生活しての!だからだよ。」
H「なるほど…店の名前は?たまたまジョウキのソロの曲名と同じなの?」
A「偶然…な訳がないよ…兄に店の名前を付けてくれって頼まれてね?私が色々考えてつけたの…」
そう話すアナの顔はほのかにピンク色に染まっていて恥ずかしそうに肩をすくめていた。
アナはイギリスに来てますます顔に出やすいタイプになっているが自覚症状はあるのだろうか?
H「やっぱり!まぁ、元気そうで良かったよ!」
A「うん…体はね…元気だよ?ハヤセも元気そうで何より!みんなも元気にしてるんでしょ?ユナからさっき聞いた…」
アナの表情は笑ってるけど、どこか寂しそうにもみえた。
H「ジョウキ以外は元気だよ?」
A「え!?ジョウキ調子悪いの!?風邪!?熱!?」
アナはジョウキの名前を出した途端に取り乱し心配そうな顔をしている。
H「もうジョウキぼろぼろだよ?そんな状態で今日の夜ステージに立たないとダメなんだよ…あいつ…」
俺の言葉を聞いてますますアミの目には不安が募っていく。
A「ジョウキ…大丈夫だよね…倒れたりとかしないよね…」
H「そんなに心配するくせになんで会ってあげないの?」
A「だって…私は…2人から逃げたから…嫌われるのがイヤで…逃げ…」
H「トウヤさ!彼女出来たって!」
俺はアナの言葉を遮るようにそれを伝えるとアナは驚いていた。
A「トウヤに?彼女が!?」
H「うん。でも、ジョウキはそのトウヤの彼女がアナなんじゃないかと思ってるよ…?」
俺がそう伝えるとアナはさらに驚いた顔をして焦っている。
A「えぇ!?そんなわけないじゃん!私はジョウキが好きなのに!?え………あ…」
つい、出てしまったアナの本音が俺は嬉しくてたまらない。
H「…ちゃんとそれジョウキ本人に言ってあげたら?トウヤの事もあったからどっちかを選ぶなんて出来ないと思ってたかもしれないけど、もうアナの王子様は2人じゃない1人なんだよ?アナの心にもその王子様しかいないんじゃない?」
俺がそう伝えるとアナの目にはうるうると涙が溜まっていく。
H「アナの王子様さ?今、お姫様を探す気力なんてない状態で瀕死だよ?だから、お姫様から迎えに行ってあげたら?あのジャケットを持ってさ…そんなおとぎ話もたまには悪くないんじゃない?」
俺のその言葉にアナは顔を真っ赤にしてやっと首を縦に振った。
そして俺はアナに1枚のチケットを渡し、アナとの別れを惜しみながら会場へと戻った。
つづく
アナと俺は店を出て近くの公園で話をすることになった。
H「ホント久しぶりだね?」
A「ホント…お久しぶりです…」
相変わらず小柄なアナの動きは小動物みたいでおもろくて可愛い。
H「あの店でアナの事聞いたけど、あのスタッフ知らないって言ってたよ?まさかスタッフにまで嘘つかせてたの?」
A「ちがうよ!こっちでは名前をアナとしてではなくデザイナー名をCHIERI(チエリ)として生活しての!だからだよ。」
H「なるほど…店の名前は?たまたまジョウキのソロの曲名と同じなの?」
A「偶然…な訳がないよ…兄に店の名前を付けてくれって頼まれてね?私が色々考えてつけたの…」
そう話すアナの顔はほのかにピンク色に染まっていて恥ずかしそうに肩をすくめていた。
アナはイギリスに来てますます顔に出やすいタイプになっているが自覚症状はあるのだろうか?
H「やっぱり!まぁ、元気そうで良かったよ!」
A「うん…体はね…元気だよ?ハヤセも元気そうで何より!みんなも元気にしてるんでしょ?ユナからさっき聞いた…」
アナの表情は笑ってるけど、どこか寂しそうにもみえた。
H「ジョウキ以外は元気だよ?」
A「え!?ジョウキ調子悪いの!?風邪!?熱!?」
アナはジョウキの名前を出した途端に取り乱し心配そうな顔をしている。
H「もうジョウキぼろぼろだよ?そんな状態で今日の夜ステージに立たないとダメなんだよ…あいつ…」
俺の言葉を聞いてますますアミの目には不安が募っていく。
A「ジョウキ…大丈夫だよね…倒れたりとかしないよね…」
H「そんなに心配するくせになんで会ってあげないの?」
A「だって…私は…2人から逃げたから…嫌われるのがイヤで…逃げ…」
H「トウヤさ!彼女出来たって!」
俺はアナの言葉を遮るようにそれを伝えるとアナは驚いていた。
A「トウヤに?彼女が!?」
H「うん。でも、ジョウキはそのトウヤの彼女がアナなんじゃないかと思ってるよ…?」
俺がそう伝えるとアナはさらに驚いた顔をして焦っている。
A「えぇ!?そんなわけないじゃん!私はジョウキが好きなのに!?え………あ…」
つい、出てしまったアナの本音が俺は嬉しくてたまらない。
H「…ちゃんとそれジョウキ本人に言ってあげたら?トウヤの事もあったからどっちかを選ぶなんて出来ないと思ってたかもしれないけど、もうアナの王子様は2人じゃない1人なんだよ?アナの心にもその王子様しかいないんじゃない?」
俺がそう伝えるとアナの目にはうるうると涙が溜まっていく。
H「アナの王子様さ?今、お姫様を探す気力なんてない状態で瀕死だよ?だから、お姫様から迎えに行ってあげたら?あのジャケットを持ってさ…そんなおとぎ話もたまには悪くないんじゃない?」
俺のその言葉にアナは顔を真っ赤にしてやっと首を縦に振った。
そして俺はアナに1枚のチケットを渡し、アナとの別れを惜しみながら会場へと戻った。
つづく
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