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97話

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マハロside

余計なお世話かもしれないけど、俺が出来る事は全てユナためにしてあげたかった。

ちゃんと話さなきゃとは思ってはいたものの、アナの事があってなかなか言い出せずにいたんだ。

A「ユナ?ここまでマハロが調べて行動してくれてるんだよ?ユナ幸せじゃん!あとはユナが動かなきゃ…ゴナは返って来ないよ?」

アナはついさっき意識が戻ったとは思えないぐらいしっかりしていて、その顔はいつものアナだった。

そしてアナは泣き出してしまったユナの頭を何度も撫でながら自分も涙を流してる。

Y「そうだね…ちゃんとジロと話してゴナを引き取れるように話し合う…」

M「1人が不安なら…俺も…」

Y「ううん…大丈夫…マハロありがとう…ホントに…ありがとう…」

そう言ったユナの顔はまた母の顔になっていて、俺はこの顔が1番大好きで…1番…憎いんだ。

A「ユナ~ゴナが返ってきたら一緒にピクニックに行こう!ね!」

Y「うん!ゴナの大好きな卵焼きとアナの大好きな唐揚げ作るね!」

A「やったー!!絶対だよ!?」

2人はいつもの調子になり2人で手を取り合って話し始めた。

すると、廊下から賑やかな足音が聞こえてノックも無しにドカっと勢いよく病室の扉が開いた。

H「アナ!!」

そこには深刻な顔をしたハヤセくんが息を切らして立っていて、そんなハヤセくんを押しのけて中へ入ってきたのは必死な顔をしたジョウキとトウヤだった。

そんな2人の様子をみて俺はついユナと目を合わせて笑ってしまった。

J.T「アナ!?」

これまたピッタリとハモった声に2人を見てカチコチに固まるアナ。

A「お…お久しぶりです…」

アナの声を聞いてホッと胸を撫で下ろしたジョウキとトウヤはどっちが先かと揉めながらベッドまでやって来た。

アナの横にまで来るとジョウキが抱きついてはトウヤが剥がし、トウヤが抱きついてはジョウキが剥がしていて、アナはただアワアワと慌てるだけだ。

まるでその風景はオモチャを取り合うような子供で、そんなジョウキとトウヤをみたユナがついにブチギレた。

Y「こら!!病み上がりの人間になにしてんの!!」

そう言ってめちゃくちゃ痛そうなゲンコツを2人に落としていて、あまりの迫力に驚いた俺はこれからユナを絶対に怒らせないよう気をつけよと身を引き締めた。

H「まぁまぁ落ち着いて!アナ調子はどう?」

A「もう大丈夫!ごめんね?心配かけて…」

H「俺の可愛いアナ…ホント良かった…」

俺にアナは妹いやペットのようで、ハヤセくんがアナに可愛いと呟き抱きしめてこめかみにチュっとキスを落とすもんだから、変な誤解が生まれ、またジョウキとトウヤがうるさく揉めたのは言うまでもない。

つづく
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