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アナside

今日も飲みすぎた…

いつも仕事終わりにユナと2人でベロベロになるまで飲んだくれるのが私の楽しみで、いい歳した女2人がフラフラと千鳥足になりながら腕を組み鼻歌交じりに夜道を歩く。

A「あぁ~今日も飲んだなぁ~!ユナ、酒強すぎ!」

Y「アナには言われたくないわ~アナこそ強すぎ~!」

ユナは黒い艶やかな髪をかき上げながら私に微笑みかけた…っとその時!!

私は何かに引っかかり転びそうになった。

A「痛っ!何!?」

私は隣にいたユナに支えられながら態勢を整えお気に入りのヒールを少し気にした。

Y「え…ちょっと…あれ…」

私はユナが指差す方をみると男性が倒れていた。

Y「ねぇ…アナ…どうする?」

A「どうするって…放っておくわけにも…」

Y「だよね?」

私たちは仕方なく倒れた人に近づき様子を伺った。

A「ユナ、救急車を…」

Y「うん…」

ユナはバッグからスマホを取り出そうとするが酔いが邪魔をしてうまく手が動いてない。

私は倒れた人の肩を優しく叩きながら耳元で声をかけた。

A「大丈夫ですか!?私の声聞こえますか!?」

「すいません…迷惑かけて…もう大丈夫なんで…」

弱々しい声でそう言う彼は起き上がろうとする彼の腰にぶら下げられたチェーンに目がついた。

そこには古びた小さなクマのキーホルダーがぶら下がっており、私はそのキャラクターに見覚えがあった。

A「救急車呼びます?」

「本当に大丈夫なんで…」

彼はゆっくりと起き上がり何度か頭を振って立ち上がる。

A「本当に大丈夫なんですか?」

「……はい…」

そう言って歩き出すがすぐに足元がフラついた。

A「全然大丈夫じゃないですよ。」

咄嗟に彼を支えた体からカナリの高熱が出てる事が分かった。

「すいません…歩いて帰れるんで…」

A「どう考えても無理でしょう!?救急車で病院に…」

今まで暗くてはっきりと顔がみえなかった…

がしかし…

立ち上がった彼の顔に街灯の光があたり顔を確認して私は震えた。


え?ウソ…ウソでしょ…?

今、私の目の前にいるのは…

Y「えっ!?ジョウキじゃん!?アナ!UNoのジョウキだよ!あんたの王子様じゃん!」

酔いがスーっと冷めていき頭の中でジョウキという名前がグルグルと回る。

会いたくて握手会特典付きCDを何枚も買った…

会いたくて同じ公演のライブ何度も見た…

神様これは夢ですか?

気づけば私はご褒美で奮発して買った大切なバッグを落として震えた手で彼を拝んでいた。

つづく
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