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27話
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テオンサイド
車を降りて社内に入るとカイルは秘書と一緒に下にあるカフェで待っている事になった。
俺は軽く2人に手を振ると受付に顔パスでセキュリティーを通してもらい社長室へと向かう。
エレベーターに乗っている間、俺の心臓は爆発してしまいそうだった。
小さく深呼吸をして廊下を歩き扉の前に立つ。
ヨシッと気合いを入れて俺はノックをした。
トントン
中から返事が聞こえて部屋に入ると義父はニヤッと笑い俺を見つめる…
しかし、その横には俺にそっくりな顔をしたアンドロイドが立っていて俺は呆れた笑いが込み上げた。
「最近、よく顔を見せてくれるね?父さんは嬉しいよ。」
T「父さん?今さら自分でよくそんな風に呼べますね?散々、母の代わりに俺を犯しておいて。」
「おいおい…数年ぶりによく顔を見せてくれるようになったと思ったらまた、その話か?」
T「また、俺のこと…犯したい?そのアンドロイドで満足してるんですか?それとも…脳波を使った最新の機能でも搭載してるのかな?そのアンドロイドは。」
「なにが言いたいんだ?脳波を使ったアンドロイド製作は法律違反だとお前も知ってるだろ?」
T「えぇ…知ってますよ。この会社が違法なアンドロイドを製作している事も…ちゃんとここに証拠もあります。」
そう言って俺がUSBを見せ、カイルが紙にコピーした一部の内容を社長の目の前にあるテーブルに叩きつけた。
「こ…これは…」
T「極秘なのになんでバレたんでしょうね?俺にしたら今すぐこれを表沙汰にしてもいいと思ってるんですけどね?できれば穏便に済ませたいじゃないですか?ウチには社長の上にはまだ会長もいる事ですし…会長がこれを知ったらどうなるか……可愛い孫に手を出し…その孫を出汁に使って金儲けをし…オマケに法律違反まで……」
俺の話がようやく飲み込めたのか明らかに動揺しはじめた義父は額に汗をかいて慌てている。
「な…なにが望みだ。」
T「望みはただ一つ…今すぐこの会社から去り二度と俺たちの前に現れるな。それだけで俺はこの悪事を無かったことにし、今までアンタが稼いだ財産も全てそのままアンタにクレてやる。しかし、少しでも変な行動をすれば容赦なくアンタの悪事を暴露する。それでどうですか?贅沢三昧なアンタが…大きな借金を抱えて犯罪者になりたいですか?」
「わ…分かった…しかし、時間をくれ…3ヶ月…いや1ヶ月…」
T「このボタンを押せばあなたが脱税していた事実や裏金、不正アンドロイドの証拠が記者にメールが送信される。アンタが望めるのは時間じゃない。今すぐ消えるか……それとも犯罪者になるか…どちらかなんだよ。」
記者にこの事がバレてしまえば会社ごと共倒れとなる事が分かっている俺は、初めから社長の脱税と裏金以外は記者に暴露するつもりなんてないのに義父を欺くためだけにそんな演技をした。
「わ…分かった…。お前の言う通りにする。」
T「なら、ここにサインと母印を押してください。」
俺は予め作っておいた辞表と承諾書にサインと母印を押させた。
T「今までおつかれ様でした。」
そう言ってその紙を手に取り部屋から出ようとするといきなり、義父に後ろから羽交締めにされて俺はソファに突き飛ばされ、義父は俺の上に跨った。
T「やめろ!!離せよ!!」
「お前如きが俺に敵うと思ってるのか!?あの爺さんももうすぐ死んでこの会社は俺のモノになるのに!!お前なんかに渡すわけないだろ!!」
そう言って義父は俺の首を絞めあまりの苦しさから俺は声も出ずもがく。
すると、義父は俺の顔に自分の顔を近づけゾッとした俺はさらに暴れるが、歳のわりに力が強い義父はさらに俺の首を締め付け、気が遠くなり始めると俺の服の中に手を忍び込ませる。
「いつ見てもキミは可愛いね?やっぱり生身の人間の温もりはアンドロイドには敵わないな…この肌が忘れられないよ…」
義父はそう言って俺の素肌を撫で回す。
もがき苦しむ俺の目尻から涙がぽろっとこぼれ落ち…
義父がニヤッと笑いながら勢いよく俺のシャツを破いた。
俺はもうこいつの自縛から解かれることなどないんだ…
そう悟った俺が抵抗を止めたその時…
大きな声が部屋に響き渡り義父の手がぴたっと止まった。
「な…何をしておるのだ!!!!」
義父の行動を遮るように部屋に入ってきたのは俺の愛するカイルではなく…
車椅子に乗ったこの会社の会長である祖父だった。
つづく
車を降りて社内に入るとカイルは秘書と一緒に下にあるカフェで待っている事になった。
俺は軽く2人に手を振ると受付に顔パスでセキュリティーを通してもらい社長室へと向かう。
エレベーターに乗っている間、俺の心臓は爆発してしまいそうだった。
小さく深呼吸をして廊下を歩き扉の前に立つ。
ヨシッと気合いを入れて俺はノックをした。
トントン
中から返事が聞こえて部屋に入ると義父はニヤッと笑い俺を見つめる…
しかし、その横には俺にそっくりな顔をしたアンドロイドが立っていて俺は呆れた笑いが込み上げた。
「最近、よく顔を見せてくれるね?父さんは嬉しいよ。」
T「父さん?今さら自分でよくそんな風に呼べますね?散々、母の代わりに俺を犯しておいて。」
「おいおい…数年ぶりによく顔を見せてくれるようになったと思ったらまた、その話か?」
T「また、俺のこと…犯したい?そのアンドロイドで満足してるんですか?それとも…脳波を使った最新の機能でも搭載してるのかな?そのアンドロイドは。」
「なにが言いたいんだ?脳波を使ったアンドロイド製作は法律違反だとお前も知ってるだろ?」
T「えぇ…知ってますよ。この会社が違法なアンドロイドを製作している事も…ちゃんとここに証拠もあります。」
そう言って俺がUSBを見せ、カイルが紙にコピーした一部の内容を社長の目の前にあるテーブルに叩きつけた。
「こ…これは…」
T「極秘なのになんでバレたんでしょうね?俺にしたら今すぐこれを表沙汰にしてもいいと思ってるんですけどね?できれば穏便に済ませたいじゃないですか?ウチには社長の上にはまだ会長もいる事ですし…会長がこれを知ったらどうなるか……可愛い孫に手を出し…その孫を出汁に使って金儲けをし…オマケに法律違反まで……」
俺の話がようやく飲み込めたのか明らかに動揺しはじめた義父は額に汗をかいて慌てている。
「な…なにが望みだ。」
T「望みはただ一つ…今すぐこの会社から去り二度と俺たちの前に現れるな。それだけで俺はこの悪事を無かったことにし、今までアンタが稼いだ財産も全てそのままアンタにクレてやる。しかし、少しでも変な行動をすれば容赦なくアンタの悪事を暴露する。それでどうですか?贅沢三昧なアンタが…大きな借金を抱えて犯罪者になりたいですか?」
「わ…分かった…しかし、時間をくれ…3ヶ月…いや1ヶ月…」
T「このボタンを押せばあなたが脱税していた事実や裏金、不正アンドロイドの証拠が記者にメールが送信される。アンタが望めるのは時間じゃない。今すぐ消えるか……それとも犯罪者になるか…どちらかなんだよ。」
記者にこの事がバレてしまえば会社ごと共倒れとなる事が分かっている俺は、初めから社長の脱税と裏金以外は記者に暴露するつもりなんてないのに義父を欺くためだけにそんな演技をした。
「わ…分かった…。お前の言う通りにする。」
T「なら、ここにサインと母印を押してください。」
俺は予め作っておいた辞表と承諾書にサインと母印を押させた。
T「今までおつかれ様でした。」
そう言ってその紙を手に取り部屋から出ようとするといきなり、義父に後ろから羽交締めにされて俺はソファに突き飛ばされ、義父は俺の上に跨った。
T「やめろ!!離せよ!!」
「お前如きが俺に敵うと思ってるのか!?あの爺さんももうすぐ死んでこの会社は俺のモノになるのに!!お前なんかに渡すわけないだろ!!」
そう言って義父は俺の首を絞めあまりの苦しさから俺は声も出ずもがく。
すると、義父は俺の顔に自分の顔を近づけゾッとした俺はさらに暴れるが、歳のわりに力が強い義父はさらに俺の首を締め付け、気が遠くなり始めると俺の服の中に手を忍び込ませる。
「いつ見てもキミは可愛いね?やっぱり生身の人間の温もりはアンドロイドには敵わないな…この肌が忘れられないよ…」
義父はそう言って俺の素肌を撫で回す。
もがき苦しむ俺の目尻から涙がぽろっとこぼれ落ち…
義父がニヤッと笑いながら勢いよく俺のシャツを破いた。
俺はもうこいつの自縛から解かれることなどないんだ…
そう悟った俺が抵抗を止めたその時…
大きな声が部屋に響き渡り義父の手がぴたっと止まった。
「な…何をしておるのだ!!!!」
義父の行動を遮るように部屋に入ってきたのは俺の愛するカイルではなく…
車椅子に乗ったこの会社の会長である祖父だった。
つづく
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